栃木市と足利市は日帰り出張です。蔵の街として知られる栃木市は、江戸時代から市の中心部を流れる巴波川(うずまがわ)を利用した交易によって栄えてきました。市内には、江戸、明治、大正とその時代を語り継ぐ歴史的な建造物が数多く残されています。巴波川は、栃木県南部を流れる利根川水系渡良瀬川支流の一級河川です。中世から江戸川と通じた舟運の盛んな川で、栃木市内には蔵造りの建造物が多く残り「蔵の街」として親しまれています。舟運の始まりは、江戸時代に徳川家康の霊柩を久能山から日光山に改葬した際に、日光御用の荷物を栃木河岸に陸揚げしたことが端緒です。その後、物資の集散地として江戸との交易で隆盛を極めました。現在は、錦鯉が放流されており、船頭による舟歌が楽しめる観光用の舟が行き来します。
神明宮を訪れてみました。応永10年(1403年)、栃木城内神明宿(現神田町)に創建されたと言われています。天正17年(1589年)正月16日、皆川広照により現在地へ移され、栃木町の総鎮守となりました。社殿は伊勢皇大神宮に倣い、神明造りです。現在の拝殿はもと、中教院の講堂として明治8年(1875年)に造られたものを使用しています。栃木の地名は、この神明宮の屋根ぐしの千木(ちぎ)から出たとも言われており同社に残る応永10年(1403年)、天正17年(1589年)、文禄2年(1593年)の神明宮棟札は市指定文化財(歴史資料)となっています。