“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

国民の側に立つ電力労連に

2011年09月29日 06時08分40秒 | 蜂助の呟き
9月27日に、国の原子力委員会が原子力政策についての国民からの意見の集計結果を発表しました。3月から8月までに寄せられた意見1万件以上のうち約3千件を集計したものです。「原発を即時に廃止」が67%、「原発を段階的に廃止」が31%とその合計は実に98%が原発廃止の意見です。これはあくまでも国の原子力委員会の集計です。

 電力関連事業の労働組合で作る「電力労連(約22万人)」は、定期大会で原発再稼動を強調しています。さすがに「原発推進」とは言えなくなっているようですが、国民の考えていることや気分感情と著しく離れていることに気がついていないようです。

 自分たちの職場ですから、守りたくなる気持ちは分からないではありません。しかし原発再稼動の主張は無理ではないですか。太陽光、風力、地熱、波力などによる自然環境を利用した発電を最大限に推進し、同時に蓄電のバッテリーなどの開発をするという主張をして技術と産業の発展を進めるくらいのことを言わないのでしょうか。

 苦しんでいる福島県をはじめとするたくさんの国民のことを理解しようとせず、被災者の補償にも触れずに、東京電力などの電力会社が言えないようなことを労働組合が代弁しているようです。いくら労使協調路線だと言っても国民から白い目で見られていることを早いうちに認識して欲しいものです。

中立・独立の行政委員会確立

2011年09月28日 12時00分00秒 | 臼蔵の呟き
おはようございます。今日は青森出張で弘前です。快晴です。りんごがりんごが沢山なり、秋らしい秋です。八戸市で震災対策の補正予算が90億円で可決されたことが報道されています。中古の漁船購入補助、瓦礫処理、その他に予算が使われるとのことです。瓦礫は24万トンで三年分にあたる量とのことです。

1996年に出版された「日本をどうかえていくのか」(渡辺洋三著)に以下のような分析があります。今から15年前の分析です。この章は、「中立・独立の行政委員会」の認識、分析に関した部分です。15年前にこのような分析と提言がされていました。今回の原発事故にそのまま適応できる提言です。当時の自民党政権、経済産業省・保安院の責任は免れません。民主党政権もですが。

<原発事故問題>
高速増殖炉「もんじゅ」の事故はなぜ生じたのか。動力炉・核燃料開発事業団(動燃)総務部次長の自殺という、痛ましい結果まで生じながら、事故原因や責任の究明は、まだ(1,995年事故発生)ほとんど出来ていないようだ。私たちは昔から原子力安全行政の確保を求めてきた。その中で、行政システムとしては、アメリカのように原子力開発行政を進める行政庁と、その開発を規制する独立の行政委員会との分離を提案してきた。ところが、日本ではそれを採用せず、科学技術庁→原子力委員会・原子力安全委員会という行政ルートで一本化してきた。これでは核開発行政があるのみで、安全規制行政は、その片隅でしか扱われない。要するに走る者だけがいて、そのランナーを止めるものがいないのである。これではランナーは息切れして倒れるまで走り続けることとなる。原子力開発について、こんな危険なシステムはない。

今からでも遅くない。ただちに、科学技術庁から独立した権限を持つ原子力規制委員会を創設し、民間科学者、地域住民等の代表をも含めた公正な第三者機関による安全性の決定を待たずに個別の原子力開発は出来ないーーこのようなシステムに転換すべきである。情報公開、環境アセスメント、住民同意、地震対策などの厳しい手続きも必要である。そして、この委員会が安全性を保障した以上、後に生じた事故は、あげて当該委員会の責任となる。このような責任の所在がはっきりすれば、委員会も慎重に決定するのではなかろうか。今までは、責任がどこにあるのか、科学技術庁か原子力委員会か、動燃か、企業か、結局あいまいなままで終わる恐れが大きい。

渡部洋三さんの経歴:帝京大学教授、東京大学名誉教授、法社会学、民法、憲法の専門家です。

庄内藩致道館(鶴岡市)

2011年09月28日 08時30分00秒 | 臼蔵の呟き
庄内藩致道館(鶴岡市)を見て感じたこと!

山形県鶴岡市中心部に致道館があります。その規模と立派さ、志の高さを見て感じた。致道館は庄内藩の「士風刷新」のために九代藩主 酒井忠徳公が立てた藩校です。藩校は自主性を重んじ、質実剛健な教育文化を育てる土壌となったとのことです。14万石の藩でこのような藩校、教育機関を作ったことは凄いこと(当時の鎖国、幕府と藩の関係から推定して)だと思います。藩の将来を担う人材を育てることに情熱を注いだ藩主の考え方、長期的なものの見方には感心させられます。

翻って、今話題となっている「松下政経塾」出身の政治家はどうでしょうか。彼ら(野田首相、玄葉外相、前原政調会長)はアメリカ基軸の外交に固執し、沖縄普天間基地は抑止力として重要であり、貿易はTPP参加が必要、財政の建て直しは消費税率の大幅な引き上げ、原発の再稼動を早急にとの認識で国政を動かそうとしています。その考え方の多くは旧自民党政権時代の主要な政策を踏襲しています。国民から見たら、政権交代をしなくても良かったといえるような政策の列挙です。松下政経塾が意図し、養成しようとしている政治家、官僚、経営者の多くが何を考えているかがよく分かる意図、動きです。
これで本当に現在の日本政治の閉塞状況が打開できるのでしょうか?彼らは天下、国家を論じていますが、3.11震災復旧、復興策を策定し、実行させることすら出来ていません。また、長年苦しみぬいてきた沖縄普天間基地移設問題ではアメリカの顔色を伺い沖縄県民、名護市住民を説得する事をオバマ大統領に約束(沖縄県民は眼中にない)してきました。そのオバマ大統領から「彼とはうまくやれそう、仕事が出来そうな首相と評価?」されました。

