“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

東北の風土を生かした復興に!

2011年09月27日 09時00分00秒 | 臼蔵の呟き
どの被災地自治体の復興計画もまだ、決まっていません。その理由は、財源、法律の未整備で計画決定ができない要因となっています。政府の政治決定を待っていたら、復興はいつになったらできるかと思えるこのごろです。

復興にあたって、東北地方の特徴を生かして、「東北の自然と歴史、蓄積を現代に生かす」復興策の作成ができればと思います。三陸リアス式海岸は小さな入り江と漁村、自治体があり、美しい自然、景観、神社と祭り、寺と歴史、文化があります。日本が残すべき自然と文化、歴史です。日本が近代化の中で失ってきた自然と文化、歴史です。被災地のすぐ横には「遠野」のように歴史的な文化遺産も多くあります。東北の再生にあたって、自然景観、文化、歴史を守って発展させるような復興を願わずにいられません。

9月26日(月曜日)の衆議院予算委員会での稲葉朋美氏(自民党会派)の質問には辟易としました。震災復興財源、普天間基地問題、原発に関する質疑ならまだしも、延々と首相の靖国神社参拝強要、A級戦犯問題、民主党議員への外国人献金問題などを追及する彼女の質問にはあきれてはて、物も言えませんでした。(時間の無駄使い)
自民党、民主党、公明党以外の政党は「短い質問時間」で何とか震災復興、復興財源問題、普天間問題、原発事故補償問題など山積する問題をただしたくても質問時間が制限されていて出来ません。こんな無駄な時間を使うのであれば、「他党に時間を回せ」と思うような時間浪費の質疑を国会の場(復興が危機的状態)でしないで欲しいと思います。これらの所属政党、議員はこのような質疑を容認する点で同罪です。彼らは被災地の実態を理解していない、被災者の神経を逆なでし思いを踏みにじっています。





除染は表土剥取りが効果的

2011年09月27日 06時10分24秒 | 蜂助の呟き
 おはようございます。蜂助です。今日は、農地の除染についてです。

 9月14日に農林水産省が「放射性物質で汚染された農地土壌の除染技術」について発表しました。農林水産省は5月中旬~8月下旬まで福島県の飯舘村、川俣町で
①表土の剥ぎ取り
②水による土壌攪拌と除去
③ひまわりなど高吸収植物による除染
④表土と深い層を入れ替える反転耕による放射性物質の埋め込み
などの実証実験を行ってきました。

 放射性セシウム濃度が2.5万ベクレル/㎏以上の高濃度の農地は表土を5cm以上削り取ることが最適としました。その際に、土壌が飛散しないように固化剤などの使用も必要としています。

 表土の剥ぎ取りで75~82%の放射性物質を除去できます。

 放射性セシウム濃度1万ベクレル/㎏以上でも効果的です。

 5000~1万ベクレル/㎏では表土の剥ぎ取りの他、反転耕も効果的と発表しました。しかし、私はこのやり方は大反対です。地下に埋め込んでも、放射性物質が減ったわけでなく「臭いものにふた」をしただけだからです。未来のその土地の耕作者に迷惑をかけるだけでなく、作物が適度に埋め込まれた放射性セシウムを高濃度に吸収することだってありえるからです。
 地下水汚染は大丈夫でしょうかね。

 ひまわりに放射性セシウムを吸収させようとしても約2000分の1しか吸収しなかったようです。

 放射性セシウムは粘土との吸着力が極めて強く、切り離すのは容易ではありません。したがって除去した汚染土壌は厚さ15cm以上のコンクリートを使い、さらにゼオライトなどの吸着性鉱物を回りに置いて隔離するしかないようです。

 福島県内の農地で放射性セシウム濃度が5000ベクレル/㎏以上のところは8千3百ヘクタールですから、表土を4~5cm剥ぎ取ると300~350万トンになるようです。これをどこに持って行くかもすぐに決定しなければなりません。

 生活空間での除染によって出てくる汚染土壌などの隔離が緊急課題であることに間違えありません。

 除染とは、ここにある放射性物質を、別の所に移動するだけです。しかし被爆から守るためには、この方法しかありません。 

福島原発の固定資産税

2011年09月26日 20時00分00秒 | 臼蔵の呟き
福島原発の被害で避難している産業、個人ともに固定資産税の減免がされることになっています。その対象に東京電力、福島原発が当たるかどうかの議論です。当然のことですが、事故発生要因を作った東京電力に対しては減免をしないとの考え方が各自治体が行う方向です。事故をお越し、地域に甚大な被害、破壊をもたらした企業が税の減免を受けることは国民感情からいってもありえないことと思います。


