豚も杓子も。

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パシフィック231

2007年10月19日 | Weblog

C57、パシフィック型の蒸気機関車です。
機関車は、前輪、動輪、後輪の配置によってニックネームが付けられているそうです。パシフィック型は、前輪2 動輪3 後輪1の組み合わせの機関車を指します。


パシフィック型は「C55、57」など。その他にもハドソン「C62」、バークシャー「D62」、テンホイラー「86」、プレーリー「C58」、ミカド「D51」などがあり、これは最初に走った場所を記念して、そこの地名をとって名付けられたのだそうです。ミカドは日本で最初に走った機関車だということでした。

また、形式で「C」とは動輪が3本「D」とは動輪が4本ある事を意味し、さらに細かく分けると、10番台が炭水車なしのタンク型、「C11、C12」。50番台からが炭水車(テンダー)付き「C55、57、58、61、D51」となるのだそうです。

にわかじこみの鉄チャンの知識ではこのくらいが限界ですね。
そもそもは、先日聴きに行ったコンサートで演奏された曲のタイトルになっていた機関車を見てみたくて探してみたのでした。

フランスの作曲家「アルチュール・オネゲル」が作曲した管弦楽曲、交響的断章第1番「パシフィック231」という曲が、10月14日の「鉄道の日」記念日にちなんだコンサートで披露されました。
「現代の作曲家の実験的な曲です。不協和音などがあります・・」と前置きがあって始まった曲は、その調和しないハーモニーがむしろ蒸気機関車の動き出す時の力強さをうまく表していてとても面白い曲でした。
自らも鉄道ファンだという指揮者の秋山和慶さんによるトークショーから始まった演奏会は、機関車のニックネームの由来となる車輪の配置を説明するパネルなども登場したり、鉄道の記念日にふさわしい楽しい催しでした。周りを見渡すと、広響ファンはもちろん、鉄道ファンとおぼしきおじ様達もあちこちにお見受けいたしました。

JR西日本と広島電鉄(広島市内を走る路面電車を運営する会社)の協賛ということで、マエストロ秋山氏はトークショーの時には広電の制服、演奏会の前半ではJR西日本の制服で登場されました。ロビーにも、その二社のポスターやパンフレット、そして秋山さんご自身のご自慢の模型なども展示されたり、鉄道関係のグッズ売り場もできていました。普通のコンサートとはちょっと違う雰囲気ですね。

「鉄道の日記念コンサート」
第1部 「鉄道を愛した世界の名作曲家たち」
J.シュトラウスⅡ世 ポルカ「観光列車」
オネゲル「パシフィック231」
ヴィラ=ロボス「カイピラの小さな汽車」
E.シュトラウス ポルカ「テープは切られた」

第2部「鉄道をテーマにした懐かしの歌や映画の音楽」
イタリア映画「鉄道員」
日本映画「鉄道員(ぽっぽや)」
「鉄道の歌メドレー」

第3部「鉄道を愛した大作曲家の名曲『新世界から』を聴こう」
ドヴォルザーク 交響楽第9番 ホ短調作品95「新世界から」


広響の音楽監督・常任指揮者の秋山さんは音楽界の「キング・オブ・鉄チャン」と呼ばれているそうで、「駅弁やビールなんてあるといいのですけどね・・。どうかリラックスして楽しんでください。」とご自分もとても嬉しそうに指揮棒を振っておられました。
中・四国では唯一のプロのオーケストラである広島交響楽団。
時々、その演奏を耳にしながらずいぶん年月が経ちますが、この日の演奏は、冒頭のポルカなど、一体感があるとても愉快な音色でした。指揮者の方のお人柄を反映するような縦横無尽な快活な音だったと思います。集団を率いるリーダーとしての資質。やはり人を引き付ける魅力というものを備えていらっしゃる方なのだと拝見していました。
楽団員の方の表情も柔らかく楽しげで、音を合わせていく楽しさがこちらにもよく伝わってきます。気軽な演奏会ということで、黒を基調にした思い思いの衣装も個性が現れていて楽しかったですね。

なかなかクラシックに親しむ機会はなく、重々しい曲だとまぶたの上下が仲良くなってしまいますが、こんな楽しい催しがあればまた出かけて行きたいです。
音楽好きのある友人の誕生日の日に開かれるというだけで興味を持った演奏会でしたが、はるかな友人をお祝いする以上に楽しんでしまいました。