精華よもやま話   佐々木まさひこ議員のつぶやき

京都・精華町会議員佐々木まさひこのローカル日記

知事の盗撮は、許されない人権侵害だ

2008年09月08日 18時50分18秒 | 議会・地方自治
 大阪の橋下知事については、以前にも文化性のなさを指摘した。私は京都府民なので、大阪府民が選んだ政治方向にけちをつける立場にない。しかし、人権に関することは見過ごすことができない。
 先日、知事の私設秘書が吹田市にある国際児童文学館を盗撮したという報道があった。弁護士でもある知事の行動として信じがたかったが、そのことを認めた。ここの施設は、私も訪れたことがあるが、廃止するようなものではないと感じている。
 さて、本題だが、この施設はいわゆる「図書館」の一種である。私たちが子どもの頃は、「個人カード」という1人1人の借りた図書名が順に書き込まれるものがあった。恐らく今はそのような仕組みではないはずだ。もちろん、(ジブリアニメではあったが)図書側にも、その図書を誰が借りたのかという履歴が書き込まれることもないはずだ。それは、図書館の使命として、利用者=国民の思想信条の自由を守るという憲法上の人権を擁護する義務があるからだ。だから、警察からの照会でも、特定個人の借りた履歴は回答しないはずだし、多くの図書館では、図書を返した時点(返すまでは誰に貸しているのか管理する必要がある)で、「誰が借りていたか」という情報は抹消される仕組みになっているはずだ。
 知事の秘書が、図書館や利用者の許可を得ずに撮影していたとすれば、まさに人権侵害事件といってもいい。例えが悪いかもしれないが、風呂場を盗撮されたようなものだ。しかも、個人の悪趣味という範囲ではなく、大阪府知事という政治権力が行ったこととしては、方法が悪いというレベルではなく、絶対に許されるものではない。
 もし、「職員の勤務態度を評価するため」という目的で正当化されるなら、その人権感覚が問われる。こんなことが正当化されれば、やがて大阪府のみならず、その他地域の職場や住民利用施設にまで拡大されることになる。マスコミも、そのような視点でこのことを取材・報道すべきではないかと思う。
 恐らく、知事自身がこのブログを見ることはないと思うが、府知事のやった行為とは、このような意味を持つということを少しでも多くの人たちに知ってもらいたいと思っている。
コメント
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