“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています
※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります
史実とは異なる創作の部分があります
第42話 刻まれた溝
慌てて蓋を閉じ 早く中へ!と目配せするタファン
キ・ヤンはそれを無視し 勢いよく蓋を開けた!
びっしりと詰まった金塊を見た皇太后は思わず息をのむ
宮中へ納品する独占権を得たヨンビスが 陛下へのお礼として運ぶものだとの説明に
誰が信じるか!と声を荒げる皇太后
そして有無を言わせず すべての箱を開けるよう命じていく!
しかし 先頭の箱以外はすべてが装飾品と絹織物 宝飾品などであった
万が一に備え 金塊は一日にひと箱だけ運ばせるという キ・ヤンの指示であった
皇帝タファンは 最近のキ・ヤンに不信感を抱き始めていた
目つきや表情 振舞いのすべてに違和感を感じる
不確かだが 何か自分との間に溝ができたと思えてならぬのだ
『あの者が遠くに感じてならぬ』
侍従コルタが あの方は昔も今も遠くにおられたという
これまで あまりに夢中で 陛下が気づかなかっただけだと…
『だが あの者のおかげで今の私がいる』
『ですが! 陛下を傷つけることも多くありました! あの方を信じ過ぎてはなりません!
ただ言いなりになるだけでは 真の意味でヤン様を得ることは出来ぬのです
強き皇帝として あの方を支配するべきです! たかが側室に侮られ…』
『何と申した! たかがだと?!!!』
『死罪覚悟で諫言いたします!』
『黙れ!! たとえ傷けられようと私はヤンを手放さぬ!
ヤンを侮辱する者は たとえそちでも許さぬ!!!』
貴妃キ・ヤンは 皇帝タファンにすべてを打ち明けようと考えていた
陛下に知られたらすべて征服戦争の資金になってしまうというブルファ
しかし まだ何も知らないタファンは それでも征服戦争をする意志を固める
国中で飢饉が続き疫病まで流行る状況下 戦する余力などないと反対が起こる
『丞相 臣下が皇帝の命令に従おうとしない どうすべきか?』
『それはまさに反逆! この場で逆賊の首を斬るべきでは?』
タファンは 丞相ペガンに命じ 命令書を読み上げさせた
偉大な先祖の栄華を取り戻すべく 自ら剣を取り軍馬を駆る
各行省は2万ずつ兵を出し 総じて20万の大軍を作れと!
雲南 嶺北 四川 陝西の各行省には 硫黄 硝石 鉄 銅 錫の供出を
他の行省らには兵糧を調達するよう 命令が下された
さらには高麗(コリョ)にも 1万の兵と軍馬2,000に加え兵糧の供出が求められた
『後の戦利品は民と皆に分け与える
なお 征服戦争の総指揮官の任は丞相ペガンに!
丞相の命令はすべて私の命令と同じである!』
これに反論する行省は一人もいなかった
反論すれば逆賊とみなされ この場で処刑すると言うのだから無理もない
丞相ヨンチョルのもとで傀儡でしかなかった皇帝は
新たな丞相と手を取り まさに独裁し力を鼓舞しようとしている
ヨンチョルに取って代わったかのようなペガンに タルタルが苦言を呈する
今は内政を整えるべき大事な時
軍事優先の現状を改め 科挙を復活し 文官を登用し…
すべて言い終わらぬうち ペガンの怒号が響く
一切の諫言を聞くつもりはなく かつて口にした志は微塵も感じられない
そこへ貴妃キ・ヤンが現れ タルタルは無言で退室した
『かつてその席は ヨンチョルのものでした 今のあなたはヨンチョルそのもの』
『ヨンチョルは私利私欲の限りを尽くした だが私には夢がある!
帝国に再び威厳を取り戻し 陛下に捧げるのだ!』
『ただ歴史に名を刻みたいのでは? そのために征服戦争を?
陛下を操り 無益な戦を始めるので?
