今朝方、久しぶりに亡き母の夢を見た。
どこかのオフィスで友人と「効率的な家事」について語っていたら、
急に、母が帰ってくることになった。
夢の場合、必ず、1991年より前の元気だったころの母が、
1日だけこちらの世界に戻って来る、という設定だ。
その日は突然訪れ、私には選べないし断れない。
あらら、急に帰って来るなんて。しかも急いでいるみたいだし。
家に帰ってると間に合わないから、外で会いましょう、ということになった。
母は歩くのが速かった。
どこかの喫茶店で待っていたら、すごい勢いで母がやってきた。
「久しぶり! あのさあ、Kちゃんと連絡をとりたいんだけど、
さっきから探してるんだけど、公衆電話がなくって」と言う。
Kちゃんは、母の妹だ。
「ああ、それなら私の携帯を貸してあげるよ」と言って、叔母にダイヤルし、
母に携帯を手渡した。
母の中の時間は、1991年に止まっている。
その時代は、ポケベルの時代で、携帯電話を見るのは初めてだ。
携帯をジッと見つめ、トランシーバーのように顔に近づけ、
「もしもし、わたし、S子(母の名)だけど、Kちゃん? どうぞ」と言った。
私は大爆笑をし、「受話器のように持てばいいんだよ」と言って、
母に、ちゃんとしたポジションで携帯電話を持たせてあげた。
母はにやっと笑うと、「あ、あのね。急にいなくなっちゃって、悪かったね」と叔母に言った。
母は、1991年にくも膜下出血で倒れ、そのまま意識不明になってしまったので、
急といえば急だった。
そして、叔母となにやら私にはわからない話を関西弁でしていた(母は関西出身)。
電話が終わると、「これ、便利ね」と言いながら私に携帯を返し、
「まだたくさん連絡しなきゃいけないから、行くね」と言って、
来た時同様に、すごく勢いで去って行った。
私は、仕事があるし、まあ、いいか。と思って、そのまま、どこかのロケ地に向かった。
収録の合間の待ち時間、携帯電話に母から電話がかかってきた。
「あ、わたし、S子ちゃん」と名乗る。
母はいつも、仕事場から電話をしてくるとき、「母の名前」プラス「ちゃん」で名乗った。
もちろん、周囲には同僚がいる。私用電話だ。
私が、「なに? 仕事してるの?」と言うと、
母は、「そうなのよ。なんだかさあ、会社が倒産することになったらしいのよ。
それでね、私のお客さんたち、急にいなくなったから、ちゃんとご挨拶できなかったうえに、
これで会社が倒産なんていったら申し訳ないじゃない。だから連絡してるのよ」と言った。
隣から同僚らしい若い女の人の声が聞こえて、
「そうなんですよ~。もうどうしようもないから、頼っちゃいました~」などと言っている。
「ということで、今回は、これが終わったら帰らなきゃならないから、まったね~」と
母はノリノリな感じで語ると、電話が切れた。
おいおい、娘の私に対するフォローはないのか。と思いつつ、
携帯電話が使えるようになって、便利になったな、などと全然違うことを考えていた。
今日の昼間、念のため、叔母に連絡をして、母のメッセージを伝えた。
叔母は、最近、和歌山の遠い親戚に不幸があったので、
母が騒いでいるのではないか、と言っていた。
そして、この時間まで、母がいた会社が倒産したというニュースは流れていない。
正夢にならなくてよかった。
母の声は、相変わらず少し低くて深くて、そしてあたたかかった。
でもおかげで、明け方、まだ暗いうちに目が覚めてしまった。
どこかのオフィスで友人と「効率的な家事」について語っていたら、
急に、母が帰ってくることになった。
夢の場合、必ず、1991年より前の元気だったころの母が、
1日だけこちらの世界に戻って来る、という設定だ。
その日は突然訪れ、私には選べないし断れない。
あらら、急に帰って来るなんて。しかも急いでいるみたいだし。
家に帰ってると間に合わないから、外で会いましょう、ということになった。
母は歩くのが速かった。
どこかの喫茶店で待っていたら、すごい勢いで母がやってきた。
「久しぶり! あのさあ、Kちゃんと連絡をとりたいんだけど、
さっきから探してるんだけど、公衆電話がなくって」と言う。
Kちゃんは、母の妹だ。
「ああ、それなら私の携帯を貸してあげるよ」と言って、叔母にダイヤルし、
母に携帯を手渡した。
母の中の時間は、1991年に止まっている。
その時代は、ポケベルの時代で、携帯電話を見るのは初めてだ。
携帯をジッと見つめ、トランシーバーのように顔に近づけ、
「もしもし、わたし、S子(母の名)だけど、Kちゃん? どうぞ」と言った。
私は大爆笑をし、「受話器のように持てばいいんだよ」と言って、
母に、ちゃんとしたポジションで携帯電話を持たせてあげた。
母はにやっと笑うと、「あ、あのね。急にいなくなっちゃって、悪かったね」と叔母に言った。
母は、1991年にくも膜下出血で倒れ、そのまま意識不明になってしまったので、
急といえば急だった。
そして、叔母となにやら私にはわからない話を関西弁でしていた(母は関西出身)。
電話が終わると、「これ、便利ね」と言いながら私に携帯を返し、
「まだたくさん連絡しなきゃいけないから、行くね」と言って、
来た時同様に、すごく勢いで去って行った。
私は、仕事があるし、まあ、いいか。と思って、そのまま、どこかのロケ地に向かった。
収録の合間の待ち時間、携帯電話に母から電話がかかってきた。
「あ、わたし、S子ちゃん」と名乗る。
母はいつも、仕事場から電話をしてくるとき、「母の名前」プラス「ちゃん」で名乗った。
もちろん、周囲には同僚がいる。私用電話だ。
私が、「なに? 仕事してるの?」と言うと、
母は、「そうなのよ。なんだかさあ、会社が倒産することになったらしいのよ。
それでね、私のお客さんたち、急にいなくなったから、ちゃんとご挨拶できなかったうえに、
これで会社が倒産なんていったら申し訳ないじゃない。だから連絡してるのよ」と言った。
隣から同僚らしい若い女の人の声が聞こえて、
「そうなんですよ~。もうどうしようもないから、頼っちゃいました~」などと言っている。
「ということで、今回は、これが終わったら帰らなきゃならないから、まったね~」と
母はノリノリな感じで語ると、電話が切れた。
おいおい、娘の私に対するフォローはないのか。と思いつつ、
携帯電話が使えるようになって、便利になったな、などと全然違うことを考えていた。
今日の昼間、念のため、叔母に連絡をして、母のメッセージを伝えた。
叔母は、最近、和歌山の遠い親戚に不幸があったので、
母が騒いでいるのではないか、と言っていた。
そして、この時間まで、母がいた会社が倒産したというニュースは流れていない。
正夢にならなくてよかった。
母の声は、相変わらず少し低くて深くて、そしてあたたかかった。
でもおかげで、明け方、まだ暗いうちに目が覚めてしまった。