原因者の減免おかしい…原発は固定資産税課税へ

福島原発
 東京電力福島第一、第二原発が立地する福島県大熊、双葉、楢葉、富岡の4町は、両原発の土地建物や設備について固定資産税の減免対象とせず、今年度も課税する方針を固めた。


 8月の地方税法改正で、警戒区域や緊急時避難準備区域内の住民や事業者は、土地建物が利用できないため、固定資産税を減免できるようになり、4町は住民や事業者の固定資産税の減免条例制定を準備しているが、原発は「復旧作業などで土地建物を使用している」などとして条例は適用しない考え。

 第一原発5、6号機がある双葉町は、通常通り今年1月1日時点での評価額で課税し、東電から機械設備などの震災被害の申し立てがあった場合は課税額の見直しを検討する方針。既に21日開会の町議会に減免条例案を提出している。同1~4号機がある大熊町、福島第二原発がある楢葉、富岡両町も同様の減免条例を制定する方針。楢葉町によると、4町で東電への課税対応を検討した結果、「原因者を減免するのはおかしい」と結論です。4町の昨年度の課税額は計約50億円だった。


9.19東京での集会発言

2011年09月26日 09時04分42秒 | 臼蔵の呟き
少し長いのですが、福島県ハイロ(廃炉)アクションの方の発言です。

ふくしまからのメッセージ 2011年 09月 19日
東京・明治公園で開かれた「さようなら原発 5万人集会」で大江健三郎さんら呼びかけ人の発言に続き、武藤類子さん(ハイロアクション福島原発40年実行委員会)が、福島県民を代表して、あいさつをしました。県民の苦境と、ともに生き抜こう、という、ふくしまからのメッセージです。

みなさん、こんにちは。福島から参りました。
今日は福島県内から、それから避難先から何台もバスを連ねてたくさんの仲間と一緒にやって参りました。初めて集会やデモに参加する人もたくさんいます。
それでも「福島原発で起きた悲しみを伝えよう」「わたしたちこそが原発いらないの声をあげよう」と声を掛け合い、誘い合ってやって来ました。

はじめに申し上げたいことがあります。
3.11からの大変な毎日を命を守るためにあらゆることに取り組んできたみなさん、ひとりひとりにひとりひとりを深く尊敬いたします。

それから福島県民にあたたかい手を差し伸べ、つながり様々な支援をしてくださった方々にお礼を申し上げます。ありがとうございます。

そして、この事故によって大きな荷物を背負わせることになってしまったこどもたち、若い人々にこのような現実を作ってしまった世代として心から謝りたいと思います。
本当にごめんなさい。

さて、みなさん。
福島はとても美しいところです。
東に紺碧の太平洋を臨む浜通り。
桃、梨、りんごと、果物の宝庫の中通り。
猪苗代湖と磐梯山のまわりに黄金色の稲穂がたれる会津平野。
そのむこうを深い山々が縁取っています。
山は碧く、水は清らかな、わたしたちのふるさとです。

3.11 原発事故を境にその風景に目には見えない放射能が降り注ぎわたしたちは被曝者となりました。大混乱の中で、わたしたちには様々なことが起こりました。素早く張り巡らされた安全キャンペーンと不安の狭間で引き裂かれていく人と人とのつながり。

地域で、職場で、学校で、家庭の中でどれだけの人が悩み、悲しんだことでしょう。

毎日、毎日、否応無く迫られる決断。
逃げる、逃げない。
食べる、食べない。
こどもにマスクをさせる、させない。
洗濯物を外に干す、干さない。
畑を耕す、耕さない。
何かにもの申す、黙る。
様々な苦渋の選択がありました。

そして今半年という月日の中で次第に鮮明になってきたことは事実は隠されるのだ。
国は国民を守らないのだ。
事故は未だに終わらないのだ。
福島県民は核の実験材料にされるのだ。
莫大な放射能のゴミは残るのだ。
大きな犠牲の上になお原発を推進しようとする勢力があるのだ。
わたしたちは捨てられたのだ。