それでも私欲はないと? ならば何をもって“私欲”というのですか?』
戦の過酷さが“高麗(コリョ)の女”ごときに理解できるものかと毒づくペガン
だから皇后になることに反対したのだと…!
『では 戦に賛成すれば私にも皇后の資格が?』
『あなた様は私にとって大事なお方だ しかし国のためなら“些細な感情”など捨てられる!
今後も変わらずあなた様をお守りできるよう “欲”はお捨てに…!』
一方 タンギセとヨム・ビョンスは メバクの頭の命令で蓮覚寺に潜伏していた
命令により動かされながらも メバクの頭の正体は未だ不明だ
タンギセが得た手掛かりによれば メバクの頭は“宮中にいる”というが…
宮中にいるなら 将軍だったタンギセとも面識があるはず
ビョンスとチョチャムは 心強い味方を得たと喜ぶ
厠に行こうとして ヨム・ビョンスは暗闇の向こうに不審な人影を見る
それは パン・シヌらを従えたワン・ユだった…!
物陰に隠れ様子を窺うと しばらくして出てきたのはキ・ヤンだった!
キ・ヤンは 皇帝の征服戦争の意思を止めることが出来ないという
止められないなら利用すべきだと答えるワン・ユ
『私は明朝高麗(コリョ)に戻りますが パン内官とチョンバギは残ります
ヨンビスやマクセンと共に 新たな商団を立ち上げるのです』
2人が密会していると知り いきり立つタンギセ
しかし今は 2人の前に出ることは出来ない
傷を負い追われる身では ただ斬り殺されるだけである
するとヨム・ビョンスが 自分に妙案があるとほくそ笑む…!
貴妃キ・ヤンはタファンに会い 戦を思いとどまるようにと進言する
飢饉と流行り病に苦しみ続けた民が 征服戦争をすると知れば怒り狂う
その恨みのすべては 皇帝に向けられるのだと諭すが…
タファンは “韓非子の逆鱗”を持ち出し反論する
“逆鱗”とは龍の下顎に 一枚だけ逆さに生える鱗のことである
普段は穏やかで背中にも乗れる龍だが 逆鱗に触れた途端怒り狂う
『そなたの復讐のため いくら私を利用しようが構わない
この背に乗り自由に羽ばたくがよい しかし触れてはならぬものもある』
きつく抱きしめたところで もはやキ・ヤンの心はつかめない
タファンはそれを知りつつ抱きしめずにはいられなかった
2人の間に授かった皇子アユルシリダラのためにも…
今の皇帝には何を言っても受け入れてもらえない
キ・ヤンは 各行省たちに会い 皇帝の命令を修正していく
すべてはタファンのためだと いつかは分かってもらえると信じて…
雲南行省は硫黄を 嶺北行省は硝石を それぞれ割り当てられている
いずれも火薬を作るために必要なものである
『各行省は 兵と兵糧以外の物は量を控えるように 不足分はある商団に任せます』
キ・ヤンの合図で ヨンビスとパン・シヌが入室する
この商団が 各行省から鉱物を買い入れ 軍に対し高値で売りさばくという
この差額が各行省の利益になることで 民も潤うことになる
戦を商売にするなど 前代未聞の考えに長官たちは目を丸くする
『事が知れたら 関わった者たちの首が飛びますぞ!』
『戦であれ何であれ 事を成すからには命を懸けねば
これは私欲を満たすためでなく 民を救う策だということを肝に銘じてください』
居室へ戻る途中 尚宮に抱かれたマハ皇子に遭遇する
まるで抱かれたいかのように むずかりながら両手を差し伸べるマハ皇子
キ・ヤンは冷たく一瞥しその場を離れた
居合わせたソ尚宮とヨン尚宮は その態度に憤慨し
マハ皇子を抱き上げて そのまま落としかねなかったと話す
これを聞いた皇后バヤンフトは ヨン尚宮だけを呼び出した
皇太后様にどんなご報告を?
