全米トップクラスの自動車Webメディア「Autoblog」の日本版に「三菱自動車、アメリカにある唯一の工場閉鎖へ 売却先見つからず」(投稿日: 2016年01月13日 )という記事ありまして、「三菱自動車は、米国イリノイ州ノーマルにある工場を今年後半にも閉鎖する可能性が非常に高いようだ。」と伝えています。
つまり、三菱自動車はアメリカの工場を閉鎖して、アメリカ生産から撤退するかもというものです。
日本のトヨタや日産、ホンダなどの自動車メーカーにとっての儲けがしらは、言うまでもなく北米マーケットになります。
しかし、今後カルフォルニアのZEV法に対応するのも大変です。(スバルはCO2を買っている?)
(この辺りは又別途)
三菱自動車は色々と考えての結果でしょうが、残念です。
ヨーロツパのマーケットは、一言で言うと「保守的マーケット」であり、日本車のシェアは中々増えず当然台数も出ず、利益的も難しいです。
シェア上位10社は殆ど不変です。
VW、PSA、フォード、ルノー、GM、FIAT、Audi
BMW、ダイムラー、トヨタ・・・
日本勢では、トヨタがやっと入るくらいです。
あのトヨタでさえ、シェアが中々取れないのです。
勿論「保守的」という一言だけでなく、「仲間に認められないといけない」マーケットであるとも言えると思います。
つまり、ヨーロツパの自動車ユーザーに「あいつはこう言う奴でいい奴だ」と「個性」を認めてもらわないと、ユーザーの気持ちの中に「存在しない」のではないかと思うのです。
そういう、意味では「商品が良ければ(Value for Money)売れる」北米マーケットとは大きく異なります。
北米マーケットは誰が作っていようが、良い物は良いと認めてくれます。
だから、戦後復興でとにかく急に伸びたい伸ばしたいという日本のメーカーの多くは、北米マーケットで頑張ったのです。
結果、北米マーケットでの日本車の存在感は大きいです。
ベストテンに入るどころか、マーケットの中心を担っている日本メーカー。
日本車メーカーはベストテンに入らない、ヨーロツパのマーケット。
ここ10年チョットで販売台数が急増しているのは、言うまでもなくBRICS(Brazil, Russia, India, China and South Africa.)の中の中国です。
しかし、日本車メーカーの本社は日本にありそこの収益でいうと、確かに中国での販売台数増は収益に大きく寄与しているでしょうが、その多くはロイヤリティのはずです。つまり、自動車を売っての直接的な収益は、中国にある日本の自動車メーカーと現地メーカーとの50対50出資の合弁会社のものです。
中国政府からかは定かではありませんが、合弁企業での現地開発生産は開始され、実際、現在ではそういう車種も増えました。
戦後の日本が自動車のノックダウン生産から、自国メーカーで開発生産出来るようになったのも、勿論日本の自動車メーカーや業界上げての頑張りが大きいですが、政策によったところもあると思います。中国も政策で自国開発生産を目指すとしたら、まっとうな事です。
しかし、そうなると日本の自動車メーカーは実質徐々に中国から引き上げる事になるのではないでしょうか?
つまり、この先いつまでかはわからないが、中国マーケットにそうそう収益は頼れないということです。
BRICS(Brazil, Russia, India, China and South Africa.)の中で期待できるのは、人口も多く資本主義のインドです。
ただ、インドはまだ何と言ってもクルマを買えるユーザー層が増えてきたとは言えまだまだ少なく、かつガソリン代が所得からみるとまだまだ高く、本格普及には時間がまだかかるように思います。また、今後普及するクルマは先進国のクルマとは異なるかもしれません(意味深ですが、ここはまた別の機会にゆっくりと考察します)。
ブラジルやアジア諸国は、マーケットの不安定さやマーケットのマジョリティが要望するクルマはまだまだ低価格のクルマです。
ロシアは言うまでもなく、政情的に厳しいところがあります。
日本のマーケットは、どのメーカーもそんなに収益性は良くないと思います。
まず、北米マーケットでの競争力を考え、クルマの価値と価格を設定します。
それを、そのまま日本に持ってくると日本での売価は北米より販売台数が少ないことなどの原因でコストが高くなるなどして、そのままでは割安になってしまいます。
だからといって、高くするとアメリカの「ダンピング法」!!!
