規則より思いやりが大事な場所で(カルロ・ロヴェッリ/NHK出版)
物理学者カルロ・ロヴェッリ氏が、さまざまな新聞に掲載したコラムを集めたもの。
題材は、物理学に関すること、科学と宗教の関係、科学哲学など、科学関連のことにとどまらず、文学、歴史、政治、社会問題など、氏の関心と知識の幅は非常に広い。また、氏の考えは、無神論、民主主義への信頼、多様性と寛容などを基盤としており、共感できる部分が多い。
特に印象に残ったことをいくつか。
アルキメデス、アリストテレス、ニュートン、ダーウィン、アインシュタイン、ルメートル、ペンローズ、ホーキングなど、物理学者に対する言及は、それぞれの科学への貢献に対する評価に説得力がある。
氏の著作『世界は関係でできている』では、量子力学の世界では、モノはお互いに影響を及ぼしたときにのみ存在する、という考えが展開されているが、その思考に影響を及ぼしたのは、ナーガールジュナ(竜樹)の思想だと書かれている。確かに、その本を読んだとき、竜樹の思想を連想したことを思い出した。(私が竜樹の思想に詳しい、とは思わないでほしい。例えば、因果は一瞬一瞬のうちに閉じている、というような断片を覚えているのみである。)
同様に、『時間は存在しない』に書かれているようなことを調べる契機についても記載されているが、それはまあ、ここには書かないでおこう。
いずれにしても、知の巨人と呼ぶにふさわしい知識人の、この世界を見る視線がよくわかる一冊。
画像は、書影とは関係のないイメージ。
物理学者カルロ・ロヴェッリ氏が、さまざまな新聞に掲載したコラムを集めたもの。
題材は、物理学に関すること、科学と宗教の関係、科学哲学など、科学関連のことにとどまらず、文学、歴史、政治、社会問題など、氏の関心と知識の幅は非常に広い。また、氏の考えは、無神論、民主主義への信頼、多様性と寛容などを基盤としており、共感できる部分が多い。
特に印象に残ったことをいくつか。
アルキメデス、アリストテレス、ニュートン、ダーウィン、アインシュタイン、ルメートル、ペンローズ、ホーキングなど、物理学者に対する言及は、それぞれの科学への貢献に対する評価に説得力がある。
氏の著作『世界は関係でできている』では、量子力学の世界では、モノはお互いに影響を及ぼしたときにのみ存在する、という考えが展開されているが、その思考に影響を及ぼしたのは、ナーガールジュナ(竜樹)の思想だと書かれている。確かに、その本を読んだとき、竜樹の思想を連想したことを思い出した。(私が竜樹の思想に詳しい、とは思わないでほしい。例えば、因果は一瞬一瞬のうちに閉じている、というような断片を覚えているのみである。)
同様に、『時間は存在しない』に書かれているようなことを調べる契機についても記載されているが、それはまあ、ここには書かないでおこう。
いずれにしても、知の巨人と呼ぶにふさわしい知識人の、この世界を見る視線がよくわかる一冊。
画像は、書影とは関係のないイメージ。