突然切り出され ヨン尚宮は激しく動揺する
その一挙一動を見張り 皇太后様に報告しているのだろう!
たった今煎れたお茶に毒が入っていたことを証明され 観念するヨン尚宮
それは自分の仕業ではないと訴えたところでどうしようもない
もはや 皇后バヤンフトの言いなりになるしか生き残る道はないのだ
茶話会の場で 2人の皇子を愛おしそうに眺める皇后バヤンフト
皇后が 側室の産んだ子を羨むなどあってはならないこと
皇太后は 皇后が懐妊できるよう協力すべきだとキ・ヤンを嗜める
バヤンフトは 皇太后をなだめるように微笑みを浮かべ
今後は2人の皇子を仲良くさせるためにも 一緒にお世話がしたいと申し出る
それを穏やかに受け入れながら ならば自分もマハ皇子を…というキ・ヤン
皇后から密命を受けているヨン尚宮は 不安げに成り行きを見守っている
宦官ブルファが パン・シヌを案内してキ・ヤンの居室に入ると…
ヤンの膝の上には マハ皇子が抱かれている
シヌは 命令の内容にも上の空で 呆然とその光景を見つめている
ソ尚宮が マハ皇子を引き取りに来ると 離れがたいかのように泣き出すマハ
あの憎きタナシルリの産んだ子だというのに ヤンも離れがたく心が痛む
シヌは 涙ぐみながら母と子が引き裂かれる光景を見守っていた
このマハ皇子こそ ワン・ユとヤンとの間に授かった息子
出産して間もなく生き別れになった 星(ピョル)と名付けた我が子なのだ…!
いたたまれない思いで早々に退席するシヌ
宦官ブルファは マハ皇子が陛下の実子ではないことをいつ明かすのかと問う
偽りの懐妊を本当のことにするため タナシルリは捨て子を奪った
その事実を隠すため 寺ごと焼き払うという残忍な所業まで行っていたのだ…!
イ尚宮もまた 皇太子が決まる前に明かさなければ!と詰め寄る
しかしキ・ヤンは 下手に動けばアユ皇子にも害が及ぶと言い 今ではないという
それにしても… と小さくため息をつくヤン
なぜかアユ皇子を見ると 胸が締め付けられるように感じてならないヤンであった
その後 食事を終えたマハ皇子は皇太后の元へ戻るが 火がついたように泣き叫ぶ
トクマンが調べてみると マハ皇子の身体には無数の青アザが…!
皇太后は血相を変えキ・ヤンの元へ!!
ヤンは 皇帝タファンのもとでアユ皇子と共に過ごしていた
来訪も告げず現れた皇太后は 有無を言わさずヤンに殴りかかる!!!
あまりのことに声を荒げるタファン!
『皇太后である私に声を荒げるとは!それが皇帝のなさることですか!』
『皇帝の側室にいきなり殴りかかることが正しいと?!』
これまで 母も同然に可愛がってきたタファンが…と衝撃を受ける皇太后
たとえ実母であろうと 今はヤンの方が大切だと言い放つタファン!
『この女はマハを折檻したのですよ!』
『ヤンは決してそんなことはしません!』
皇子が傷つけられ 真っ先にヤンが疑われたことに タファンは納得しなかった
マハ皇子の世話係はもちろんのこと すれ違った者でさえ捕えよと命じる!
そしてキ・ヤンも黙ってはいない
『マハ皇子をここへお連れください! 必ず疑いを晴らして見せます!』
キ・ヤンは 皆の前でマハ皇子を抱き上げる
マハは いつものようにヤンに甘え 抱かれることを拒む様子はない
折檻した者にこれほど懐いて甘えるだろうかと問うキ・ヤン
そして マハ皇子に接した者に 順に抱かせていくと…
ヨン尚宮の顔を見るなり泣き出すマハ皇子!
ヤンは皇太后の制止を無視し ヨン尚宮を捕え厳しく尋問する!!
