豚も杓子も。

私にすれば上出来じゃん!と開き直って、日々新たに生活しています。

シャングリラⅢ

2007年07月16日 | Weblog
 何の憂いもなくステージを楽しめるのも、拠所なく災害などに見舞われることがなかったからだと今朝新潟を中心に起こった地震の報道に接して改めて感じました。被害に遭われた方のご苦労を思うと気楽にこんなご報告をするのもどうかと思いましたが、いつ何が起こりうるかもしれないからこそ、いっそう普段は楽しく元気に仲良く過ごしたいと思わされました。
地震の被害に遭われた方にお見舞いを申し上げるとともに、一日も早く通常の生活に戻られることを願っています。



 今朝、体重を量ってみると、ストンと落ちていました。息を詰めてステージを見つめていた二時間半。それがどんなに濃いステージであったかが何よりわかる指標です。代謝率が異様にアップしていたみたいです。脂肪の燃焼には、シャングリラ!!
たくさんの元気の素を頂いた代わりに、私のエネルギーもだいぶ置いて帰ったようで、バタンキューの翌日のご報告です。

 台風4号に備えて風の通りを良くしてあった工事現場。昨日の朝は、まぶしい青空にお城のような風情を見せていました。
ユーミンの一大プロジェクト「シャングリラⅢ」の広島公演。台風で一日順延されたので、昨日が事実上の初日でした。


 昨日は、ユーミン初見の母を伴いました。事前にベスト盤で学習しておいてもらいましたが、どの曲を聴いても同じに聞こえたとのこと。テレビでメイキングの番組が少し前に放送されたので、それも見てもらいましたが、いまいち理解してない様子。ご主人でプロデューサーの松任谷正隆さんが優しそうだね~というばかり・・。
あのね・・・早い話、若い(?)人にとっての美空ひばりさんみたいな人だから、そう思って聴いてねと念を押しておきました。母の感想も興味深いところではあります。



 観客の多くは、私達世代を中心にした女性です。結構男性の数も多いのがユーミンのコンサートですが、ご夫婦も目立ちます。さすがに母の年代になるとまばらですが、それでも何人かの方とすれ違いました。
 グッズ売り場を見学したり、ロビーの雰囲気も楽しんで、いよいよ中へ。会場の体育館は見たことのない異空間に様変わりしていました。中央に作られたステージ。それを囲む金属製の巨大な装置。スタンドの四方に配してある風化した化石風のオブジェにも目を奪われます。
今回のシャングリラのテーマは「ドルフィンの夢」。シンクロナイズドスイミングの女王ヴィルジニー・デデューが見た夢の中が描かれてると言う趣向でした。それを象徴するような余韻を残す終わり方がとても印象的でした。詩的な雰囲気に全体が包まれた夢の世界。Ⅲは優雅なシャングリラでした。
 コンサートの内容もさることながら、今回はデデューの類まれな才能を間近に堪能できたことも何よりでした。彼女が水面に現れると、一瞬にして水に粘り気が加わるようでした。ゆっくり落ちていく飛沫も一緒に演技しているようなのです。魚のようなしなやかな身のこなし。水に描かれる美しい放物線。芸術の域に達したと言われる彼女の演技は、やはり評判に違わぬ素晴らしさでした。
サーカスとシンクロ、そしてダンス。それぞれの精鋭たちによる演技とユーミンの音楽。それらがひとつに融合して、たとえユーミンの歌を知らなくても楽しめる構成になっていました。(ああ、良かった・・。)それだけに、聞き覚えのある歌を期待していた場合には、少し地味な選曲に思えたかもしれません。それにしても、一人一人の役割は作品の一片にしかすぎないのかもしれないのに、それを裏方と表、各々が確実にこなすことでこんなにすごいことが出来てしまうんですね。舞台を支える力の源は何・・?きっと最後は一人一人の自覚、自分に対するプライドしかないのでしょう。それを統率するユーミンのパワー、まさに彼女なしでは成り立たない世界ですね。
大ヒットした楽曲でいったん終了した後の、アンコールの二曲目。歌詞もはっきり聞き取れてとても感慨深い曲でした。今のユーミンの心境が感じ取られる、観客への何よりのメッセージだと思いました。(曲目に興味のある方はこちらに詳しく載せられています。)



 
 足腰が悪く毎日一生懸命にプールでリハビリに励む母ですが、私より少し年上のユーミンの姿にはかなり力づけられたようでした。確かに今回のアクロバティックなサーカスアクトに果敢に挑む姿は、かなりインパクトがありました。挑戦する勇気だけではない、それ以上のものを頂いて帰ってきたような気がします。

 広島に来てくださったからこそ、こうして母にも見せることが出来ました。
シャングリラⅢに携わって来られた方々に感謝致します。思わぬアクシデントや天候不順などで広島のイメージが悪くならないといいな・・。大きな公演は飛ばされがちなこの地での開催、本当にありがとうございました。
きっといつまでも覚えています。