“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

AIJ、年金2000億円の9割超消失

2012年02月25日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き
恐れていた事態が表面化したのだと思います。22日日本共産党佐々木憲昭議員が衆議院予算委員会の集中審議で国民が納めた年金積立金が信託銀行などで運用され、目減りして(損失)いることが追求されました。年金給付の財源となる年金積立金は122兆円あり、この4年間で27兆円(▲20%)減少しています。このときの質問で「年金運用を委託されている年金積み立て管理運用独立法人(2006年創設)が6兆円の損失が出ている」ことが明らかになりました。しかもその独立法人が運用会社に丸投げしているだけで、投資信託会社は運用手数料として10年間で2538億円、1年間で250億円から300億円の手数料を支払っていることも明らかにされました。
この質問の中で、アメリカは非市場性の財務省証券で運用され赤字を出したことがないことも明らかにされました。日本の厚生労働省、政府、金融機関の異常な対応は突出していることも明らかにされました。
今回のAIJによる2000億円の年金財源が90%消失した問題は、厚生労働省のこのような姿勢の延長線上に発生した毀損事件だと思います。事件の実態は不明でこれから調査がされます。

1つ目の問題は、262社の投資顧問会社の実態調査、検査がほとんどされてこなかった行政の怠慢です。今回の問題発覚も業界からのうわさにより調査を行って実態が明らかになったとの報道があるくらい投資顧問会社の点検、監督がいい加減でした。

問題の2つ目は、国民の年金を「ばくち」のような株式投資、外貨投資などに誘導した政府、厚生労働省、金融機関の責任です。自民党小泉政権は竹中平蔵と組み巨額の金融資産を証券市場、金融機関の手数料収入に寄与できるように規制緩和を行ってきた結果です。今回の事件は氷山の一角の可能性もあります。

問題の3つ目は、AIJに運用を委託した企業、年金組織は1900億円の穴埋めをしなければなりません。しかし、どこからも損失1900億円が出てこないことも明らかです。その場合、企業、年金組織の労働者は自分の年金が1900億円消失し、企業年金が減額されることになります。今後は、このような場合に備えた政治が対応策を考える必要があります。何よりも年金試算を株式投資、外貨運用などの元本保証されない運用方法を中止することが必要です。規制緩和、市場に任せればよいとの市場至上主義がいかに反社会的な政治経済政策かを明らかにすべきです。また、損失を出したのは自己責任であるとの金融機関、経済学者の主張を弾劾することも必要です。

<AIJ、年金2000億円の9割超消失 顧客に虚偽情報>


 国内独立系の投資顧問会社、AIJ投資顧問(東京・中央、浅川和彦社長)が企業年金から運用受託していた約2000億円の大部分が消失した問題で、金融庁は24日、AIJに1カ月の業務停止命令を出した。虚偽の情報を顧客に伝え、実態を隠していた疑いがあると判断し、解明を急ぐ。金融庁は投資一任業務を手がける国内263社の投資顧問会社を対象にした一斉調査に乗り出す。
「顧客資産が毀損しているとみられる」自見金融相がAIJへの業務停止命令について説明した。
 証券取引等監視委員会の検査では、AIJが受託した年金資産の9割超が消失し、10分の1以下に目減りしている可能性が高いことも判明した。自見庄三郎金融担当相は24日の記者会見で「このような事態に至ったことは誠に遺憾だ」と述べた。そのうえで「厚生労働省とも綿密に連携を取っていきたい」とし、一体となって再発防止に取り組む考えを示した。
 金融庁は金融商品取引法52条の「投資家の利益を害する事実」に該当すると判断して業務停止命令を発動した。AIJは23日に年金の運用状況などを金融庁に報告。浅川社長らは「運用資産の状況について説明できない」と証券監視委や金融庁に語っているという。
 当局は今後、AIJの年金資産が消失した経緯や資金の流れなどについて実態解明を急ぐ。金融相は証券監視委の検査について「調査中で、確たる内容を言うのは困難だ」と語った。また小宮山洋子厚生労働相は同日「具体的な顧客の状況を含めて詳細は承知していない」と述べた。
 年金消失問題を受け、金融庁は24日、AIJと同様に投資一任業務を手がけている投資顧問会社の一斉調査に着手する方針を決めた。企業年金の運営に深刻な影響を与えかねないとみて、ずさんな資金管理をしている投資顧問がほかにもないかを洗い出す。投資顧問の実態を把握することで有効な再発防止策にもつなげる。金融庁は具体的な調査方法は早急に詰めるとしている。
 公表資料などによると、AIJは昨年9月末時点で124の企業年金から1984億円の資産を受託していた。相場変動に左右されずに安定して高収益をあげる運用戦略を掲げ、企業年金の運用会社としては大手に次ぐ規模に成長していた。
 AIJに年金運用を委ねていたのは地域の中小企業などで構成される総合型の厚生年金基金。アドバンテストや安川電機など大手の企業年金も顧客になっている。
 金融庁が24日に業務停止命令を出したため、AIJに運用を委託した企業年金などは実態解明が進むまでは年金資産を引き出すことができなくなる。厚労省は金融庁などと協議しながら、顧客資産の状況を把握。従業員らの年金給付に影響があるかどうかを調べる。