仕様を北米と日本で変えて、日本車を高級化して?ダンピングに触れない範囲で売価を上げようとしますが、
これには限度があり、結果日本の収益はあまり良くないという事になるのです。
(この辺りのメカニズムも今度詳しく書きたいと思います。)
こうやって、日本の自動車メーカーがどこで収益を上げるか? どこで持続的成長が見込めるか? と考えると北米マーケットしか無いように私は思います。
ここで、やっと本題の「三菱自動車は、米国イリノイ州ノーマルにある工場を今年後半にも閉鎖する可能性が非常に高いようだ。」に戻りますと、本当に三菱自動車が北米生産を断つと言う事になるなら、日本からのCBU(Complete Build Up)だけになり、そうなると為替リスクもありまた日本の自動車メーカーが現地生産化してきた経緯を考えると、「北米マーケットから撤退」に近いものになると思うのです。
つまり、極端な話かもしれませんが「三菱自動車はホソボソと生きていく事を選択」したのかな? と思わざるを得ないのです。
タイやフィリピンの工場は良いと思いますが、ここを中心にがんばるのでしょうか?
確か、ロシアに工場があります。ここから撤退出来ないのは、三菱自動車だけでは判断できない事があるのかもしれませんが、普通は先がよくわからないロシアの工場を閉鎖する方が先だと思うのですが・・・。
こういうふうに考えてくると、三菱自動車はあたかも「籠城」を決め込んだように見えます。
それとも、一旦引いて体力・実力をつけて、再度時期を見て、打って出る戦略でしょうか?
それなら良いのですが・・・。
私には本当のところは勿論わかりませんが、いずれにしても、三菱自動車は独自の道を歩き始めたように思います。
まぁ、三菱グループは大きい訳ですから、そのグループ内だけでもある程度喰っていけるメドがあるのかもしれません? (笑)
つまり、三菱自動車はアメリカの工場を閉鎖して、アメリカ生産から撤退するかもというものです。
日本のトヨタや日産、ホンダなどの自動車メーカーにとっての儲けがしらは、言うまでもなく北米マーケットになります。
しかし、今後カルフォルニアのZEV法に対応するのも大変です。(スバルはCO2を買っている?)
(この辺りは又別途)
三菱自動車は色々と考えての結果でしょうが、残念です。
ヨーロツパのマーケットは、一言で言うと「保守的マーケット」であり、日本車のシェアは中々増えず当然台数も出ず、利益的も難しいです。
シェア上位10社は殆ど不変です。
VW、PSA、フォード、ルノー、GM、FIAT、Audi
BMW、ダイムラー、トヨタ・・・
日本勢では、トヨタがやっと入るくらいです。
あのトヨタでさえ、シェアが中々取れないのです。
勿論「保守的」という一言だけでなく、「仲間に認められないといけない」マーケットであるとも言えると思います。
つまり、ヨーロツパの自動車ユーザーに「あいつはこう言う奴でいい奴だ」と「個性」を認めてもらわないと、ユーザーの気持ちの中に「存在しない」のではないかと思うのです。
そういう、意味では「商品が良ければ(Value for Money)売れる」北米マーケットとは大きく異なります。
北米マーケットは誰が作っていようが、良い物は良いと認めてくれます。
だから、戦後復興でとにかく急に伸びたい伸ばしたいという日本のメーカーの多くは、北米マーケットで頑張ったのです。
結果、北米マーケットでの日本車の存在感は大きいです。
ベストテンに入るどころか、マーケットの中心を担っている日本メーカー。
日本車メーカーはベストテンに入らない、ヨーロツパのマーケット。
ここ10年チョットで販売台数が急増しているのは、言うまでもなくBRICS(Brazil, Russia, India, China and South Africa.)の中の中国です。
しかし、日本車メーカーの本社は日本にありそこの収益でいうと、確かに中国での販売台数増は収益に大きく寄与しているでしょうが、その多くはロイヤリティのはずです。つまり、自動車を売っての直接的な収益は、中国にある日本の自動車メーカーと現地メーカーとの50対50出資の合弁会社のものです。
中国政府からかは定かではありませんが、合弁企業での現地開発生産は開始され、実際、現在ではそういう車種も増えました。
戦後の日本が自動車のノックダウン生産から、自国メーカーで開発生産出来るようになったのも、勿論日本の自動車メーカーや業界上げての頑張りが大きいですが、政策によったところもあると思います。中国も政策で自国開発生産を目指すとしたら、まっとうな事です。
しかし、そうなると日本の自動車メーカーは実質徐々に中国から引き上げる事になるのではないでしょうか?
