“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

放射性セシウム:福島県川内村のミミズから検出

2012年02月06日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き
この間の調査から少しづつ汚染実態が分かってきています。優先的に、除染を早く行い、生活できる環境を整える必要があります。福島原発の事故収束、冷温冷却が安定もしていません。冷却水は依然として冷却水漏れが起きています。この程度のことでは驚かないくらい、レベルの低い事故が多発しています。実際に稼動している原発ではこのような状態があれば、稼動停止になるような異常な事故が連続しています。爆発事故の大きさと被害の甚大さに意識が麻痺しています。原子炉の爆発などの可能性は減少したものの、普通の人が居住できる環境実現には、まだまだ時間もかかることと思います。
先日、4月から帰村宣言を出した川内村の調査結果です。地表に降り積もった放射性物質はさまざまな生物に取り込まれ、汚染し、その生物による食物連鎖で他の生物(鳥など)に汚染が拡散することが心配です。
人間が生活するということは限られた地域で行動するわけではなく、隣村、山、海、川などにも接する機会があります。そのようなことが出来て初めて生活が出来る条件が出来たということではないかと思います。

<放射性セシウム:福島県川内村のミミズから検出>

 東京電力福島第1原発から約20キロ離れた福島県川内村に生息するミミズから、1キロあたり約2万ベクレルの放射性セシウムが検出されたことが、森林総合研究所(茨城県)の長谷川元洋主任研究員(土壌動物学)らの調査で分かった。ミミズは多くの野生動物が餌にしている。食物連鎖で他の生物の体内に次々と蓄積していく現象が起きている可能性も懸念される。3月17日から大津市で開かれる日本生態学会で発表する。
 昨年8月下旬~9月下旬、一部が警戒区域に指定された川内村、同県大玉村(同原発から60キロ)と只見町(同150キロ)の3町村の国有林で、40~100匹のミミズを採取した。
 その結果、川内村のミミズから1キロあたり約2万ベクレルの放射性セシウムが検出された。大玉村(中通り)では同約1000ベクレル、只見町(会津地方)で同約290ベクレルだった。調査時の川内村の空間線量は毎時3.11マイクロシーベルト、大玉村で同0.33マイクロシーベルト、只見町では同0.12マイクロシーベルト、線量が高い地点ほど放射性セシウムも高濃度になっていた。
 一方、林野庁が昨年8~9月に実施した調査によると、川内村で土壌1平方メートルあたり約138万ベクレル、大玉村で約8万~12万ベクレル、只見町で約2万ベクレルあった。
 事故で放出された放射性物質の多くは落ち葉に付着している。落ち葉が分解されてできた有機物を、ミミズが餌とする土とともに取り込んだのが原因とみられる。

11年産米、12市町村で100ベクレル超 地域流通させず

2012年02月06日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き
福島県の米農家、米の放射性セシウム検査結果です。量の多寡はありますが、農地の汚染があるので暫定規制値を下回ったものの15%の農家のお米から検出されました。政府と東京電力が検出農家のお米を全量買い付けして保障することが必要と思います。東京電力は実施的には債務超過、破綻しており、政府が責任を持った保障、対応することが必要だと思います。
破綻している東京電力に補償交渉、受付を任せている限り、被災者、被害者の救済は遅れるばかりです。野田、民主党政権は、「書いてあることは何にもやらないで、書いてないことはやる。」こんなことを続けていては被害者は救われません。

<11年産米、12市町村で100ベクレル超 地域流通させず>

 福島県は3日、昨年産米から放射性セシウムが検出された29市町村151地区を対象に昨年11月から緊急調査を行った結果、4月から適用予定の新基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超えたコメが12市町村65地区で見つかり、この地域のコメを全量買い上げ、市場流通させないよう国と協議を進めていると発表した。
 このうち福島市の大波地区や渡利地区など3市9地区は暫定基準値(500ベクレル)を超過し、政府が出荷停止を指示している。残る12市町村56地区は調査が終わるまで要請してきた出荷自粛を今後も続ける。田村市瀬川、白河市白坂、西郷村西郷の3地区は1月27日に出荷解禁したが、あらためて自粛を要請する。
 一方、緊急調査で100ベクレル以下となった26市町村86地区は原則として1戸1サンプル以上の調査で安全性が確認できたとして出荷を解禁する。
 調査は昨年11月に福島市大波地区で農家の自主検査から暫定基準値の超過が明らかになったのを契機として、過去の農業統計で水稲生産者とされた29市町村2万5100戸を対象に始まった。
 実際に調査できたのは2万3240戸。セシウム濃度別では500ベクレル超が0.2%の38戸、100ベクレル超500ベクレル以下が2.3%の545戸、100ベクレル以下が13.2%の3077戸、検出限界値以下が84.3%の1万9580戸だった。