『お前とは 雑用係の頃から共にいた
可哀想に 皇后の指図だと白状すれば皇后に殺され
このままでは私に殺される運命だ』
ヨン尚宮は泣き崩れ 恥も外聞もなくキ・ヤンに命乞いを始めた
『タナシルリがマハを出産した時 お前はその場に居合わせたのだな?
いずれ マハ皇子の出自について証言してもらうことになる
それまでは お前を生かしておくこととする』
キ・ヤンはすべてを知っているのだと知り うなだれるヨン尚宮
そこへ 皇后バヤンフトが現れ 真相は分かったのかと聞く
黒幕は皇太后だと答えるキ・ヤン
思いがけない答えに驚きを隠せないバヤンフト
『それでは… 以前アユ皇子に毒を盛ったのも皇太后なのですか?!』
その言葉で それもまたバヤンフトの仕業であったと確信するキ・ヤン
バヤンフトは 皇太后の悪事を暴くため何でも協力すると申し出る
『ところで… この者の処断はどうなさるのですか?』
『いずれ証人となってもらうため 皇后様がお守りください』
『…承知いたしました』
高麗(コリョ)では
ワン・ユが王に復位し すべての臣下が祝いの言葉を口にする
この復位に際し 元へは兵1万 軍馬2,000頭 兵糧が贈られることになっていた
しかしワン・ユは 元への貢ぎ物はしないと明言する!
『この私が王でいる限り貢女(コンニョ)や宦官 そして貢ぎ物は一切出さぬ!』
さらにワン・ユは 元と取引し悪行を重ねてきた臣下の名を挙げ その罪を厳しく問う
官職は剥奪され財産もすべて没収となった
※貢女:高麗(コリョ)が元への貢ぎ物とした女性
これを知った丞相ペガンは怒り狂い ワン・ユを廃位すべきだと進言する!
さらには高麗(コリョ)を滅ぼし 元に編入すべきだと…!
しかし将軍タルタルは 征服戦争を控える状況下 時期尚早であると反対する
『高麗(コリョ)の海上貿易を立てば 交易による利益が途絶えます』
タルタルは すべての状況をキ・ヤンの耳に入れるが…
高麗(コリョ)の状況などに関心はないと答える
『今後もその構えを貫いてください
ヤン様が巻き込まれないか心配なのです』
一方 ワン・ユのもとに ヨンビスとマクセンがやって来た
玉座のワン・ユは威厳に満ち これまでのように接することが出来ない2人
『“パトル”だった頃のことを覚えているか?』
そう問われ ヨンビスの中にワン・ユとの過去が思い浮かぶ
当時ヨンビスは常に仮面をつけ“パトル”と名乗りチュルクを率いていたのだ
あの時 海上の交易路は元によって封鎖されていた
しかし“絹の道”があると ワン・ユが言ったのだ
“絹の道”は 必ずや高麗(コリョ)とチュルクの活路になると…!
『お前との あの時の約束を 今こそ果たす時が来た 絹の道を拓け!
元が海上を封鎖するなら我々は陸路を開拓するまで!
これからは西域と交易する! その独占権をお前に渡そう!』
やがて元は 丞相ペガン率いる大軍を擁し征服戦争へ出陣する
ペガンは イル・ハン国の6つの城を次々と落としていく!
※イル・ハン国:1260年に成立したイラン高原のモンゴル系国家 現在のイラン周辺
ペガンの猛勢を冷静に分析するワン・ユ
遠征が長引くほどに兵は疲弊する 勝利に酔うペガンも賢明とは言えないと…
『ヨンビスの商団の動きは?』
『元の硫黄と硝石を イル・ハン国に運んでいます』
一方 キ・ヤンは
商団から届いた利益金を長官らに渡し 飢饉に喘ぐ民を救うべく使ってほしいという
貴妃キ・ヤンの策に はじめは躊躇した長官らも 満足げに笑みを浮かべている
同じ時 皇帝タファンのもとへ侍従コルタが血相を変え駆けつける
ワン・ユから貴妃キ・ヤンへの密書を入手したというのだ…!
