学者、科学者、知識人は、政治とは異なる分野、視点から多くの国民に影響を与えます。だからこそ、自らの社会的存在、使命を自覚した行動は世論と政治に大きな影響を与えます・
この大江健三郎さんも高齢でありながら、憲法擁護、脱原発のために自らに残された時間を使うと表明しています。人の生き方は様々です。私腹を肥やし、自らと家族だけの生活を守るために生きる生き方。多くの国民、貧しい人々を救済し、誰もが安心して起きることができる政治、社会を作るために起きる生き方。――どちらを選ぶかは自由です。
<毎日新聞> 脱原発を最後の仕事に:大江健三郎さん
◇日本外国特派員協会で記者会見
東日本大震災による東京電力福島第1原発事故について、ノーベル賞作家の大江健三郎さんが10日、日本外国特派員協会(東京都千代田区)で記者会見し「原発がない世界を実現するほかない。声を発し続けることが、自分にやれるかもしれない最後の仕事だ」と語った。
大江さんは、原発の再稼働を推し進める日本政府の姿勢を「大事故への反省、再出発という意識がない」と批判。アジア諸国との関係悪化などにも触れて「戦後最大の危機を迎えている」と現状を憂えた。
その上で「絶望的な状況で、楽観的であること」の重要性を説き、「窮地にあるが、新しい動きを始めないといけない」と決意を述べた。