ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

居心地が悪いとき

2010-03-23 16:44:29 | Weblog
わりと頻繁に会っている友人の顔を今日改めてまじまじと見たら、
ものすごく追いつめられた顔をしていた。

昨日、私は別の友人に「健康優良児みたいな顔」と言われたところだったので、
なんだかすごく申し訳ないような気がした。
単に「太ったね」という意味で言われたのかもしれないけど、
私には、「悩み事がなくて、食欲も睡眠もばっちりで、元気ねえ」と聞こえていたので、
友人の顔を見た瞬間に、「すみません」という気持ちになったのだ。

こうして動揺すると、なぜかその場を繕わなければいけないような気がして、
つい要らぬ軽口をたたいてしまい、よけいに相手を傷つけ、自分も追いつめられる。
もしかしたら、すべては私の妄想かもしれない。
それに、私が「健康優良児」なのは、
その友人に私の「不健康」を押し付けているから、というわけでもない。
もちろん、若干のストレスを与えてしまっているかもしれないけど、
それはお互い様だと思っている。

とにかく、この居心地の悪さはなんだろう。
そう思いながら、帰路、すれ違う人たちの顔を眺めた。

不幸そうな顔の人がたくさんいた。
特に高校生くらいから30代までの人は、たくさん悩み事があるような顔をしている。
そういう年代なのかもしれないけど、悩みのなかに活力がない。
男性も女性も、行きたくない方向に一生懸命
機械的に足を運んでいるような印象で、
感情が摩耗しきったような空気に包まれていた。

どうせ世間は変わらないのだから、諦めるように努力しよう。
そんな顔に見えた。

日本って、こんなに不幸そうな顔をした人の国だったっけ。
そう思って驚いた。
そして、ふと心のなかを覗いてみると、そこには自分の姿も見えた。
私が「健康優良児」なのは、違う意味で、でも根本では同じ意味で諦めたからだ。
あらわれ方が違っただけ。

追いつめられた友人の顔を見たとき、
そこには鏡のように自分の顔が見えたから居心地が悪かったんだなあ、と思った。

でも、やはり、
「不幸そうだ」と思われるよりは、「健康優良児」のほうがいいや。