精華よもやま話   佐々木まさひこ議員のつぶやき

京都・精華町会議員佐々木まさひこのローカル日記

汚染米と責任

2008年09月19日 23時30分42秒 | 各地・分野の動向
 今日、農林水産大臣と事務次官が辞任した。「潔い」という評価もあるが私はそうは思えない。
 この事故米・汚染米事件は、今年のみ発生した「事故」ではないようだ。長年、農水省と業界が馴れ合って、消費者を騙していた「事件」である。
 一番の問題と思うのは、工業用のりの材料として民間に払い下げたということだが、マスコミが1・2日調べただけで、国内ではのりの原料として米はほとんど使われていないことが分かっている。東大や京大などを卒業した官僚が、そんなことさえ知らなかったとは思えない。意図的な「放置」であったことだろう。
 マスコミ報道では、農政事務所の管轄が変わると、事故米が食用米に変身するらしい。実に訳の分からない事態だ。これは、よく知られていることだが、産業廃棄物を処理する場合は、「マニフェスト」という伝票が切られ、どこで発生した廃棄物がどのルートを通ってどこに廃棄されたか分かるようなシステムになっている。農水省自身も、牛のBSE問題の時に、1頭ごとの生育暦などを管理するシステムを導入したではないか。そんな経験を持っていながら、米だけは「放置し黙認」していたと言われても仕方ない事態だ。
 昨日、京都市内の中学校給食と東海地方のおにぎりに混入していたことが発表された。同時に「今のところ人体に影響はない」とも報道されている。これって本当?中学校給食は食べた人が特定できるが、10万食のおにぎりは、スーパー・コンビニで売られていたとしか分かっていない。一体どこのスーパー・コンビニでいつ販売されたものなのか公表しないのはなぜだろう?たまたまその日に東海地方で売られていたおにぎりを食べた関東人がいても不思議ではない。何をもって「人体に影響は出ていない」と判断しているのだろうか、大いに疑問である。
 政治の責任も重大である。特に、自民党は戦後60年間、ほぼ連続して政権の座にいた。この間、元官僚の国会議員や知事・市町村長が多く出現している。いわば、官僚国家と成り下がっているのである。これは本当の民主主義ではない。政治家は選挙で選ばれるので、一般的には身分の安定している公務員(国家も地方も)の方が長くその職にいるし専門的知識も有している。しかし、その公務員をコントロールして住民・国民の利益を実現させるのが政治家の仕事である。この期に及んで、自民党はもはや政治ができない状況になっていると言っても過言ではない。公明党も同様である。
 政治家の責任が辞任であるなら、大臣を辞めただけで済むのだろうか。もう、下野することが唯一自民党に残された責任の取り方ではないだろうか?
コメント
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