tyakoの茶の湯往来

日常生活の中から茶道の事を中心に、花の事、旅の事、そして、本や写真の事など、気ままに書いて見ようと思ってます。

禅語 「巌松無心風来吟」

2011-05-19 18:33:01 | 禅語今昔
爽やかなこの季節になると、お茶席には「風」を現した掛け物が多くなります。前回の禅語でも「薫風自南来」と風を感じさせてくれました。



「巌松無心風来吟」は、そのまま読んで行けば良く「巌松無心風来たって吟ず」と分かりやすい禅語です。
巌谷の松に風が吹き来て、松籟の音が、時には激しく、時には優しく梢々と響く様を表しております。松はもとより歌う意志があるわけではなく、風も歌わせようと吹いているわけではありません。その場の機縁に応じているだけであります。

松には、歌おうとか人に褒められようとかという、意識も作為もなく、風が吹いてくれば自ずから鳴るだけである。これをそのまま人間に置き換えれば、このような自然の働き、無作無心こそが美しい人間性を現すものである。といったところでしょうか。

最近のお茶席では、季節感を大切にいたします。
春先に掛けられていれば、春を予感させてくれるでしょうし、今頃の季節でしたら、爽やかな風を感じます。夏には涼しさを、秋にはこれからの来るでろう冬を思い身が引き締まってくるかも知れません。そして、冬には、巌に立つ一本の孤高の松が北風に耐えながら立ている様など、それぞれが感じてみれば面白いのではないでしょうか。

お茶席の禅語は、拝見した人が感じることが大切だと思います。
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