海外担当 明子です。
皆さんは『Handwoven』という雑誌をご存知でしょうか。
アメリカで発行されている、数少ない手織り専門雑誌のひとつです。
年に5回発行されていて、世界各地に購読者がいます。
その2013年3・4月号に、さをり織りの特集記事が掲載されました。
”SAORI : A New Tradition"
「さをり織り:手織りの新しい流れ」
と、表紙にも見出しが出ています。
特集記事では、
アメリカでさをり織りを教えていらっしゃる方たちの紹介や、
さをり織りの特徴などが紹介されています。
さをりの森のライブラリーコーナーにも置いてありますので、
もし機会があったら、手にとって見てみてくださいね。
文章はもちろん英語なので、
すべてを理解することはとても難しいのですが、
写真をパラパラと見るだけでも、
世界で一般的にされている「手織り」と、
「さをり織り」との違いを、歴然と感じることが出来ます。
さをり織りが特集された前号でさえ、
表紙には規則正しい模様の織物。
誌面のほとんどが、あるパターン化された布を織る為の
設計図と見本写真です。
全体を眺めた上で、さをり織りのページを見ると、
その「違い」が、際立って見えてきます。
世界の「手織り」では、機械が織るような、
パターンを織る「手織り」が主流です。
それに対して、さをり織りでは、
パターンを織ることは機械に任せて、
私たちは機械に出来ないこと、
人間にしか織れないものを織ることに努めます。
城みさをは、著書『新・私の手織りSAORI』の中で
こう言っています。
「あなたの思いのままに、何物にも捉われず、
こだわらず、織ること。
―中略―
そのとき、織りに「いのち」が 吹き込まれ、生きざまとなるのです。」
ただ布を織るのではなく、自分を織る、自己表現の手織り。
それが、さをり織りです。
SAORIを広めることで、
世界の「手織り」界に、もっともっと、
新風を吹き込めればと、願っています。