ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

最近の読書

2013-07-03 23:06:43 | Weblog
今日は、中国人の同僚にモーレツに怒り、周囲の人をおののかせてしまった。
いや~、思い出すだけで腹が立つ。
のし上がることしか教えず「礼」を教えないと、ああなるんだ。
やはり、人にとって一番大切なのは躾だと思う。

とはいえ、今日は本当に怒ったので「バカじゃないの」と言ってしまったから・・・、
まあ、おあいこだな。
うーん、自分がマイナス方向に進むのはイヤだ。
あの人の相手は、ああいう人に慣れているほかの中国人に任せ、なるべく逃げよう。

先日『群集心理』という本を読み終わった。
19世紀末にフランスの社会心理学者ギュスターヴ・ル・ボンという人が書いた本の翻訳。
1世紀以上前に書かれた本だけれど、すごく納得することがたくさんあった。

「3人集まれば文殊の知恵」と言うけれど、
もっとたくさん集まって「群衆」になったとき、
精神的な高揚はあり得たとしても、賢くなるかというと逆だという。

確かに、民主的に会社なりグループを運営しようとすると、
どちらかというと低い方に合わせることになりがちだ。
私の場合、自分が弱者の立場のときはギャーギャー言うけれど、
自分が強者のときには、そんなの当たり前じゃん、と思う。
「ムラ」の場合は、安定するけれど、何か変化が求められるときに停滞しがちだ。

いま通勤のバスの中でKindle版『最終戦総論・戦争史大観』(石原莞爾)を読んでいる。

読みながら漠然と思ったのは、日本の経済が停滞したのは、
戦争を知っている世代がみな引退してからだというのに、妙に納得した。
これは、精神論の話ではなくて、戦略のロジックの点でだ。

相手の布陣を見て、どのように攻めるかを考える。
自分たちの戦力を見て、ぎりぎりのどうしようもないところで、戦略を考える。
人材も兵器も潤沢にあるわけではない。
限られた資源の中で、それをどう布陣していくか。

これは、戦争をする上での根本的な考え方で、補給も退路も考えなきゃいけない。
日本は戦前、戦争の終わらせ方を考えてなかった=退路を考えてなかった、と
いま信じ込まされているけど、少なくても政治家は、
それなりに講和の道を探していたというのが真実だろう。

いまの日本人は、たくさん勉強してそれなりに戦略を考えているけれど、
どちらかというと頭でっかちで、
アメリカが本にしたもの=すでに過去の戦略に頼っており、
自分たちでいまどうするかを考える能力を失ってきたのだと思う。

先日、坂口安吾の『戦争論』も読んだ。
反戦ではあるが、戦争にはそれなりの効用があったと言っていた。
歴史的に見て、戦争は人類にとってメリットのほうが多かった。
個人には災厄であっても、人類全体として見た場合だが。

しかしいま、原子爆弾が使われるようになり、
人類にはもはや収拾できなくなって、
メリットよりもデメリットが大きくなったから、実戦は行うべきではない、と。
そして今後は、戦争はかたちを変えて行われる、とも。

私も中国人とのケンカの方法を、もっと学ばなければならないなあ。

それにしても、空調が止まった社内は暑い。
データのダウンロードが終わらず帰れないんだけど、
やっぱり残業しないように努力しよう。