豚も杓子も。

私にすれば上出来じゃん!と開き直って、日々新たに生活しています。

国際児童文学館

2008年05月29日 | Weblog
ずっと探していた本に再会できそうだと思っていた場所、大阪千里の大阪府立国際児童文学館が閉鎖されるかもしれない・・ということを新聞の記事で知りました。
驚いてHPに行ってみると、確かに存続を訴える署名活動などもされているということで、まことに切迫した雰囲気が伝わってきました。
これも、大阪府の財政をを立て直す一環として橋下知事が提案した改革の一つなのだそうです。施設は東大阪市の図書館に統合されることが計画されていると記事は伝えていました。
今まで集められた資料が、ばらばらに空中分解してしまうという危機は避けられるようですが、この図書館独自のサービスは果たして受け継がれていくのでしょうか。
例えば、コピーサービスや館内閲覧。そして、私がネット検索でたどり着けたような外部への資料の紹介などです。私は、「だれもしらない小さな国」の初期の本をもう一度手に取りたいと長年思い続けていましたが、それがここに所蔵してあり、希望すれば手にとって閲覧することが出来ることをつい数ヶ月前に知りました。
古本屋さんにもない本が、この文学館に所蔵してあるということがわかっただけでもうれしかったのですが、閲覧できたり遠くの人にはコピーのサービスもあるというきめ細やかな対処もしてくださることもわかり、とてもありがたいなあと感心しました。たとえその恩恵に浴する人が数としては少ないとしても、とても心のこもったサービスのあり方だと思いました。
閉鎖を提案されるのには、それだけの理由があるのは確かでしょうし、それは、このところの児童書の減少や町の本屋さんの児童向きの本棚の縮小に照らし合わせてみれば容易に想像できるものでしょう。ただ、例えば機械的に施設の利用頻度などを比べて、削減の対象に組み入れられるというのは、なんだか単純すぎてもったいないなとも思います。乱暴ながら、小中学校の遠足には必ずこの図書館を利用する・・というような強制的なカリキュラムを組んで利用頻度を上げ、それだけのコストをかけることが合理的だと考えられる水準にまで利用者数を引き上げる・・など、もし、この施設の存在の意義に重きを置かれるとしたなら、そういうリーダーシップの発揮の仕方もあるのではないかと思います。しかしながら、そのような努力はすでにし尽くされているのかもしれませんね。

こうしてみると、整理される対象のものはそれぞれの思惑が働いて、計画通り整頓していくのは容易なことではないのだということも改めてわかってきます。
この施設が今後どういう道を辿るとしても、収集された資料がどうか書庫に深く眠ることなく活用される方向で生かされていければなあとささやかながら願うばかりです。