息子の家で、保育園の頃の本を紐で束ねていた。読まないのに邪魔だからゴミの日に出すという。
私にちょうだい。もし思い出したら、倉庫の二階に置いておくから。
うちにも息子たちが小さい頃、きれいな童話の本がたくさんあった。保育園で毎月貰うのも、とても楽しみだった。でも下の子が生まれたころ、夫はそれまでの仕事がダメになって、一年間ちり紙交換をやった。住まいも福生の米軍人用に建てられたハウスに引っ越して、思い切り新しい生活を始めようとしていた。
僅か一年だったのに、ちり紙交換の社長さんとは、今に至るまで付き合いがある。本当に良くしてもらったのだ。
全集もののすてきな童話の本を、出物だからとたくさん届けてくれた。
毎晩毎晩、ベッドで本を読むのが、子供二人と私の一番好きな時間だった。でも中学生になった時、近所に保育所ができ、関係者だった友達から
本を寄付して、と頼まれた。もう、いらないでしょう、と。
二つ返事であげてしまった。
すぐに後悔した。あの本たちは私の思い出だった。何年も経ってから、その中でもお気に入りだった、王様の竹馬、という本を古本市で見つけ、迷わず買った。
孫の要らなくなった絵本を開いてみる。うちの庭と同じ花、同じ虫、同じドングリ!
こんなに綺麗な本、やっぱり捨てられない。
私にちょうだい。もし思い出したら、倉庫の二階に置いておくから。
うちにも息子たちが小さい頃、きれいな童話の本がたくさんあった。保育園で毎月貰うのも、とても楽しみだった。でも下の子が生まれたころ、夫はそれまでの仕事がダメになって、一年間ちり紙交換をやった。住まいも福生の米軍人用に建てられたハウスに引っ越して、思い切り新しい生活を始めようとしていた。
僅か一年だったのに、ちり紙交換の社長さんとは、今に至るまで付き合いがある。本当に良くしてもらったのだ。
全集もののすてきな童話の本を、出物だからとたくさん届けてくれた。
毎晩毎晩、ベッドで本を読むのが、子供二人と私の一番好きな時間だった。でも中学生になった時、近所に保育所ができ、関係者だった友達から
本を寄付して、と頼まれた。もう、いらないでしょう、と。
二つ返事であげてしまった。
すぐに後悔した。あの本たちは私の思い出だった。何年も経ってから、その中でもお気に入りだった、王様の竹馬、という本を古本市で見つけ、迷わず買った。
孫の要らなくなった絵本を開いてみる。うちの庭と同じ花、同じ虫、同じドングリ!
こんなに綺麗な本、やっぱり捨てられない。