“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

無保険者の死者67人(昨年1年)は氷山の一角

2012年02月24日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き
無保険者の死者67人(昨年1年)は氷山の一角


連続して生活保護を受けていない方が死亡しました。医療機関の調査では無保険者(健康保険証が取り上げられた人)が増えていること。また、医療機関を受信しなければならないのに無保険で受診できず悪化、死亡する人が増加しています。


「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和にうちに生存する権利を有することを確認する」(憲法前文)。憲法第二十五条「全ての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。②国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と規定されています。なぜ、このような事が起こるのでしょうか。一機100億円もするステルス次期戦闘機を買う金があっても無保険者を救えないような日本が国家といえるのでしょうか??

この死は特殊なのでしょうか?貯蓄がない世帯が大幅に増加し、貧困率はアメリカについて2番目(先進国で)、非正規労働者の割合は正規労働者数と同じくらいまで増加しています。一部の高額所得者、富裕層以外は誰でもが生活保護水準の生活レベルに落ち込む可能性が出ています。その日本でこのような考えられない貧困による死者が発生しています。税と社会保障の一体改革などという前に現実に起きている問題を解決する政治の使命を全うすべきです。

宮城県知事の漁業特区問題と地域社会の多様性確保

2012年02月24日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き
『漁民にとって漁場は魚を獲ることが全てです。ですから生活基盤を消失しないようにしようといろいろなルール、慣行を生み出してきた。それが魚場ばを守り、持続可能な資源の利用を可能にしてきた。それに対して営利を目的とした漁業会社が魚場に入りこめば、魚場は死滅してしまう。

日本が木材を東南アジアからどんどん輸入するようになると、企業が国から伐採権を得て伐り倒し、森を失わせてしまう結果になりました。

共有地の営みは、市場経済を相対化する1つの事例だと思います。共有地を営んでいる人たちが、市場経済に属していないからいって、ゲマインシャフト的な共同体関係の中にあるわけではありません。共有地における労働は私的な労働です。個人が自立して、その上で共有地(漁場など)を利用して経済活動を行っています。1つの経済システムを作っています。多元的な空間が、政治の領域にも、経済の領域にも、都市にもできて、それぞれが重なり合い、そうすることで全体として生き生きとした社会が出来上がるのです。』

これは今から14年前にある経済学者が対談で話していた内容です。14年後の大震災による地域破壊、地域再生にあたっての考え方としてそのまま当てはまる話です。

映画と津波・原発事故

2012年02月24日 06時00分12秒 | 蜂助の呟き
こんにちは。蜂助です。今日は、映画の話題です。

先日、「ドラゴン・タトゥーの女」を見てきました。本当は違うと思うのですが、今の日本ではこの映画はホラー映画に分類されるのでしょうか。かなり深い内容だと思いながら鑑賞しました。心理学者や心を研究している方たちには、研究の対象にもなるほど多くの技術を使っているのではないでしょうか。

この映画や俳優・女優、製作陣は、たぶんいろいろな賞を取るのではないでしょうか。しかし、私は人にはこの映画は、お勧めしません。音楽や音も本能的に不安にさせるようなものを意図的に多用しています。この映画は、特に、心に少しでも悩みがある方は見るべきではないと個人的には思っています。万人向けでは無い映画で、これほどの極端なものはないでしょう。

東日本大震災からもうすぐ一年経ちますが、ちょうど一年前の今週あたりにクリント・イーストウッド監督の「ヒア アフター」を見ました。フランスの女性ジャーナリストが東南アジアで津波に飲み込まれ臨死体験という死んだ経験をしました。震災直後に「ヒア アフター」は全国で上映が中止されましたが、津波に飲まれて水中で経験したことがかなり長く映し出されていたからです。

私も、このことは今日まで書いたことがありませんでした。私自身も、その映画のシーンが完全に脳裏に刷り込まれてしまったからです。いつもなら特に気に入ったシーン以外はほとんど忘れてストーリーくらいしか覚えていないのですが、この映画だけはその後の体験が私の脳に記憶を命じたようです。全部を鮮明に記憶しているのです。

「ヒア アフター」はすばらしい完成度で、とても良い映画だと思います。作品の価値とは違うところで現実に痛ましい出来事である東日本大震災と原発事故が起きてしまったのです。作品の価値には全く影響しません。


イーストウッド監督の作品は、たいへん好きで最近のものでは、インビクタス負けざる者たち、グラン・トリノ、チェンジリング、硫黄島からの手紙、父親たちの星条旗などほとんどの作品を見ました。いずれもすばらしい出来です。(俳優としての彼はイモですけどね・・・。グラン・トリノではその大根役者ぶりが妙に役に合っていました。)

映画と言えば、巨匠の黒沢明監督が20年以上前に「夢」という映画を作っています。この映画は8つの小さな話で構成されるオムニバス形式のものです。その中に「赤富士」というのがあります。

寺尾聡が、真っ赤に燃える富士山を前に女性に「何かあったんですか」と聞く。すると女性は「あんた知らないの? 原発が爆発したんだ。」 その後、女性はこう言います。

「原発は安全だ。危険なのは操作ミスで、原発そのものには危険はない。絶対ミスを犯さないから問題はない、とぬかしたやつは許せない! あいつら、みんな縛り首にしなくっちゃ、死んでも死にきれないよ!」

黒澤監督は、1990年に原発についてインタビューに答えて「作った場合にさ、人間では制御できない性質を持っているわけでしょ? それを作るっていうのが、そもそも僕は間違いだと思う」 「日本は地震も起こるわけだしね、いつ旅客機が墜落してぶつからないとも限らないわけでしょ。もし日本でそういうことが起こったら日本だけの問題じゃないよ」

黒澤明監督は、今から14年前に亡くなりましたが、20年以上前から原発の危険性を指摘していました。すばらしい巨匠です。