さいかち亭雑記

短歌を中心に文芸、その他

成人賀祝詩

2025年01月13日 | 現代詩
「アダージェット、
暗澹と、」(野村喜和夫)

アダージェット、は、「あ」と「と」に挟まれている。
暗澹と、も、「あ」と、「と」に挟まれている。
頭韻と脚韻だ。

あすぺりあ
あんとろありあ
あー、鯉よ来い 
恋に狂う鯉よ来い
こっちの水は苦いぞよ

 恋の水流しにあふれ「その世」かな  ※

 するすると蛇に擦る墨 紅の墨

 振り仮名の精神として赤貝が

 ゲンタシン効いてはならぬ現代詩

 金剛の富士からはずれモノマニア

 忘られてURA枯れてゆくシクラメン

カナブンの叶わぬ重し吊り下げて

 せらふぃむのせらる、せらるる、せらるふぃー

 星ひとつ裏返るとき西の恋
 
 西に恋 南無阿弥陀仏 阿弥陀仏

 西に来い 西行ならば銀のコネ

 まねきねこ 苦悶する友 ばば抜きで

 IUを聞きまだ死ねないと思いたり

  ※「その世」は谷川俊太郎の造語。

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