自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

アニマとアニムス・・・つまり男と女

2006-07-10 17:57:39 | 神話
先週末はホリスティック心理分析コースの「男の中のアニマ・女の中のアニムス」講座でした。

アニマというのは女性性のこと
アニムスは男性性のこと。

男と女のテーマは、とってもおもしろい。
毎回とてもユニークな体験をします。

アニマアニムスの講義は、複雑で難しいので、ここでは止めておきます。
知識よりも、物語を紹介しながら、男と女の普遍的な側面を見ていきましょう。

おとぎ話のクラスでも紹介するんですけれども、ギリシャ神話の「キューピッドとプシケ」は、この男と女に関する(特に女性にとっては)とっても興味深いお話です。


ある国の王様に、美しい娘が3人いました。
3人とも美しいけれども、末娘のプシケが、そのあまりの美しさに、国中の民がお城まで見に来るほど美しかった。

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物語ってどうして3人の息子や娘が登場するんでしょうね。そして、その中のだいたい末っ子が主人公になります。
今回は美の女神をしのぐほどの美しさですが、男の場合は、「おばかな愚か者」が多いですよね。
ところが、その愚かでおばかさんが、最後は幸せものになるのです。

これは、それまでの価値観がもう役に立たなくなっていることの象徴です。
ですから愚かもののおばかさんは、新しい価値観をもたらす救世主なんですよね。
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さて物語りは・・・・

海の女神(美の女神でもある)アフロデティが、ついに嫉妬して息子のキューピッドに命じて、怪物と恋に落ちるよう矢を打たせることにしてしまうのです。
男って「お母さん」には逆らえませんからね。

ギリシャ神話の神々は、人間の性格傾向を極端に強調した存在として登場します。
人間よりも、人間らしい。
しかし、神様なのに「嫉妬」です・・・・・。そういえば、アフロデティの父ゼウスの、最後の妻ヘラも、嫉妬に関しては相当なものでした。
もっとも、美しい女性とすぐに関係を持ってしまうゼウスもゼウスですが。なんせ、ヘラの目をごまかすためにウシに変身してまで浮気を決行するんですから、たいしたもんです。

このアフロデティの嫉妬のお陰で、プシケの父は神託でプシケが怪物と結婚することになる、と告げられてしまいます。あれほどプシケの美しさに有頂天だった国中がまるで喪にふくすように暗くなってしまいます。

ついに、キューピッドが矢を放ちます。
ところが矢をうとうとすると、キューピッドはプシケのあまりの美しさに驚き、自分の指を矢で傷つけてしまいます。
キューピッド自身がプシケに恋に落ちてしまうのです。
男って愚かですよね。

プシケはそれと知らず、ついに怪物との結婚に城を出ます。
覚悟を決めたプシケは、西風に身を任せ、運ばれていきます。たどり着いた宮殿は、美しく、荘厳なたたずまいです。プシケは驚き、恐怖も消えて喜びにあふれます。おまけに「怪物」の夫は姿を見せません。

夫は、毎晩、夜寝静まってから、プシケの背後に夫はやってきます。
「決して姿を見ようとしてはいけない」と念を押して、また朝には姿を消すのです。

これってどうなんでしょうねぇ。
「亭主元気で留守がいい」の原点なんでしょうか。
プシケは特に寂しさも感じずに、夫のいない昼間を快適に暮らすのです。

夫が怪物であっても、実際にはやさしいし、生活は快適で何一つ不自由なことはありませんでした。

ところが、心配した姉たちが、プシケの意外な優雅な生活をねたみ、プシケをそそのかして、夫を殺させようとします。

プシケは夜中、姉たちに渡されたランプとナイフを握り締め、準備をします。
夫の寝息が聞こえ始めるとそっと起きだし、ランプをかざします。
するとそこには、怪物ではなく美しいキューピッド様がいるではありませんか。
キューピッド様は美しいんですよ。
エロスとも呼ばれているほどですから、その魅力はもしかしたら女性以上なのかもしれません。

ランプの油が滴り落ち、キューピッドは目を覚ましてしまいます。
そして、約束を破ったプシケに怒り、ついにはプシケを置き去りにして出て行ってしまうのです。
男はおこると、どこへ行くか知っていますか?
そう、お母さんのもとへ・・・・部屋に閉じこもって出てこないのです。
目に浮かびます、キューピッドが部屋にこもってふてくされている様子が。


プシケは、絶望して川に身を投げます。
しかし、パーン神がプシケを助け、死ぬことができません。
「キューピッド様を愛し続けなさい」とパーン神に諭されるのです。


うーん、長くなってしまった。
続きはまた今度。
ここから、プシケの自立の物語が始まります。
お楽しみに。

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