現在の世界情勢は、大きく変化し、アメリカ一極支配は行き詰まり、否定され終焉を迎えています。リーマンショックで金融危機が世界に波及し、主だった各国金融機関は巨額の負債を抱えました。今年になってアルジェリア、エジプト、リビアなどの政変、中国、インド、ブラジルの新興国の台頭などでアメリカ、イギリス、ロシア、フランスを中心とした政治経済(影響力)の体制が大きく変化しています。その変化をきちんと受け止め、日本の政治経済がどのように変化せねばならないかを考えることこそが焦眉の課題です。尖閣、竹島問題、靖国問題などを論じる暇があったら震災復旧、沖縄問題解決、世界の政治経済がなぜ劇的に変化しているかを考え、国会で議論し、日本の外交、政治、経済、エネルギー政策の方向性を見出すべき時です。

東京電力への賠償請求

2011年09月28日 06時14分34秒 | 蜂助の呟き
おはようございます。鉢助です。東電の原発事故賠償についてです。

 9月26日に枝野経済産業相は、経産省を訪れた東京電力の山崎副社長らに改善を指導しました。東京電力が分かりやすい補足資料を新に送付すること、被災者の権利を制約するような文言を削除することを表明しました。



 先日も書きましたが、請求書本体が60ページ、案内書が156ページもあり、専門用語がたくさんあります。さらにひどいことに、最終的に被災者と交わす合意書の見本で「一切の異議、追加の申請を申し立てない」と記入されています。




今回は8月31日分までで、9月1日~11月30日まではまた後日です。

 東京電力の山崎副社長が、説明会や相談窓口の拡充、領収書の一部省略を認める方針などを示したものの、同席した広瀬常務は記者団に対して、システム改修に手間がかかり、「既に約3500件の請求書が提出されている」として、書類変更は難しいと説明しています。副社長と常務の二枚舌は、民主党や菅さんから学んだのでしょうか。

 昨日のニュースでは、東京電力の給与水準などを公務員レベルにすべきだとの政府の考えに対して経団連会長は「東京電力にばかり押し付けないで、国の責任も考えるべきだ」のような発言をしていました。まだ、経済界の重大な責任がわかっていないようです。

原発事故と官僚の天下り問題

2011年09月27日 12時00分00秒 | 臼蔵の呟き
東電:官僚天下り50人以上 ゆがむ原発行政

以下は毎日新聞の調査報道内容です。官僚が電力会社、業界に天下り、国策や政治決定が捻じ曲げられて、官僚の癒着とたかりの関係がよく分かります。

 東京電力に「嘱託」などの肩書で在籍する天下り中央官僚が47人(8月末)に上ることが分かった。次官OB向けの「顧問」ポストも加えれば50人を超え、出身は所管の経済産業省から国土交通、外務、財務各省、警察庁、海上保安庁と多岐にわたる。東電福島第1原発事故では安全規制の不備が指摘されるが、原子力行政に携わった元官僚は「(当局と電力会社との)癒着が安全規制の緩みにつながった」と認める。

 経産省キャリアOBの最上級の天下り先は東電副社長ポスト。次官OBの石原武夫氏に始まり、資源エネルギー庁長官や次長経験者が10年前後の間隔で就いてきた。今年1月には、昨年8月に退任したばかりの石田徹エネ庁前長官(当時)が顧問に天下りした。東電は「慣例通り副社長に昇格させる予定だった」(幹部)。しかし、「退職後2年間は所管業界に再就職しない」という自民党政権時代に作られたルールを逸脱していた上、原発事故による行政批判も重なって、4月に顧問を退任せざるを得なかった。
 経産省は関西など他の電力各社にもそれぞれ元局長や審議官、部長クラスを5人前後ずつ役員や顧問として再就職させている。

 ◇報酬、霞が関以上に
 中央省庁OBを幅広く受け入れる東電のような余裕は、独占事業ではない他の民間企業では考えられず、経済官庁幹部も「東電など電力は再就職の最大の受け皿」と認める。
東電関係者によると、天下り官僚の肩書はキャリアOBなら「顧問」、ノンキャリア出身者なら「嘱託」。報酬は「霞が関での最終ポスト時代を下回らないのが暗黙のルール」  (経産省OB)だ。
 東電は「国交省や警察庁OBに電源立地対策で知見を発揮してもらうなど、経営に役立っている」と説明した。しかし、財務や外務官僚OBの場合「本命の再就職先が決まるまでの腰掛けで東電に入り、給料だけ払うケースも多い」(東電関係者)。

 ◇「世話になれば無言の圧力」
 天下りを通じた当局と電力会社のもたれ合いの弊害は原発行政にも影を落とした。1979年の米スリーマイル島の原発事故などを教訓に、欧米当局は、原発事業者に地震など災害対策や炉心溶融など過酷事故への実効ある対応策を厳しく義務付けた。しかし、日本では事実上、電力会社任せとなり、津波で全電源が喪失した福島原発のようなずさんな対応が取られた。
 元原子力安全・保安院長は「欧米並みの規制を導入すべきだとの意見もあったが、コスト負担に反発する電力会社に押し切られた」と説明。元原発検査官は「上司のキャリア(官僚)が退官後、電力会社に世話になっていれば、無言の圧力がかかるのは当然」と話す。