驚いて封を切り密書を読むと たちまちわなわなと震え出す!
『一体どんな内容なのです?』
『この件は… 誰にも言ってはならぬ!!!』
『は!』
コルタを下がらせると タファンは 激しく動揺しながらも迷いなく密書を燃やした
その炎が消えぬうち 何も知らないキ・ヤンが現れる
『まだ起きていたのですか?』
『……』
『何の書簡を燃やしたのです?』
タファンの目からは 今にも涙がこぼれそうだった
言葉を探しながら きつくヤンを抱き締める
『陛下… どうしたのです?』
『そなたがそばにいてくれて… 本当にありがたい 心から幸せだ!』
『どうなさったのです 何か…あったのですか?』
『何でもない… 何でもないのだ! このまま… このままでいてくれ…!』
その頃 蓮覚寺では
“吹毛求疵(すいもうきゅうし)”の策で 見事に皇帝と貴妃キ・ヤンの仲を裂いたと
ヨム・ビョンスの功績を称えるタンギセ
※吹毛求疵:無理に人の欠点を暴こうとし かえって自分の欠点をさらけだすこと
『偽の密書で2人を仲違いさせるとは』
『あながち偽物とも言い切れませんよ あの2人はもともと危うかったのです』
そこへ メバクの頭が来たと知らせが入る
タンギセは 依然として仮面をつけたままの頭の前で跪き命乞いをする
頭は声を発することなく いつものように筆を執った
渡された文章を読み 動揺するタンギセ!
ヨム・ビョンスとチョチャムも 驚きのあまり声を上げるのだった…!
5年後
成長したマハ皇子の姿が 皇宮の中庭にあった
同じく中庭で遊ぶアユ皇子が 勢いあまって転んでしまう
マハは兄のように振舞い アユの手を取り助け起こした
遅れて現れた貴妃キ・ヤン
『礼を言うぞ』
『側室ごときが! 皇室の嫡男に不遜な物言いをするな!』
『私はただ…』
肩に触れようとするキ・ヤンの手を 汚らわしいかのように振り払うマハ!
甘えて手を差し伸べ抱っこをせがんだ あの可愛らしいマハではなかった
そこへ 宦官ブルファが またしても遠征軍が大敗したと報告する
長引けば疲弊するというワン・ユの予測通り 征服戦争は行き詰っていた
皇太后のもとへ戻ったマハ皇子は なぜか浮かない顔をしていた
そんなマハを抱き寄せ キ・ヤンを貶める言葉を繰り返し聞かせる皇太后
あの女は皇子の実母を無残に殺したのだと…!
抱き締められながら マハは戸惑っていた
愛しくてたまらない貴妃キ・ヤンを どうしても憎む気持ちにはなれない
しかし 皇太后の言う通りならば…と思うと あんな態度しかとれないマハであった
大明殿では
大敗した責任を取り 斬首を願い出る将軍と兵士たちの姿があった
我々は精一杯尽力したのだと慰めるペガン
そこへ 泥酔し髪を振り乱した皇帝タファンが現れる
大敗が続いていることで すっかり気落ちし酒におぼれる日々が続いていた
貴妃キ・ヤンは 哀れな皇帝の姿に涙を滲ませる
2人の間には 修復し難い溝があったが それでもヤンの顔を見れば満足なタファン
何があろうとこのままそばに… その思いはずっと変わらずタファンの中にあった
泥酔したタファンは 跪く将軍を無残に斬り殺した
額に 頬に返り血を浴びながら 剣を振りかざして歩き回るタファン!
その狂気に震え上がり 恐れおののく兵士たち!
『この者たちは死んで当然だ! 酒を不味くしやがって!そうであろうヤン!!!』
『陛下ーーーっ…!!!』