世界中のどんな地図にも記されていない「道」
「冬の間だけ、忽然と姿を現す道があります。
しかしそれは、世界中のどんな地図にも記されていません。
なぜならそれは、幻のように現れては消えるからです。
その名を「氷の回廊」と言います。
それはまるで、時空間を越えた、とても不思議な存在なのです。」
インドの最北、チベット自治区に近いヒマラヤの村「リンシェ村」に何度も訪れた、庄司康治という写真家がいます。
彼は、この村に魅せられ、何度も足を運び、何年もかけて写真を撮り続けています。
この様子を、「NHKスペシャル 氷の回廊」という番組で紹介されたそうですから、知っている方も多いでしょうね。
その番組のベースになった『氷の回廊 ヒマラヤの星降る村の物語』という、本に詳しくまとめられています。
「リンシェ村の冬は、長く厳しく、冬の間、周囲の峠を氷雪に覆われた村は、外界と隔絶された陸の孤島となってしまいます。この冬の間、リンシェ村と外界とを結ぶ唯一の道が、結氷したザンスカール川の上をたどる「氷の回廊」なのです。」
人口2万人の「レー」という町まで、何日もかけて徒歩で歩いていくのです。
夏の間に作ったヤクの乳で作ったチーズを運び、わずかな衣料や生活用品を手に入れるために・・・
完全に凍っていないところも点在し、時には裸足で歩き、時には大きく回り道をして山に入る。
気が遠くなるような道のりです。
この話に登場するタムチョス少年は、12歳になった冬に、父親に連れられてこの回廊を歩きます。
一種の「通過儀礼」にあたる厳しい試練です。
ボクたち住んでいるこの国には、今や「大人へのシフトのための通過儀礼」が何もありません。
気づいたら年齢だけ、あるいは法律的に「大人」にされてしまうだけで、何の自覚もないままなのです。
だからといって、リンシェの人々のような過酷なことを要求されても無理なことは間違いありません。
ボクは、この時代に生まれて、今の時代を生きて、この仕事をしながら思うんです。
社会という不安定な現実に対する「信念」を持つことや、安心できない人間関係に対する「信頼」、心から注ぐ「愛情」そして、何よりも自分の人生に対する「好奇心」
時代を超えて、地域を越えて、人間に与えられた現実がそのまま「通過儀礼」なんだということを。
子ども達に、この地球をどのようにバトンしていくのか。
いつもボク自身に突きつけられている質問です。
「冬の間だけ、忽然と姿を現す道があります。
しかしそれは、世界中のどんな地図にも記されていません。
なぜならそれは、幻のように現れては消えるからです。
その名を「氷の回廊」と言います。
それはまるで、時空間を越えた、とても不思議な存在なのです。」
インドの最北、チベット自治区に近いヒマラヤの村「リンシェ村」に何度も訪れた、庄司康治という写真家がいます。
彼は、この村に魅せられ、何度も足を運び、何年もかけて写真を撮り続けています。
この様子を、「NHKスペシャル 氷の回廊」という番組で紹介されたそうですから、知っている方も多いでしょうね。
その番組のベースになった『氷の回廊 ヒマラヤの星降る村の物語』という、本に詳しくまとめられています。
「リンシェ村の冬は、長く厳しく、冬の間、周囲の峠を氷雪に覆われた村は、外界と隔絶された陸の孤島となってしまいます。この冬の間、リンシェ村と外界とを結ぶ唯一の道が、結氷したザンスカール川の上をたどる「氷の回廊」なのです。」
人口2万人の「レー」という町まで、何日もかけて徒歩で歩いていくのです。
夏の間に作ったヤクの乳で作ったチーズを運び、わずかな衣料や生活用品を手に入れるために・・・
完全に凍っていないところも点在し、時には裸足で歩き、時には大きく回り道をして山に入る。
気が遠くなるような道のりです。
この話に登場するタムチョス少年は、12歳になった冬に、父親に連れられてこの回廊を歩きます。
一種の「通過儀礼」にあたる厳しい試練です。
ボクたち住んでいるこの国には、今や「大人へのシフトのための通過儀礼」が何もありません。
気づいたら年齢だけ、あるいは法律的に「大人」にされてしまうだけで、何の自覚もないままなのです。
だからといって、リンシェの人々のような過酷なことを要求されても無理なことは間違いありません。
ボクは、この時代に生まれて、今の時代を生きて、この仕事をしながら思うんです。
社会という不安定な現実に対する「信念」を持つことや、安心できない人間関係に対する「信頼」、心から注ぐ「愛情」そして、何よりも自分の人生に対する「好奇心」
時代を超えて、地域を越えて、人間に与えられた現実がそのまま「通過儀礼」なんだということを。
子ども達に、この地球をどのようにバトンしていくのか。
いつもボク自身に突きつけられている質問です。
数年前のことですが…
「翼の王国」に、家族の、その後の物語を、掲載させていただきました。
リンシェ村の家族たちには、その後、大きな出来事がたくさんありました。
加筆したバージョンと、新たな、テレビ企画を準備していますが…少々先になると思います(2008年内にはないと思いますが…)
リンシェ村の物語より先に、現在執筆中のネパールでのストーリーと、西モンゴルのテレビ企画の方が、先になるかもしれません
長いこと、ベースとして暮らしていた、ネパールは、懐かしいです!
Unknownさん、カンチガイ・・・ボクもしょっちゅうです。
お気になさらずに。
それよりも、こんなふうに、「人がつながる」
タムチョス君本人が知らない世界で、タムチョス君のことを知っている人たちがつながるんです。
素敵ですよね。
ボクも何か情報が得られたらご報告します。
新しいご縁に感謝!
彼は今、どうしているのでしょう。元気にエンジニアの勉強をできているといいなと思います。
何度か行かれてるとの事ですが、もしまた行く機会があれば、ぜひ続報を聞かせて欲しいです!
彼の純真さに、心打たれます。
大事なものを見失ってしまったなぁ・・・。
彼の目の輝きを、もう一度自分の中に探し出さなきゃって気持ちでイッパイです。
さて、この本の中にでてくる少年「タムチョス」の顔に魅せられたのはもう何年も前。
車も見たことのがないのに、将来の夢が「エンジニア」と笑顔で力強くこたえる彼に、本を読むたびにはっとさせられます。