神奈川県 がれき受入れ

2012年02月06日 06時00分12秒 | 蜂助の呟き
こんにちは。蜂助です。今日は、被災地のがれきの他自治体の受入れの話です。

東日本大震災の地震と津波の被災地での復旧・復興の歩みは、震災がれきの撤去が前提となります。がれき処理なしに、東北の震災復興はありません。

神奈川県の黒岩知事は、震災がれきの受入れを表明していますが、まだまだ受入れに反対している自治体やメディアがあるようで残念でなりません。特に岩手県の震災がれきの受入れについて、非科学的な論調があるのは全く納得できません。神奈川県が受入れを表明した宮古市は、福島第一原発からの距離が横浜市より遠いことを知らないのでしょうか。

河野太郎氏が自身のブログで神奈川県の黒岩知事の震災がれきの受入れを評価し賛同の意を書いています。河野氏の見識はすばらしいと思います。理路整然としています。私、個人的には自民党の議員にしておくのはもったいない(失礼)と思いました。

1.放射性物質を動かすことに反対する人がいるが、それでは汚水処理はできない
2.宮古市は神奈川県より福島第一原発から離れているし、線量も同程度
3.最大で1キロ当たり100ベクレルの放射性物質濃度のがれきが神奈川県に来ても安全性には一切問題ない(具体的に示しています)
4.神奈川県の管理型最終処分場の説明と徹底状況の説明
5.震災がれきの処理なくて、東北の震災復興はない

実に、すっきりとした論理です。この文書は賞賛に値します。

【河野太郎氏のブログから転載(一字一句手をつけていません)】

岩手県の震災がれきは、放射性物質に汚染されていると思っている方やメディアも多いのでしょう。

2011年12月20日に、神奈川県の黒岩知事がいわゆる震災がれきの受け入れを表明されました。私は、この知事の対応を評価すると同時に、賛同したいと思います。

ええーっ、と思う方もいらっしゃるかもしれません。なぜ、私が黒岩知事の決断を支持するのか、ご説明します。

まず、どんなに放射線量が少なくとも、放射性物質を動かすことに反対するという反対意見があることは承知しています。

しかし、神奈川県は、すでに県内各自治体で発生したゴミの焼却灰を一部、県外で埋め立て等の処理をしていただいています。

また、下水処理場の汚泥の焼却灰を、現在は処理場の敷地内で保管していますが、いずれ敷地内では保管しきれなくなります。その時に、どんなに放射線量が少なくとも放射性物質は動かせないといえば、下水の処理をすることができなくなります。

ですから、放射性物質は何でも動かすなという意見は現実的ではありません。

さて、黒岩知事が受け入れを表明した震災がれきの発生地の岩手県宮古市は、福島第一原発から260km離れています。川崎市や横浜市は、むしろ宮古市よりも原発事故地に近いぐらいです。
福島第一原発からの距離を比べてみると、
宮古市  260km
横浜市  253km
川崎市  242km
相模原市 254km
横須賀市 267km

そして、2012年1月28日の空間放射線量率の最大値は
宮古市  0.052マイクロシーベルト/時間
茅ヶ崎市 0.047マイクロシーベルト/時間

つまり、宮古市は、福島第一原発の事故の影響を神奈川県よりも強く受けたわけでもありませんし、現在の放射能濃度は神奈川県とほぼ同じレベルです。

さらに、神奈川県が受け入れるがれきの放射能濃度は、1kgあたり100ベクレル以下のものに限られます。この1kgあたり100ベクレル以下の物質は、定義上も通常の廃棄物であり、通常は、放射性物質としては取り扱われません。

