肌の王様

今日はうちの会社で内定式があったらしい。
幸いにも私の後輩の新人はいないようで、ちょっと安心。
もし後輩が入社しようとするならば体をはって阻止しよう。
後輩の未来のために・・・

最近、会社の未来ビジョンを発表するとかで
社長講話が開かれている。
内容は社外秘なんで詳しくは言えないが、
海外に支社を作り、また国内でも新しい会社・ベンチャーを
どんどんと作り、さらには新人をどんどん採用して
会社を大きくしていくらしい。　
そして創立１０周年と同時に株式公開！！
ほんと素敵な話だ。
終いには宇宙事業まで手を出すんじゃないかとハラハラしたが
宇宙には興味が無いようだ。

さて、社長のオハナシは色んな点で引っかかる。
聴いている社員の大半が呆れているんじゃないかな？
会社を大きくするためには冒険だ！ベンチャーだ！
これは社長の持論なんだが、そのしわ寄せが私のような末端の新人に
来ているという現実を把握しているのだろうか？
つまりは教育と仕事が社員全員に行き届いていない。
現に私は入社以来、自習ばかりで実務経験無しだ。
人ばかりとって会社を膨らませて大会社に見せているようであるし、
社員がいない会社を作って架空の会社の詐欺のような
そんな匂いさえも感じてしまう。

社長はトヨタやホンダ、京セラのような伝説的な社長に憧れて
またその伝説の一人になろうとしている。
会社の体質自体が昭和だ。おそらく社長のワンマン経営だろう。
だから社長が思い描く夢へと会社は進む。

６０を超えて夢を持つのはすばらしいことだ。
しかし、夢以前に現実を見るべきではないか？
もちろん社長の方針は後世になって極めて正解で
良い様に会社も大きくなるかもしれない。
だが、私にはそう巧く行くとはどうしても思えない。

昔の王様は自分を楽しませるために、身の回りにピエロを置いたらしい。
うちの社長の周りにはピエロしかいないのか？

会社の為にも、そして社長の為にも
誰かはいつか絶対にこう言わなければならない。

「王様(社長)は裸だ！」