素朴な名所 花見山公園

2012年02月25日 06時00分12秒 | 蜂助の呟き
こんにちは。蜂助です。今日は、福島市にある花見の名所の話です。

福島県の観光名所のひとつに「花見山公園」があります。この花見山公園は、桃などの花の枝を育てて販売していた農家の方が自分の所有する山約5ヘクタール(1万5千坪)に色とりどりの花の咲く木々を植えて作ったものです。桜だけでも何十種類も植えられています。

九州に出張に行った折にある人が、あそこは商売が下手だ、私なら何十倍ものお金を動くようにする、というようなことを言っていました。私は何も言いませんでしたが、花見山は商売しようとか経済的に活性化させようとかして作ったものではないのです。花が好きで、みんなに見てもらいたい。春を満喫してほしい。ただ、そんな福島の田舎の山です。シーズンになるとボランティアによって交通整理や案内も行われています。

花見で宴会をやる人もいませんし、屋台なんかもろくな物はありません。観光地と言ってもいたってシンプルで入場料無料です。(寄付とかはありますが)

万作やレンギョウの黄色、雪柳の白、桃の濃いピンク、梅の白・ピンク・紅色、桜の白・淡い桜色・ピンク・赤っぽいピンク、そして萌黄色(白っぽい黄緑、薄い緑までのグラデーション)

極楽はこんな所かと思ってしまいます。本当に素敵な所です。

この花見山公園はこの10年間で約200万人が訪れました。残念ながら、今年は手入れができていないため公開が中止になりました。これも原発事故の被害です。

下から、この山を見上げるのも大変きれいです。

来年は、花見山の散策をしたいものです。

無保険者の死者67人(昨年1年)は氷山の一角

2012年02月24日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き
無保険者の死者67人(昨年1年)は氷山の一角


連続して生活保護を受けていない方が死亡しました。医療機関の調査では無保険者(健康保険証が取り上げられた人)が増えていること。また、医療機関を受信しなければならないのに無保険で受診できず悪化、死亡する人が増加しています。


「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和にうちに生存する権利を有することを確認する」(憲法前文)。憲法第二十五条「全ての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。②国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と規定されています。なぜ、このような事が起こるのでしょうか。一機100億円もするステルス次期戦闘機を買う金があっても無保険者を救えないような日本が国家といえるのでしょうか??

この死は特殊なのでしょうか?貯蓄がない世帯が大幅に増加し、貧困率はアメリカについて2番目(先進国で)、非正規労働者の割合は正規労働者数と同じくらいまで増加しています。一部の高額所得者、富裕層以外は誰でもが生活保護水準の生活レベルに落ち込む可能性が出ています。その日本でこのような考えられない貧困による死者が発生しています。税と社会保障の一体改革などという前に現実に起きている問題を解決する政治の使命を全うすべきです。

宮城県知事の漁業特区問題と地域社会の多様性確保

2012年02月24日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き
『漁民にとって漁場は魚を獲ることが全てです。ですから生活基盤を消失しないようにしようといろいろなルール、慣行を生み出してきた。それが魚場ばを守り、持続可能な資源の利用を可能にしてきた。それに対して営利を目的とした漁業会社が魚場に入りこめば、魚場は死滅してしまう。

