格差社会の問題
イギリス社会の実態にかんするレポートです。イギリス人の著者が、病院の運搬係、学校給食づくりの助手、託児所助手、道路の早朝清掃作業、老人ホームの介助助手などの低賃金の職場を、巡り歩き(体験する意味で)そこで得た収入のみで生活する試みを通じてレポートが書かれました。その中で著者は、
「イギリスの底辺ではたらく彼ら(低賃金で運営される作業、職場)は、欠かすことが出来ない重要な仕事をしているのに、なぜ、生活するのに必要な資金が稼げないのか?」「週40時間働いて生活資金が稼げない状態とうのは、正義にもとる。」「労働者は働きに見合う賃金をもらう権利がある」。現実には、低賃金労働者たちは、2つも3つも仕事を掛け持ちし、日に17時間前後も、そして、毎週土日も働いて、かろうじて生活を維持している。
このイギリスから見ても、アメリカの労働実態、低賃金、格差はひどいというのが評価です。「米国のほうが実態ははるかに悪い。アメリカの労働者にとってイギリスとの違いは、最低賃金が低いだけでなく、福祉制度が存在せず、失業手当がないに等しいということにある。さらに決定的に違うのは、家賃に対する手当てがないうえに、医療費も負担しなければならないことだ。」貧困社会の競い合いのような状況です。イギリスから見たらアメリカ社会は信じられないほどの貧困社会というのですから、「驚き」です。
このイギリス人の著者は「この間、私の生活は、長年暮してきたイギリスの街の姿はまったく様変わりした。楽しみが減り、選択の余地も減ったロンドンは、退屈でみすぼらしい場所に変わった。」
「懐(お金)に余裕がないために、あらゆる行動が、制限された。飢えない程度に食べることは出来たが、楽しみを抜き、アルコール抜きの食事は味気なかった。」「劇場、画廊、レストラン、ブティックなどが並ぶ、何度も通った、なじみの道が、私の地図から消えた。」
「世間並みの楽しみを与えてくれる、あらゆる場所に『立ち入り禁止』の大看板がかかっているようなものだ。他の全ての人が生きている消費社会への『立ち入り禁止』。過酷なアパルトヘイトだ。」「客を呼び込んで、買って、買って、買ってと誘うために明るく照らされた店の入り口が、イギリス人の三分の一にとってはまったく閉ざされている。」
「私たちは、孫子の世代に向かって、この状況を正当化できるだろうか。人間は生まれつき、公平と不公平を見分ける素朴な感性を持っていると思う。その感性に照らして、イギリスの現在の状況は公平ではない。過去の社会進歩は、社会的正義の実現に向かって前進する歴史であった。しかし、その足取りはとまってしまった。それどころか、サッチャー政権以来、イギリスは後ずさりしてきた」。
日本の社会も急激に、格差拡大、貧困化が進行しています。その1つが自殺数の増加、貯蓄率の著しい減少、生活保護世帯数の増加に現れています。自己努力、自立した個人、自立した地域、自立したーーーと念仏を唱える政権、政党が跋扈しています。
イギリス社会の実態にかんするレポートです。イギリス人の著者が、病院の運搬係、学校給食づくりの助手、託児所助手、道路の早朝清掃作業、老人ホームの介助助手などの低賃金の職場を、巡り歩き(体験する意味で)そこで得た収入のみで生活する試みを通じてレポートが書かれました。その中で著者は、
「イギリスの底辺ではたらく彼ら(低賃金で運営される作業、職場)は、欠かすことが出来ない重要な仕事をしているのに、なぜ、生活するのに必要な資金が稼げないのか?」「週40時間働いて生活資金が稼げない状態とうのは、正義にもとる。」「労働者は働きに見合う賃金をもらう権利がある」。現実には、低賃金労働者たちは、2つも3つも仕事を掛け持ちし、日に17時間前後も、そして、毎週土日も働いて、かろうじて生活を維持している。
このイギリスから見ても、アメリカの労働実態、低賃金、格差はひどいというのが評価です。「米国のほうが実態ははるかに悪い。アメリカの労働者にとってイギリスとの違いは、最低賃金が低いだけでなく、福祉制度が存在せず、失業手当がないに等しいということにある。さらに決定的に違うのは、家賃に対する手当てがないうえに、医療費も負担しなければならないことだ。」貧困社会の競い合いのような状況です。イギリスから見たらアメリカ社会は信じられないほどの貧困社会というのですから、「驚き」です。
このイギリス人の著者は「この間、私の生活は、長年暮してきたイギリスの街の姿はまったく様変わりした。楽しみが減り、選択の余地も減ったロンドンは、退屈でみすぼらしい場所に変わった。」
「懐(お金)に余裕がないために、あらゆる行動が、制限された。飢えない程度に食べることは出来たが、楽しみを抜き、アルコール抜きの食事は味気なかった。」「劇場、画廊、レストラン、ブティックなどが並ぶ、何度も通った、なじみの道が、私の地図から消えた。」
「世間並みの楽しみを与えてくれる、あらゆる場所に『立ち入り禁止』の大看板がかかっているようなものだ。他の全ての人が生きている消費社会への『立ち入り禁止』。過酷なアパルトヘイトだ。」「客を呼び込んで、買って、買って、買ってと誘うために明るく照らされた店の入り口が、イギリス人の三分の一にとってはまったく閉ざされている。」
「私たちは、孫子の世代に向かって、この状況を正当化できるだろうか。人間は生まれつき、公平と不公平を見分ける素朴な感性を持っていると思う。その感性に照らして、イギリスの現在の状況は公平ではない。過去の社会進歩は、社会的正義の実現に向かって前進する歴史であった。しかし、その足取りはとまってしまった。それどころか、サッチャー政権以来、イギリスは後ずさりしてきた」。
日本の社会も急激に、格差拡大、貧困化が進行しています。その1つが自殺数の増加、貯蓄率の著しい減少、生活保護世帯数の増加に現れています。自己努力、自立した個人、自立した地域、自立したーーーと念仏を唱える政権、政党が跋扈しています。