“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

格差社会の問題

2012年04月09日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き
格差社会の問題

イギリス社会の実態にかんするレポートです。イギリス人の著者が、病院の運搬係、学校給食づくりの助手、託児所助手、道路の早朝清掃作業、老人ホームの介助助手などの低賃金の職場を、巡り歩き(体験する意味で)そこで得た収入のみで生活する試みを通じてレポートが書かれました。その中で著者は、

「イギリスの底辺ではたらく彼ら(低賃金で運営される作業、職場)は、欠かすことが出来ない重要な仕事をしているのに、なぜ、生活するのに必要な資金が稼げないのか?」「週40時間働いて生活資金が稼げない状態とうのは、正義にもとる。」「労働者は働きに見合う賃金をもらう権利がある」。現実には、低賃金労働者たちは、2つも3つも仕事を掛け持ちし、日に17時間前後も、そして、毎週土日も働いて、かろうじて生活を維持している。

このイギリスから見ても、アメリカの労働実態、低賃金、格差はひどいというのが評価です。「米国のほうが実態ははるかに悪い。アメリカの労働者にとってイギリスとの違いは、最低賃金が低いだけでなく、福祉制度が存在せず、失業手当がないに等しいということにある。さらに決定的に違うのは、家賃に対する手当てがないうえに、医療費も負担しなければならないことだ。」貧困社会の競い合いのような状況です。イギリスから見たらアメリカ社会は信じられないほどの貧困社会というのですから、「驚き」です。

このイギリス人の著者は「この間、私の生活は、長年暮してきたイギリスの街の姿はまったく様変わりした。楽しみが減り、選択の余地も減ったロンドンは、退屈でみすぼらしい場所に変わった。」
「懐(お金)に余裕がないために、あらゆる行動が、制限された。飢えない程度に食べることは出来たが、楽しみを抜き、アルコール抜きの食事は味気なかった。」「劇場、画廊、レストラン、ブティックなどが並ぶ、何度も通った、なじみの道が、私の地図から消えた。」
「世間並みの楽しみを与えてくれる、あらゆる場所に『立ち入り禁止』の大看板がかかっているようなものだ。他の全ての人が生きている消費社会への『立ち入り禁止』。過酷なアパルトヘイトだ。」「客を呼び込んで、買って、買って、買ってと誘うために明るく照らされた店の入り口が、イギリス人の三分の一にとってはまったく閉ざされている。」
「私たちは、孫子の世代に向かって、この状況を正当化できるだろうか。人間は生まれつき、公平と不公平を見分ける素朴な感性を持っていると思う。その感性に照らして、イギリスの現在の状況は公平ではない。過去の社会進歩は、社会的正義の実現に向かって前進する歴史であった。しかし、その足取りはとまってしまった。それどころか、サッチャー政権以来、イギリスは後ずさりしてきた」。
日本の社会も急激に、格差拡大、貧困化が進行しています。その1つが自殺数の増加、貯蓄率の著しい減少、生活保護世帯数の増加に現れています。自己努力、自立した個人、自立した地域、自立したーーーと念仏を唱える政権、政党が跋扈しています。


格差社会の問題

2012年04月09日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き
格差社会の問題

アメリカの労働現場実態を伝える書物に「アメリカ下流社会の現実」という本があるそうです。著者はバーバラ・エレンライクさん(女性)です。この著者がウエイトレス、クリーニング会社の掃除婦、ウォルマート店員として1ヶ月づつ働いた経験を報告しています。

その中で、「私(バーバラ・エレンライクさん)は一生懸命働くことが成功する秘訣だと、耳にたこが出来るくらい聞かされて育った。『一生懸命働けば必ず成功する』『われわれが今日あるのは一生懸命働いたおかげだ』と。一生懸命働いても、そんなに働けるとは思ってなかったほどがんばって働いても、それでも貧困と借金の泥沼にますますはまって行くことがあるなどと、(アメリカの)誰もが言いはしなかった」と。

「私たちが持つべき正しい感情は、恥だ。今では私たち自身が、ほかの人の低賃金労働に『依存している』ことを恥じる心を持つべきなのだ。誰かが生活できないほどの低賃金で、働いているとしたら、例えば、あなたがもっと安く、もっと便利に食べることが出来るために、その人が飢えているとしたら、その人はあなたのために、大きな犠牲を払っていることになる。その能力と、健康と、人生の一部をあなたにささげたことになる。」

「他人の子供の世話をするために、自分の子供の世話をおろそかにする。自分は標準以下の家に住んで、人様の家を完璧に磨き上げる。自分は貧苦に耐え、その結果、物価上昇は抑えられ、株価が上がる。」

「もちろんある日、―――正確に予測できないがーーーさすがの彼らも、報われることのあまりにも少ないことに、うんざりして、自分たちの価値に見合った、当然の報酬を要求する日が、必ずやって来ることだろう。その日が来れば、怒りは爆発し、ストライキも、破壊行為も、広がるだろう。それでも、天が落ちてくることはないし、おかげで、結局は私たちみんなが、もっと幸せになれるはずなのである。」
これが、アメリカ人の作者が経験した貧困、低賃金の労働実態、そこから抜け出すことが困難な社会の実態を告発した「叫び」です。昨年のニューヨークにおけるウオール街占拠の1%富裕層、99%貧困層の問題はこのようなアメリカ社会、新自由主義を信奉する国の政権、為政者への警告なのだと思います。日本も急激に格差拡大、貧困化が進んでいます。

心が折れそう

2012年04月09日 06時00分12秒 | 蜂助の呟き
こんにちは。蜂助です。今日は、昨年の4月7日深夜の大きな余震の話です。

東日本大震災で破壊されたライフラインが戻ってきたと思っていた4月7日の夜11時32分頃に宮城県では震度6の余震がありました。震源が地下の浅い所だったので震度6でも本震より被害が大きかった地域がたくさんありました。私の家もこの地震でかなりのダメージを受けてしまいました。

「心が折れそう」と多くの方たちが表現していました。それは、ここ一ヶ月近く本当に頑張って何とかしてきたのに、元に戻ったり、3月11日時点よりもっとひどくなってしまったからです。

東日本大震災と原発事故から復旧復興させようとしてきたところに、消費税率アップ、TPP参加、電気料金値上げ。これでは「心が折れてしまいます」。

もっとましな政治はできないのか、、、