“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

被災地の水産加工復旧遅れ 安定雇用

2012年02月07日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き
津波被災地は多くが水産業です。水産業はとる人、冷凍設備、漁船修理屋さん、加工業、それらを売る営業関連者などが集積して初めて機能します。一社だけが立ち上がっても操業できる、フル稼働できるものではありません。ここが復旧、復興との関係で難しい点となってます。また、時間がかかる要因ともなっています。地域の復旧、復興が歩調をあわせて進む必要がある要因です。

<被災地の水産加工復旧遅れ 安定雇用>

 東日本大震災で被害が大きかった岩手、宮城、福島3県の沿岸部で、雇用を支えていた地域企業の再建が遅れている。代表的なのが中小企業が多い水産加工業。地盤沈下などで団地被害が大きいことに加え、自社の設備復旧も多くは国の補助金待ちだった。事業を再開した企業も、大半は生産水準が震災前に戻っていない。安定雇用の受け皿となるには、まだ時間がかかりそうだ。
<再開企業わずか>
 「石巻漁港周辺の水産加工業は、石巻市の産業の生命線の一つだが、操業を再開できた企業はまだ少ない」。石巻商工会議所の高橋武徳専務理事の話。
 石巻市によると、漁港周辺の水産関連は約200社を数える。約5000人の雇用を生んでいたが、大津波で壊滅的な被害を受けた。1月末の調査で事業再開を確認できた企業は、約4分の1にとどまる。
 多くの企業が期待していたのは、設備などの復旧費用の最大4分の3を補助する国の「グループ化補助金」。昨年12月下旬、石巻市の水産関連約200社にもようやく総額約370億円の交付が決定。

<事業規模を縮小>

 順調に復旧作業が進んだとしても、安定した雇用にすぐ結び付くかどうかは不透明だ。
 「解雇した従業員全てを戻したいが、そうはいかないのが現実だ」。グループ化補助金で、約7000万円の交付が決まった山徳平塚水産(石巻市)の平塚隆一郎社長は、打ち明ける。
 石巻漁港に水揚げされる魚で、練り製品などを生産していた工場は、津波で全壊。正社員23人、パート社員7人は全員解雇せざるを得なかった。
 ことし9月を目標に工場を改修し、自社生産を再開させるが、復旧させる製造ラインは当面1ラインだけ。震災前の6分の1だ。
 「再雇用できるのは、事務職を含め正社員十数人が限度だろう」と平塚社長。取引があった近隣の水産会社が、原料となるすり身の生産再開を見合わせており、震災前と同様の生産規模に戻すことは難しいという。
 水産関連産業は冷凍・冷蔵、加工、残さい処理など、さまざまな業種が集積して成り立つ。業界全体が歩調を合わせて復旧しなければ、本格再建につながらない難しさがある。

<従業員集め苦労>

 操業再開にこぎ着けても、従業員集めに苦労する企業も少なくない。
 昨年9月、サンマのかば焼きなどの生産を再開した山田水産石巻事業所。昨年7月からパート社員約10人を募集しているが、応募はほとんどない。大手量販店の協力もあって売り上げは前年より約10%伸びている。新たな販売手法も計画しているが、人手不足で踏み切れない。
 岡田賢二所長は「車が流されたりして、通勤できない人が多いのか。長期的な雇用を想定しており、やみくもに時給を上げるわけにはいかない」と戸惑いを隠せない。
 求職者が多いとみられる水産加工業の一部でも顕在化する採用難。崩れた需給バランスを戻すのは容易でない。
 国と各県は今月、要件を満たす被災地の企業が被災者を1年以上雇用する場合、1人当たり最大で3年間225万円を助成する対策事業を始める。賃金アップなどの待遇改善につながれば、安定雇用確保にも役立つと期待されている。

福島原発事故 南相馬・小高 1万人超賠償請求へ

2012年02月07日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き
大企業、行政機関との交渉は、個人ではなくて、集団で対応することは「考え抜かれた」対応方法です。東京電力などは行政機関には低姿勢ですが、個人、中小企業、一次産業生産者には高圧的な態度をとり続けています。実質的には破綻し、国民の税金を投入して経営を何とか維持しているのですが。双葉町町長が事故調査委員会の意見陳述に際して「事故を起こした東京電力、幹部は従来の生活をそのまま続けて」「被災者である双葉町民は故郷を離れ、生活を破壊された」「納得できない」と述べています。
放射能汚染は非常に長期にわたる放射能被害をもたらします。地域住民の人生を破壊したわけですから、お金があろうとなかろうと被害者に納得できる保障を行うべきです。そのための費用は全ての資産売却を行ってでも行うべきです。