やはりがれきの受け入れを表明している東京都が、実際に宮古市からがれきを持ってきて、東京都内の施設で選別・破砕した可燃物の放射性物質濃度を測定したデータがあります。

データは三つのケースに分かれていて、

A 都内のゴミと完全に分け、確実に震災がれきだけの状態で処理して放射性物質濃度を測った場合

B 一つのラインで、時間帯を分けて都内のゴミと震災がれきを流した場合(つまり若干都内のゴミが混ざった状態)

C 都内のゴミと震災がれきが混ざった状態で流した場合

Aは検出限界(40ベクレル/kg)以下、Bは60ベクレル/kgと95ベクレル/kg、Cは111ベクレル/kg。このデータを見ると、論理的に考えて、都内のゴミの放射性物質濃度のほうが宮古市のがれきよりも高いことになります。

2011年9月14日に宮古市清掃センターの焼却灰の放射性物質濃度を宮古市が測定したデータは、133ベクレル/kgでした。

私の地元の相模川流域下水道右岸処理場の汚泥の焼却灰の放射性物質濃度は、2012年1月16日の測定で、1024ベクレル/kgでした。つまり、宮古市のがれきの焼却灰は、実際には、神奈川県の下水処理場の汚泥の焼却灰よりも放射性物質濃度が低いことになります。

それでも理論的には、最大で100ベクレル/kgの放射性物質濃度のがれきが来る可能性があります。このがれきを焼却すると、セシウムが濃縮され、放射性物質濃度は1600ベクレル/kgから3300ベクレル/kgになる可能性があります。

これらがどれぐらいの放射能かというと、

もし100ベクレル/kgのセシウムを含む食べ物を、1kg食べると、セシウムが、有効半減期約89日で減少しながら体内に留まる間の内部被曝の総量は0.0013ミリシーベルトになります。

もし3300ベクレル/kgのセシウムを含む食べ物を1kg食べた場合、内部被曝の総量は0.043ミリシーベルトになります。

これは、東京とニューヨークを飛行機で往復した時の被曝量0.2ミリシーベルトと比較しても非常に小さい値です。

そして、神奈川県の管理型最終処分場の地元のご了解を頂ければ、このがれきの焼却灰を防水性のあるフレコンバッグに入れて、管理型の最終処分場に運搬して、フレコンバッグのまま埋め立てます。

神奈川県内の管理型の最終処分場の底は、こうなっています。


保護砂 50cm
保護マット 不織布
熱可塑性ポリウレタンシート
漏水検知センサー
中間保護層 不織布
熱可塑性ポリウレタンシート
ベントナイト混合土 20cm
底面部コンクリート 10cm


万が一、シートが破損してもセンサーがそれを検知できるようになっています。

この上に、既存の廃棄物層があり、その上に50cmの土を盛ったうえでフレコンバッグに入った状態で焼却灰を埋め立てて、上から3m覆土します。

神奈川県の下水道公社が実際に測定した結果では、一般環境の空間放射線量率が0.05マイクロシーベルト/時間の時、1060ベクレル/kgの焼却灰を10cmの厚さで土で覆うと放射線量は0.10マイクロシーベルト/時間になり、20cmで0.08マイクロシーベルト/時間、30cmで0.06マイクロシーベルト/時間、50cmの土で覆った時に0.05マイクロシーベルト/時間と一般環境と同じレベルになりました。

ですから3mの土で覆えば、放射線量は全く影響がなくなります。

さらに、埋め立て後も空間線量率および地下水などの放射性物質の測定を行いますので、きちんとモニターすることができます。

これだけのことをしていますから、極めて安全だと思います。

現在も、神奈川県内の各自治体では、ゴミや汚泥を焼却していますが、バグフィルターが放射性物質の99.9%以上をその排ガスから取り除いています。

黒岩知事の呼びかけに答えて、神奈川県の管理型最終処分場の地元のご了解を頂けるようでしたら、横浜市、川崎市、相模原市ががれきの焼却に協力してくれるようです。この三市以外の自治体でも、ぜひ、一度、がれきの焼却の受け入れを市議会などで検討してみていただきたいと思います。

がれきの処理なくして、東北の震災復興はありません。お手伝いできるところは、ぜひ協力していこうではありませんか。