少し偏った読書日記

エッセーや軽い読み物、SFやファンタジーなどの海外もの、科学系教養書など、少し趣味の偏った読書日記です。

IQ 

2024-08-02 14:04:50 | 読書ブログ
IQ (ジョー・イデ/ハヤカワ・ミステリ文庫)

ロサンゼルスを舞台とする、「IQ」と呼ばれる探偵の物語。

冒頭、変質者に誘拐された少女を救出する派手なアクションからスタートする。

その後、猛犬に襲われたラッパーから依頼された犯人捜しと、主人公の過去の物語が並行して描かれる。

背表紙に「新たなシャーロック・ホームズ」という言葉があるが、「緻密な推理」というよりは、「複雑な性格の主人公と、絶妙の相棒」という意味合いかと思われる。

貧困と犯罪、そして「クールさ」に満ちた黒人コミュニティの描写が秀逸。犯人捜しだけでなく、「いかにして彼は探偵になったか」という物語であることが明らかになる。

末尾に、主人公が探偵になる契機となった事件の手がかりが描かれ、続編が暗示されている。(すでに邦訳・出版されている。)

拝見しているブログで紹介されていた本。ミステリファンの中でも好みが分かれそうだが、私は好きだ。





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