豚も杓子も。

私にすれば上出来じゃん!と開き直って、日々新たに生活しています。

息継ぎ問題(結)

2008年05月19日 | Weblog
銀色のうなぎは、これ。
帰ってから発見したのですが、ちゃんとロゴ入りです。
お土産をありがとう!



時は、昨日の午後6時!
黒白のギンガムチェックの上着で登場した堅さん。袖の折り返しは、な~~んと○○模様です。
お洒落~!
お世継ぎ問題ではなく、息継ぎ問題解明の使命を帯びて臨んだこのコンサートでしたが、むむむ・・・。
堅さんの手はマイクを口元に近づけたままです。
そう、息を吸い込む音を拾うことなど無頓着に、華やかにショーは開幕したのでした。とりあえず、楽しんじゃえ!

そして迎えたバラードタ~イムッ。
「哀歌(エレジー)」のイントロ。悲しいピアノがムードを盛り上げたその後に、いきなり聞こえたのは「ンガぁ~っ!!!」。
そんなに吸い込まなくて、いいんでないかい???
ふむ・・。
彼の場合、息継ぎが聞こえるのではなく、言葉の前に息があるのですね。
音符に置き換えられてはいないけれど、それは必要なものだということは理解できたような気がします。
さすが「愛の流刑地」の主題歌です。彼の歌唱は、まるで「天城越え」のような妖艶なセットと見事に融合し、マカフシギな空間を作り出しておりました。
いやー幅広いです。とってもポップな雰囲気も楽しめたし、こんな濃い空間も堪能させてくださるなんて、よいわ~。

でも、息継ぎの聞こえない、というか、気にしなくていい「君の好きなとこ」がやはり一番好きだったです。歌われている世界も、もう、こんなことは起こることもないだろうけど、誰かを好きになったら、本当にこんな風に好きなとこを数えるんだろうなあって、今絶賛恋愛中の人たちにエールを送りたくなりました。
今は思い出すだけだけど、そんな気持ちを抱いていたこともあったのだなあ・・(意外とそんな昔でもなかったりして?)・・・なんてですね。

堅さんは、人を好きになるととても「いたい(痛い?)人」になるそうです。
もう、何も見えなくなってしまうとおっしゃっていましたが・・それが歌に昇華するのでしょうね。切ないというより、ものすごく切実な感じ。歌を構成するもの全てが切実さに溢れていました。息遣いまでも歌の中に包み込んでしまう・・というような勢いのようなものも感じられましたね。
CDから聞こえてくる歌より、やはり空気を伝わってくると感じられる彼の歌にはライブならではの力がありました。右手を上下させながら半音を自在に操り、自らを美しく鳴る楽器として表現できる彼の才能の素晴らしさを満喫できた二時間半でした。
息継ぎが聞こえてくることへの違和感が無くなったといったら、正直まったくそうだとはいえません。でも、ひょっとしたら、これは、私が自分の中で好き嫌いを決めたというより、正しい呼吸法とはこうあるべきと刷り込まれていたことからの違和感ではなかったのかとも思いました。学習することは、重要なことではありますが、一方では先入観を植え付けることでもあるのですね。昨夜集った7200人は彼の歌に確かに魅了された人々でした。広島では珍しく急遽追加されたツーデイズコンサート。聞こえてくる歌も、そのほとんどが耳に馴染んだ曲でした。これほどまでに愛されみんなに受け入れられている堅さん。この時期に彼のステージを見られたということは、とても幸運なことだったと思います。
生意気に息継ぎ問題の解明・・なんて失礼な目的半分で出かけた私も脱帽。素敵な歌の作り手であり歌い手さんでした。
何事もなく、とりあえずは平和な日本で、こんな素敵な時間を与えてもらえた幸せにも感謝します。