ガーナに消えた男(クワイ・クワーティ/早川書房)
ガーナを舞台とするミステリ。
国際ロマンス詐欺に遭ったアメリカ人が、ガーナに乗り込んで犯人を捜している途中で失踪する。息子が探偵事務所に捜索を依頼し、警察を退職したばかりの若い女性探偵が担当することになる。
時系列をバラして並び替え、真相が次第に明らかになる記述には惹き込まれ、すらすらと読めるのだが、冷静に考えると、「そんな偶然があるだろうか」という面があるのも確か。ミステリとしての出来映えよりは、探偵物語として事件の顛末を楽しむ作品かと。
作品中、探偵事務所の所長と、権力の不正を暴くジャーナリストの存在が印象的。解説によれば、ジャーナリストには現実のモデルがいる、とのこと。
なお、アフリカを舞台とする作品は、10年ほど前に読んだ『追跡者たち』(デオン・メイヤー/ハヤカワ文庫)以来、2作目。アフリカのことはよく知らないので、食文化などを含めてガーナの実情がよく描かれていることも評価ポイント。
続編が出ているようだが、日本語訳に関する情報は、まだないようだ。
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