つまり、この先いつまでかはわからないが、中国マーケットにそうそう収益は頼れないということです。
BRICS(Brazil, Russia, India, China and South Africa.)の中で期待できるのは、人口も多く資本主義のインドです。
ただ、インドはまだ何と言ってもクルマを買えるユーザー層が増えてきたとは言えまだまだ少なく、かつガソリン代が所得からみるとまだまだ高く、本格普及には時間がまだかかるように思います。また、今後普及するクルマは先進国のクルマとは異なるかもしれません(意味深ですが、ここはまた別の機会にゆっくりと考察します)。
ブラジルやアジア諸国は、マーケットの不安定さやマーケットのマジョリティが要望するクルマはまだまだ低価格のクルマです。
ロシアは言うまでもなく、政情的に厳しいところがあります。
日本のマーケットは、どのメーカーもそんなに収益性は良くないと思います。
まず、北米マーケットでの競争力を考え、クルマの価値と価格を設定します。
それを、そのまま日本に持ってくると日本での売価は北米より販売台数が少ないことなどの原因でコストが高くなるなどして、そのままでは割安になってしまいます。
だからといって、高くするとアメリカの「ダンピング法」!!!
仕様を北米と日本で変えて、日本車を高級化して?ダンピングに触れない範囲で売価を上げようとしますが、
これには限度があり、結果日本の収益はあまり良くないという事になるのです。
(この辺りのメカニズムも今度詳しく書きたいと思います。)
こうやって、日本の自動車メーカーがどこで収益を上げるか? どこで持続的成長が見込めるか? と考えると北米マーケットしか無いように私は思います。
ここで、やっと本題の「三菱自動車は、米国イリノイ州ノーマルにある工場を今年後半にも閉鎖する可能性が非常に高いようだ。」に戻りますと、本当に三菱自動車が北米生産を断つと言う事になるなら、日本からのCBU(Complete Build Up)だけになり、そうなると為替リスクもありまた日本の自動車メーカーが現地生産化してきた経緯を考えると、「北米マーケットから撤退」に近いものになると思うのです。
つまり、極端な話かもしれませんが「三菱自動車はホソボソと生きていく事を選択」したのかな? と思わざるを得ないのです。
タイやフィリピンの工場は良いと思いますが、ここを中心にがんばるのでしょうか?
確か、ロシアに工場があります。ここから撤退出来ないのは、三菱自動車だけでは判断できない事があるのかもしれませんが、普通は先がよくわからないロシアの工場を閉鎖する方が先だと思うのですが・・・。
こういうふうに考えてくると、三菱自動車はあたかも「籠城」を決め込んだように見えます。
それとも、一旦引いて体力・実力をつけて、再度時期を見て、打って出る戦略でしょうか?
それなら良いのですが・・・。
私には本当のところは勿論わかりませんが、いずれにしても、三菱自動車は独自の道を歩き始めたように思います。
まぁ、三菱グループは大きい訳ですから、そのグループ内だけでもある程度喰っていけるメドがあるのかもしれません? (笑)
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