自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

座席からはみ出してるよ!

2014-02-15 05:53:33 | ひとり言
雪の為、約30分遅れで新大阪に到着しました。


なんと、大阪はもう雪は降っていない。


その代わり寒さが厳しかった。


新幹線の中でのこと。


品川で乗車して自分の座席を認識した途端、「あーっ」と心の中でため息が。



体が大きい男性が隣の席なのでした。


おまけに、どういうわけか、コートを着たままで、さらに膨らんでいる。


通路側のボクの席は、一応肘置きで仕切られているのだけれどそこから完全にはみ出している。


その肘は、どう見てもそれ以上しまい込む余地がなさそう。


「お願いです、もう少し腕を自分の体の方へしまいこんでもらえませんかねぇ。私は、これから少し遅めの弁当を食べたいのですが、あなたの肘が邪魔をして、座席の真ん中に座ることができないのです。必然的に、ボクは端っこに座って、とても窮屈な状態で弁当を食べなければならないのです。どうかお願いです。」


などと、心の中で思いながら、弁当の包みを開けて食べ始めると


ンゴーッ、ングーッ



ものすごい鼻息とともに、醸し出される響き、いやイビキ。



「お願いです。ボクのお弁当にあなたの鼻息がかかるのです。できればしばらくの間、息を止めておいて欲しいのです」


と、心の中で訴えながら、少し体を斜めにして弁当に息がかからないように体でガードするのです。


ようやく食べ終わる頃、相変わらずいびきを繰り返して寝ているその男性の足が、境界線を超えてボクの領域に侵入してくるのです。


ボクは、もはや自分の座席の半分しか使えない状況になってしまいました。


「車掌さん、この座席指定の料金を半分だけ返してもらえますか。いや、3分の1でもいいです。なぜって、ほら見てください、こんな状況になっているのです。そして、この男性から割増料金をもらってもらえればいいと思うのです。」


何度か通りすぎる車掌さんに心の中で訴えながら、ボクは本を読み続けます。



「そうか、これは集中力テストに違いない。このことに煩わされることなく、ひとつのことに一心に向き合う訓練だ。そうだ、こんな時こそ呼吸法だ。」


そして、ボクも男性に負けないほどの勢いで、鼻呼吸を始めたのです。


どういうわけだか、男性のいびきの呼吸とリズムが合ってしまう。


その可笑しさに、思わずニンマリとしてしまう。


なんだかんだ言いながら、列車は遅れながらも、結構楽しんだ3時間だったのです。












最新の画像もっと見る

コメントを投稿