ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

夕焼け

2013-07-14 20:40:09 | Weblog
ふと窓の外を見たら、やさしい赤い光が見えた。
「おっ、夕焼けだ!」と思い、カメラを持って、急いで屋上へ。



西に日が沈む。
はずなのだが、
ちょうどビルで見えない感じだ。

もっと高い部屋だったら、きれいに見えるんだろうな~と、
近くの高級マンションを羨望のまなざしで見上げる。
駐在員よりも、上海人の金持ちが多く住んでいるマンション。
いつも高級外車が出入りしている。

おまけで月も見えたから、まあ、いいか。



夜の帳がおりる。

が、全然気温は下がらず、まだまだ30度以上。
上海だなあ。

翻訳本

2013-07-14 20:02:14 | Weblog
やはり風が少し強いだけで大した威力ではない台風だった。
昨晩は突風が吹いていたものの、近所の工事現場は作業をやめる気配がなく、
さすが中国人だなあ、と思った。
労働者の安全よりも、不動産デベロッパーの都合が優先されるあたりにだ。

昨日の段階で引きこもる気満々で、食料を買い込んで来たから、
やはり引きこもって読書することにした。
看板とか大きなゴミが飛んでそうだし、切れた電線も怖いし。
まだ風は強いので、今晩どうなるかわからないから、明日の朝も人の後ろを歩くようにする。
トラップに引っかからないように。

で、読んだ本は、パトリシア・コーンウェルの『異邦人』。
よく計算されたストーリーだなあ、という以外に、
最近、この手の本を読んで思うのは、
アメリカって、人が住める土地が少ないんだなあ、ということと、
みんな、だいたい何かの精神病か依存症なんだなあ、ということ。

確かに庭付きの家に住んでいるのが普通だから、日本の家に比べたら広いんだろうけど、
なんというか、街が飛行機じゃないと繋がらなくて、
スペースコロニー的という印象を受ける。

あと、個人ばかりがクローズアップされてしまっていて、
そのために、みんなが孤独な感じだ。
相手を尊重した自立というよりは、四面楚歌というような印象。
日本がこんな社会になったら、イヤだなあ、と思う。

敗戦とバブル崩壊を上手く乗り越えられなかった日本では、
これだけ鬱病の人が量産される社会になってしまった。
でも日本人は、これを生い立ちのせいと考えるよりは、
社会の全体問題として考える気質が、まだ残っていると思う。
ただ、社会全体の責任であるという気持ちが強くて、
「私は知らない。私は悪くない」が蔓延してるのが日本の病根だと思う。
社会を形成しているからには、自分にも責任の一端がある、と考えたくないという心理。

アメリカの場合は、社会全体という意識が、おそらく日本とはかなり違うので、
みんなが納得する共通項として、フロイトが喜んで引き合いに出されるのだろう。

日本人にはそのへんが新しい感じに思えるわけだけど、
こういう考え方を敷衍する際には、社会構造自体をよくよく比べてからでないと
あまり有効活用できないと思う。
もちろん日本人にもフロイトは通用するけど、
その社会にとって「当たり前のことは言い落とされている」ということを前提に読まないと、
外国の本はわからないと思うんだよなあ。翻訳本でも。

そろそろ、中国の推理小説にもチャレンジしてみるか、と思うのだが、
これまで読んだ本はどれも途中で放棄している。
ホラーではあるが、推理ではないことが多かったから。
そろそろ変わって来ているだろうけど。

ネットショップのほうが安いのは中国も同じなので、
「当当網」という本が安いサイトで、いつも日本の小説の中国語訳本を探す。
この週末は『奇想、天を動かす』(島田荘司)、『十角館の殺人』(綾辻行人)を買った。
どちらも15年以上前に読んだ本だけど、印象深かったので、
中国語ではどんなふうになっているのか興味がある。
特に「奇想天」は、なかなか難しいんじゃないかと思う。

楽しみでもあり、怖くもある。

京極夏彦もほぼ全作品が翻訳出版されている。
京極堂シリーズもあって、
あの宗教的なところをどう訳しているか興味があるんだけど、
日本語同様のあまりの分厚さに、読み切る自信がなくて、まだ買っていない。

それにしても笠井潔の矢吹駆シリーズは、昨年秋に出版中止になってから、
結局、そのままなのだろうか。待ってるのになあ。