日本が木材を東南アジアからどんどん輸入するようになると、企業が国から伐採権を得て伐り倒し、森を失わせてしまう結果になりました。

共有地の営みは、市場経済を相対化する1つの事例だと思います。共有地を営んでいる人たちが、市場経済に属していないからいって、ゲマインシャフト的な共同体関係の中にあるわけではありません。共有地における労働は私的な労働です。個人が自立して、その上で共有地(漁場など)を利用して経済活動を行っています。1つの経済システムを作っています。多元的な空間が、政治の領域にも、経済の領域にも、都市にもできて、それぞれが重なり合い、そうすることで全体として生き生きとした社会が出来上がるのです。』

これは今から14年前にある経済学者が対談で話していた内容です。14年後の大震災による地域破壊、地域再生にあたっての考え方としてそのまま当てはまる話です。

映画と津波・原発事故

2012年02月24日 06時00分12秒 | 蜂助の呟き
こんにちは。蜂助です。今日は、映画の話題です。

先日、「ドラゴン・タトゥーの女」を見てきました。本当は違うと思うのですが、今の日本ではこの映画はホラー映画に分類されるのでしょうか。かなり深い内容だと思いながら鑑賞しました。心理学者や心を研究している方たちには、研究の対象にもなるほど多くの技術を使っているのではないでしょうか。

この映画や俳優・女優、製作陣は、たぶんいろいろな賞を取るのではないでしょうか。しかし、私は人にはこの映画は、お勧めしません。音楽や音も本能的に不安にさせるようなものを意図的に多用しています。この映画は、特に、心に少しでも悩みがある方は見るべきではないと個人的には思っています。万人向けでは無い映画で、これほどの極端なものはないでしょう。

東日本大震災からもうすぐ一年経ちますが、ちょうど一年前の今週あたりにクリント・イーストウッド監督の「ヒア アフター」を見ました。フランスの女性ジャーナリストが東南アジアで津波に飲み込まれ臨死体験という死んだ経験をしました。震災直後に「ヒア アフター」は全国で上映が中止されましたが、津波に飲まれて水中で経験したことがかなり長く映し出されていたからです。

私も、このことは今日まで書いたことがありませんでした。私自身も、その映画のシーンが完全に脳裏に刷り込まれてしまったからです。いつもなら特に気に入ったシーン以外はほとんど忘れてストーリーくらいしか覚えていないのですが、この映画だけはその後の体験が私の脳に記憶を命じたようです。全部を鮮明に記憶しているのです。

「ヒア アフター」はすばらしい完成度で、とても良い映画だと思います。作品の価値とは違うところで現実に痛ましい出来事である東日本大震災と原発事故が起きてしまったのです。作品の価値には全く影響しません。


イーストウッド監督の作品は、たいへん好きで最近のものでは、インビクタス負けざる者たち、グラン・トリノ、チェンジリング、硫黄島からの手紙、父親たちの星条旗などほとんどの作品を見ました。いずれもすばらしい出来です。(俳優としての彼はイモですけどね・・・。グラン・トリノではその大根役者ぶりが妙に役に合っていました。)

映画と言えば、巨匠の黒沢明監督が20年以上前に「夢」という映画を作っています。この映画は8つの小さな話で構成されるオムニバス形式のものです。その中に「赤富士」というのがあります。

寺尾聡が、真っ赤に燃える富士山を前に女性に「何かあったんですか」と聞く。すると女性は「あんた知らないの? 原発が爆発したんだ。」 その後、女性はこう言います。

「原発は安全だ。危険なのは操作ミスで、原発そのものには危険はない。絶対ミスを犯さないから問題はない、とぬかしたやつは許せない! あいつら、みんな縛り首にしなくっちゃ、死んでも死にきれないよ!」

黒澤監督は、1990年に原発についてインタビューに答えて「作った場合にさ、人間では制御できない性質を持っているわけでしょ? それを作るっていうのが、そもそも僕は間違いだと思う」 「日本は地震も起こるわけだしね、いつ旅客機が墜落してぶつからないとも限らないわけでしょ。もし日本でそういうことが起こったら日本だけの問題じゃないよ」

黒澤明監督は、今から14年前に亡くなりましたが、20年以上前から原発の危険性を指摘していました。すばらしい巨匠です。