わたしたちは、疲れとやりきれない悲しみに深いため息をつきます。
でも、口をついてくることばは「わたしたちを馬鹿にするな」「わたしたちの命を奪うな」です。

福島県民は今、怒りと悲しみの中から静かに立ち上がっています。
子どもたちを守ろうと母親が父親が、おじいちゃんがおばあちゃんが。
自分たちの未来を奪われまいと若い世代が。
大量の被曝に曝されながら事故処理に携わる原発従事者を助けようと
労働者たちが。
土地を汚された絶望の中から農民が。
放射能による新たな差別と分断を生むまいと、障害を持った人々が。

ひとりひとりの市民が、国と東電の責任を問い続けています。
そして「原発はもういらない」と声をあげています。
わたしたちは静かに怒りを燃やす、東北の鬼です。

わたしたち福島県民は故郷を離れる者も、福島の土地にとどまり生きる者も苦悩と責任と希望を分かち合い、支え合って生きて行こうと思っています。
わたしたちとつながってください。
わたしたちが起こしているアクションに注目をしてください。

政府交渉、疎開、裁判、避難、保養、除染、測定、原発・放射能についての学び。
そしてどこにでも出かけ、福島を語ります。
今日は遠くニューヨークでスピーチをしている仲間もいます。
思いつく限りのあらゆることに取り組んでいます。

わたしたちを助けてください。
どうか、福島を忘れないでください。

もうひとつ、お話ししたいことがあります。
それは、わたしたち自身の生き方、暮らし方です。

わたしたちは何気なく差し込むコンセントの向こう側を想像しなければなりません。便利さや発展が、差別や犠牲の上に成り立っていることに思いを馳せなければなりません。原発はその向こうにあるのです。

人類は地球に生きる、ただ一種類の生き物に過ぎません。
自らの種族の未来を奪う生き物が、他にいるでしょうか。
わたしはこの地球という美しい星と調和したまっとうな生き物として生きたいです。
ささやかでも、エネルギーを大事に使い工夫に満ちた、豊かで創造的な暮らしを紡いでいきたいです。どうしたら、原発と対局にある新しい世界を作っていけるのか誰にも明確な答えは分かりません。

できうることは誰かが決めたことに従うのではなくひとりひとりが、本当に本当に本気で自分の頭で考え確かに目を見開き自分ができることを決断し、行動することだと思うのです。

ひとりひとりにその力があることを思い出しましょう。
わたしたちは誰でも変わる勇気を持っています。
奪われてきた自信を取り戻しましょう。

原発をなお進めようとする力が垂直にそびえる壁ならば
限りなく横に広がりつながり続けていくことがわたしたちの力です。

たったいま隣にいる人とそっと手をつないでみてください。
見つめ合い、お互いの辛さを聞き合いましょう。
涙と怒りを許し合いましょう。
いまつないでいるその手のぬくもりを
日本中に、世界中に広げていきましょう。

わたしたちひとりひとりの背負っていかなければならない荷物が途方もなく重く、道のりがどんなに過酷であっても目をそらさずに支え合い軽やかに、朗らかに生き延びていきましょう。
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ハイロアクション福島原発40年実行委員会は、2011年3月26日~2012年3月26日までの1年間を「ハイロ(廃炉)アクション年」にしようという呼びかけに集まった福島県内各地の有志により、2010年11月23日に結成されました。

しいたけのほだ木が不足

2011年09月26日 06時11分40秒 | 蜂助の呟き
 おはようございます。蜂助です。本日は、しいたけ栽培の原木ほだ木の不足の話です。

 福島県は、しいたけ栽培に使用する原木ほだ木の生産量が全国一で、県外流通量の54%を占めるそうです。生しいたけ栽培の主力は「菌床」という人口の培地(ほだ木のようなもの)ですが、昔ながらの「原木栽培」も全国で行われています。原木栽培の方が、しいたけ独特の味があります。そして何より、乾しいたけでは原木でないとダメです。

 福島第一原発から放出された放射性物質は、しいたけの原木ほだ木となるナラやクヌギなどの山々の木々にも降り注ぎました。国は10月にも原木の暫定許容値を示すとしていますが、遅すぎます。原木しいたけの駒(しいたけ菌)の打ち込みは3月~4月はじめですから全国に流通させることができたとしても、その前に地震や台風などで崩れた林道を整備し、受注に答える作業をしなければなりませんが、「間に合わない」との声が出されています。

 茨城県、群馬県、岐阜県、奈良県などの生産者からも「原木が手に入らないと農家をやめるしかない」「いろいろ手を尽くして供給先を探しているが、めどが立たない」などの不安が報道されています。

 わたし達の知らないところで、東京電力福島第一原発の被害が広がっています。東京電力は、しいたけ農家への補償について対象外とすることでしょう。