ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

父を想う

2010-03-18 12:51:14 | Weblog
今日は父の命日なので、朝からバックグラウンドで父のことを考えている。
ちょうど3年前のお昼ごろだった。

いまでも父の仕事の仲間たちが、命日のころに集まってくれる。
今年は15日の月曜日だった。
いろいろな思い出話ができるというのは、ほんとうにいい供養になっていると思う。
とてもありがたい。

父はどんな人だったのかと改めてイメージしてみる。
女性からはモテたけど、すぐ飽きて逃げ出しちゃう、とか、
お金儲けが下手だった、とか、笑い話になるようなエピソードがたくさんある。
仕事でたいへんな借金をつくり、周囲の人にも迷惑をかけたので、
いま改めて、それで笑ってくれる人は、本当の友人なのだろうと思う。

父の性格にはいろいろな面があるけれど、改めて気づいたことがある。
私は父が他人に嫉妬しているところを見たことがない。
分析して「あの人はこうなんだ」と、少し偉そうに言うことはあっても、
他人の悪口を言うこともほとんどなかった。
善悪や好悪の尺度を超えたその先のなにかを常に語っていた。
「人間」が大好きな人だったので、情はあつかったと思う。
ただ、自分を含め、人間やものごとに対して独特の距離感があった。

だから、私は社会人になってすぐ、会社にとても嫉妬深い男性がいたときにとても驚いた。
まず、その感情の動きがなんなのかわからない。
少し経って、それが嫉妬からきているのだと気づいたときには、
男性にも嫉妬があるのだとさらに驚き、「男性の嫉妬って女性のよりもこわい」と思った。

父と違って、母は嫉妬深いというか、ひがみっぽかった。
育った環境のせいもあるだろうと思うけど、
いま思い返してみると、生まれもった「業」のようなものを感じる。
どちらがいい、どちらが悪いではなくて、冷静に「そういう性質だった」と思う。
父も母も、じゅうぶんすぎるほどに魅力的だった。

私は父と母のどちらに似ているかと考える。
両方からちゃんと引き継いでいると思うけれど、
うまく引き継ぎすぎて、いずれと比べてもスケールが小さい。