<福島原発事故 南相馬・小高 1万人超賠償請求へ>

 福島第1原発事故で警戒区域に指定されている福島県南相馬市小高区の行政区長連合会(山沢征会長)は5日、原子力損害賠償紛争解決センターに集団申し立てを行うため、同市原町区で申立書の書き方講座を開いた。連合会は、1万人単位での集団申し立てを目指す。
 同区の住民約1300人が参加。連合会の活動を支援する小海範亮弁護士(第二東京弁護士会)は「一人一人が東京電力と戦うのは大変。しかし、数万人で賠償を申し立てれば無視できない」と述べた。今後、行政区や職種などグループ別に集団申し立てを検討していく。
 続いて、精神的苦痛の慰謝料を1人当たり月35万円と統一するなど、請求内容を簡略化した申立書を準備。「避難後の生活費は原則的にすべて請求対象」「精神的苦痛を和解仲介委員に知ってもらうため、避難生活のつらさを詳細に書いてほしい」と説明した。
 小高区住民約1万2000人は、警戒区域外の同市原町区、鹿島区や福島県内外に避難している。


神をも恐れぬ原発輸出

2012年02月07日 06時00分16秒 | 蜂助の呟き
こんにちは。蜂助です。今日は、ヨルダンの原発の話です。

臼蔵さんが、イスラエルやイラクのことを書いていましたが、核施設の保有に関わることでした。隣国のヨルダンでは、原爆ではなく原発の危ない話が進んでいるのです。中東というと、石油が大量に産出される国というイメージがありますがヨルダンは石油が全く出ません。このヨルダンは日本から原発を輸入しようとしているのです。

日本の外務省も「本8日(日曜日)(現地時間同日)、ヨルダンのアンマンにおいて、「原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とヨルダン・ハシェミット王国政府との間の協定」の発効のための外交上の公文の交換が行われました。これを受けて、この協定は協定の規定(第15条1)により、公文を交換した日の後30日目の本年2月7日(火曜日)に効力を生じます。なお、この協定は、一昨年9月10日にアンマンで署名され、昨年12月9日に我が国国会において承認されています。 」とプレスリリースしています。

ということで2月7日にはヨルダンとの原子力協定の効力が生じます。だとしても、ヨルダンと原発の貿易が成立したというわけではありません。

水が少ない砂漠の国に原発を作ろうとは神をも恐れぬ行為です。日本は自分の国の原発事故の行く末もどうにも出来ない状況なのに、危険な原発を輸出しようとは全く許せません。

ヨルダンに原発と売ろうとしているのが、フランス・アレパ社と三菱重工業の合弁企業、ロシア企業、カナダ企業の3社です。1月13日に改造内閣を作った野田首相は、ベトナム、ヨルダン、インド、トルコなどへの原発輸出を進めようとしています。野田は「相手の希望がある」としていますが、受身ではなく積極的に売ろうとしているのです。

原発は核反応で発生して熱エネルギーによって水を蒸気にしタービン(歯車のようなもの)を回し発電します。使い終わった蒸気を冷ますために大量の冷却水が必要になりますが、ヨルダンは砂漠の国ですから水は不足しています(私は行ったことがないのですが・・・)。ヨルダン政府は首都アンマンの下水処理場の処理水を使う方針ですが、ひとたび事故が起きたらどうするつもりなのでしょうか。

さらにヨルダンは、東リフト・バレーと呼ばれる「大地溝帯」の上にあります。アフリカ大陸のエチオピアから北に進み、ジプチから紅海を通り、ヨルダン渓谷を通って、死海に至る大地の溝です。ヨルダン渓谷は、昔は海であったとされ、海底隆起によってパレスチナ付近に高原ができたものだそうです。ヨルダン渓谷付近にはたくさんの断層があり、この断層の西側がアフリカプレートで東側がアラビアプレートだと説明されています。すなわち、ヨルダンは断層の上にあり日本と同じように地震のリスクが大きい国のようです。

下水処理水を原発の冷却水に使うというのも驚きましたが、世界を恐怖に陥れた国の当事者が危険の潜んでいるのがわかっている国に対して「相手の希望がある」からとの理由を付けて原発を売ろうというのは許すことの出来ない行為です。