少し偏った読書日記

エッセーや軽い読み物、SFやファンタジーなどの海外もの、科学系教養書など、少し趣味の偏った読書日記です。

ヤマザキマリ

2019-12-23 22:58:20 | 読書ブログ
ヤマザキマリのリスボン日記(ヤマザキマリ/朝日文庫)

漫画『テルマエ・ロマエ』の作者ヤマザキマリの日記。エッセーというよりは、ストレスの多いポルトガル生活の息抜きのために、ミクシーに掲載したものらしい。テルマエを執筆し始める時期に当たるが、いくらかの言及があるだけで、それが主題ではない。

この類の文章は、よほどのファンでなければ読むに堪えないこともあるものだが、作者の体験の強烈さと率直な物言いがある種の勢いを生み、漫才に似た、何か新しい芸を見せられているような気もする。

海の地政学

2019-12-23 22:56:52 | 読書ブログ
海の地政学(ジェイムズ・スタヴリディス/ハヤカワ文庫NF)

海の地政学といえば、シーパワー理論を唱えたマハンを想いだすが、著者は米国海軍の提督を務め、自らの経験と歴史の洞察から、まさしくマハンの後継者たろうとする志を持つ人。
世界中の海について、その歴史や地政学上の課題を記述している。現下の世界情勢から、特に興味深いのは東シナ海と北極海。

地政学はアカデミックな学問領域ではなく、国益むき出しのうさん臭い印象がぬぐえないが、戦争をめぐる歴史や、ロシア、中国、北朝鮮などの行動を理解するために、他の手段では代替できない効能があると思う。