一番効果ありそうな特保

2014年03月16日 13時48分10秒 | 自己満足的疑問解決
先日、メーカーが主催する勉強会に行ってきました。

ずばりテーマは肥満。
医師会や大学の先生が講演してて、中でも一番印象的だったのが抗肥満薬です。

肥満の治療は食事を抑える方法と蓄えた脂肪を無くすの大きく2つ。
脂肪を無くすのは当たり前なんで割愛。
そもそも、運動して脂肪を無くせれば苦労しません。
ってことで食事量に注目が集まったワケですが、
既に肥満の治療薬にはマジンドールってものがあって、
これは食欲を無くすことで、食事量を減す作用でした。
けど、食欲を無くす代わりにうつ病や生きる気力も無くなったりする
弊害もあり、あまり使われて無いようです。

色々な研究の結果、当たり前と言えば当たり前なんですが、
食事の中で脂肪の吸収を抑えればダイエットできると言うことが
わかってきて、今回の勉強会の薬セチリスタット(商品名オブリーン)
が生まれたわけです。

これはリパーゼ阻害薬と言われるもので、
簡単に言えばリパーゼという酵素の働きを邪魔することで
食事の中に含まれている脂肪を体に入るのを防ぐというものです。


説明を聞いてて「すごいなぁ」と感心してたのですが、
この薬は発売しようにもまだ薬価が付いて無くて
薬価が付いていない理由は効果が2%程度だからということです(関連記事)。

けどメーカーの説明では2%体重が減少することで
肥満による合併症や血中コレステロール、血圧が改善すると
自信を持っており、この説明を聞く限りちょっと期待できそうです。
だけど、この薬を服用するには既に糖尿病を有してないと駄目で
今のところダイエット目的の服用は出来ないようです。
(自費ならいけるだろうけど、いくらかかるのか…)

ちょっと残念だなぁと思ってましたが、
ふと考えてみると特保(特定保健用食品)の中に脂肪の吸収を抑えると
うたい文句にしている製品がありました。
ずばり黒烏龍茶であります。


黒烏龍茶の作用機序を調べてみると
烏龍茶を製造する際の、緑茶葉を半発酵させる過程でカテキン類が重合して生じる
烏龍茶特有のポリフェノールであるウーロン茶重合ポリフェノール
(Oolong Tea Polymerized Polyphenols;OTPP) を関与成分とする。
OTPPは膵リパーゼを阻害する作用を有し、腸管からの脂肪吸収を抑制することが確認されている。

そう!オブリーンと黒烏龍茶は同じ(似た)作用機序なのであります。
黒烏龍茶を飲み続ければ痩せるのか??

ここで気になるのが黒烏龍茶の評判。
飲んでも効果が無いとか、効果があってもごくわずか等々…
効果がわずかであることについては、先ほど触れた通りです。
では効果がないとはどういうことか?

私が思うには用法が悪いのではないかと思います。
リパーゼというのは食事をしてから分泌されるものなんで食間で飲んでも意味はありません。
その証拠にオブリーンの用法は毎食“直後”に服用とあります。
毎食後ではなく毎食“直後”です。
薬剤師的な指導を行うならば「ごちそうさまでしたと同時に服用してください」と言います。
黒烏龍茶の飲み方は「1日2回、1回350mLを食事の際に服用」とありますが、
ひょっとしたら、黒烏龍茶も食事を開始してから服用、
できれば食直後に服用した方が良いのかも知れません。

世の中には脂肪を燃焼するとか、分解するとかを
宣伝にしているものもありますが、私個人のレベルでは効果はイマイチでした。
だけど、こうやって考えてみると黒烏龍茶はちょっと期待できます。

というわけで、これからちょっと飲んでみることにしました。
効果の有無はまたブログにできれば良いのかな。
今回の記事は私の思いつきなんで、あまり参考にしないようにお願いします。

□□□関連記事□□□
肥満症治療薬「効果乏しい」、薬価判断持ち越し

武田薬品工業が製造販売の承認を受けた新しい肥満症治療薬に対し、中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関、中医協)は13日、「効果や必要性が乏しい」などとし、薬価を決める判断を持ち越した。

 1回で結論が出ず、薬の効果を巡り、中医協の議論が継続されるのは極めて異例。

 この薬は「セチリスタット」(商品名オブリーン)。武田薬品によると体内で脂肪を分解する酵素が働かないようにし、脂肪の吸収を抑えて体重を減らす効果がある。肥満で、糖尿病と脂質異常症の人に適用される。約200人を対象に1年間行った試験では、体重減少の効果が2%程度だった。今年9月、厚労省から製造販売承認を取得した。

 製造販売が認められた薬は、中医協で薬価を決めるかどうか議論し、承認されれば保険適用される。しかし、13日の中医協では、「体重100キロ・グラムの人なら2キロしか減らない。必要ない」「(関連学会は『病気』としているが)そもそも肥満症は病気なのか」などの意見が相次いだ。

(2013年11月15日 読売新聞
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