自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

あなたのことが少しわかる気がします

2013-03-28 07:08:40 | ひとり言
桜が満開です。


狂ったように咲き、狂ったように散る。


ずいぶん昔、たぶん学生のころに、観た映画のワンシーンが忘れられない。


山の中の満開の桜のなか、岩下志麻がいる。


それ以外は何も覚えていないのだけれども、その圧倒的な桜の美しさが今でもボクの頭の中に残っている。


題名も、ストーリーも全く覚えてはいないのだけれども、その桜だけはよく覚えている。


「どの街の、どこの桜がお好きですか?」


ついこないだまで、TVのCMで流れていた。


「その答えを聞けば、あなたの事が少しわかる気がします。」


うまいことを言うなぁ、と思いつつ、いつの日か読んだ谷川俊太郎の詩にそんなのがあったような気がしていた。


今朝の日経の「春秋」にあった。


そうそう、「あなたはそこに」と言うタイトルの詩。


 あなたはそこにいた 退屈そうに

 中略
 
 あなたの名前を知り あなたの仕事を知り
 やがてふろふき大根が好きなことを知り
 二次方程式が解けないことを知り
 私はあなたに恋をし あなたはそれを笑いとばし
 いっしょにカラオケを歌いにいき
 そうして私たちは友だちになった

 後略


人を知ることで、心の距離が近くなっていく。


ただ近づき過ぎてしまうと、自分がいなくなってしまう事がある。


自分を置き去りにして、その人と同化してしまうことで、気づいてみると自分を見失ってしまう。


「あなたはそこに」をそのまま自分に置き換えてみる。


まだまだ「自分を知らない」自分がそこにいる。


週が明ければ4月。


また、ボクのクラスが始まる。


新しい受講生を目の前に、ボクはまた「自分探し」をしていく。


もうかれこれ30年近くやってきて、まだ「知らない自分」がいるなんて。


でも、古代ギリシャの賢人タレスは


「人生で最も困難なことは、自らを知る事」と言った。


好きな桜を知っても、方程式が解けないことを知っても、きっとまだまだ「あなたのこと」も「自分のこと」も、知りえない神秘が残されている。


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