ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

面子

2013-10-20 10:37:50 | Weblog
この週末も家で仕事モードなのだが、
ずっと仕事をしているのも飽きるので、本を読んだ。
『知っておくと必ずビジネスに役立つ 中国人の面子』(吉村章著)

中国人という人たちについて、実に納得することばかりが書かれている。
80后、90后の不思議ちゃんたちのことがあまり書かれていないけど、
根っこがわかれば、まあ、派生系として納得できると言う感じだ。

この本を読んでいて思い出したのが、上海人同士の大げんかの話だ。
会社内で、怒声が聞こえて来た。ものすごい剣幕だった。

で、おさまったあと、双方に話を聞いてみたところ、
けんかの原因が、2人でまったく違う。
日本人の場合は、発端はこれで、でも相手の主張はこうで、私はこうで・・・となるが、
彼らの場合は、全然違う。

1人は、私が取りまとめをしている仕事で、資料の提出が毎回遅いから、
みんなの前で注意をしたら、いきなりキレた、と言い、
もう1人は、接待の席で幹事をしていたときに、あいつに面子をつぶされた、と言う。

2人とも「面子をつぶされた」と言っているわけなので、発端は同じとも言えるのだが、
私からすると、「それじゃ、どっちも解決しないんじゃない?」と言いたくなるほどだった。
言わなかったけど。
とりあえず、返答に窮したので、「へ~、そうだったんだ~」と言っておいた。
本当に仲裁する必要があれば、中国人がやればいい。

ちなみにケンカの当事者は2人とも80后で、
日本での留学経験がある、比較的裕福な家庭の上海人だった。

最近は、中国人の同僚にいろいろなプレゼントをして、
どんな反応をするかをさぐっているのだけど、
女子の場合、喜ばれたのは日本製の化粧品と調味料。
調味料は日本料理のものではなくて、塩といった汎用性のあるものがいい。
また小さい子どもがいる家では、日本の無添加石けんも喜ばれる。
日本語がたくさん書いてあって「天然」などとかいうオーガニックな雰囲気のものは
お母さんやお父さんに人気だ。

一番ウケなかったのが、和柄の小物。
理由は、おそらく価値がわかりにくいから。
そんな雰囲気がしたので「あみだくじ」をやったら、小物よりも「あみだくじ」に喜んだ。
これは演出の勝利だ。

中国人同僚の女の子(小学1年生)には、プリキュアの着せ替えをあげた。
プリキュア自体は知らなかったようなのだが、可愛くて気に入ってくれた模様。
毎晩寝る前にベッドの上で遊んでいて、一緒に寝ていたため、
寝相のおかげで、1つ壊れてしまったとか。

着せ替えは万国共通で、女子にとっての最強アイテムだが、
確かにプリキュアにハマる層は、中国の場合、
自分で動画サイトを見ることができる、もう少し年齢が上の子たちだろう。

まあ、つまりは日本人の同僚または友人がいてね、
という話の後に、ちょっとしたエピソードが加えられると、
中国人としては面子が立つ、ということで、喜ばれるのだろう。

いろいろと変なことをやると、みんなが喜ぶので、
先日「最近、パソコンばっかりだから姿勢が悪くなっちゃってさ~、姿勢の矯正」と言いながら、
頭の上に同僚からもらったぬぐるみを乗せて仕事をしていたら、
女子には大ウケだった。

こういうことをしていると、ある日、机のうえにお菓子が置いてあったり、
お願いする前に通販の代引料金を建て替えておいてくれたり、
「いつご飯食べに行けるのよ~」という、おごってくれるけど強制的な誘いがあったりする。

面白いのだけれど、このノリも、ついていくには許容範囲というものがある。