煙の殺意(泡坂妻夫/創元推理文庫)
ちょっと(かなり?)古いが、短編推理の名作のひとつとされる作品。この作者も、名前を聞いたことはあるが、最近まで読んだことがなかった。
集録された作品は8つ。連作ではなく、探偵が主人公でもない。全体的な特色は、「思いがけない謎の解明」。なぜ、盗まれたはずの絵(東洋画)が入れ替わったのか。なぜ、公園で起こった事件が大事にならずに平穏が続くのか。なぜ、殺人を自首してきた犯人は犯行時刻を偽装したのか。なぜ、橋の開通式の日に15年前の迷宮入り事件が再現されたのか。「日常の謎」ではなく、何かしらの事件がらみではあるが、犯人は誰か、が主眼ではない。
作者は奇術師としても有名らしいが、鮮やかな奇術の種明かしをするような作品、といえばよいだろうか。
この作者は、短編推理や捕物帳も書いており、読みだすとキリがなさそうだ。改めて「推理沼」の深さを感じたので、少し浅いほうに避難しようと思う。
なお、この本も、『米澤屋書店』推奨の1冊。『米澤屋書店』は、読んだことのないミステリが次々に出てくるが、それに耐えて読み進めると、良質の読書エッセーであることがわかる。
ちょっと(かなり?)古いが、短編推理の名作のひとつとされる作品。この作者も、名前を聞いたことはあるが、最近まで読んだことがなかった。
集録された作品は8つ。連作ではなく、探偵が主人公でもない。全体的な特色は、「思いがけない謎の解明」。なぜ、盗まれたはずの絵(東洋画)が入れ替わったのか。なぜ、公園で起こった事件が大事にならずに平穏が続くのか。なぜ、殺人を自首してきた犯人は犯行時刻を偽装したのか。なぜ、橋の開通式の日に15年前の迷宮入り事件が再現されたのか。「日常の謎」ではなく、何かしらの事件がらみではあるが、犯人は誰か、が主眼ではない。
作者は奇術師としても有名らしいが、鮮やかな奇術の種明かしをするような作品、といえばよいだろうか。
この作者は、短編推理や捕物帳も書いており、読みだすとキリがなさそうだ。改めて「推理沼」の深さを感じたので、少し浅いほうに避難しようと思う。
なお、この本も、『米澤屋書店』推奨の1冊。『米澤屋書店』は、読んだことのないミステリが次々に出てくるが、それに耐えて読み進めると、良質の読書エッセーであることがわかる。