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シェル風日記

何気ない日々、風のたよりのメモ的日記

野上ふさ子さん、ありがとうございました。

2012-12-24 | 行事・折にふれ

地球生物会議ALIVE代表の野上ふさ子さんが10月10日に永眠されました。

動物を愛する人なら、皆ご存じだと思いますが、

地球上のあらゆる動物たちの環境改善のために一生を捧げられた方で、

まだまだ、ご活躍が望まれたのに、大切な方だったのに・・・

本当に、本当に…残念です。

心よりご冥福をお祈りいたします。

☆野上さんを知るきっかけになった「実験犬シロの願い

☆以前、ここでもお勧めの犬の本(2007・6・8)紹介しましたが、

野上さんが紹介文を書かれてる「この子達を救いたい

☆野上さんの遺作になりましたが、最新の本「いのちに共感する生き方:人も自然も

以上、三冊を紹介しておきたいと思います。

 

実験犬シロの願い』

紹介文 転載

それは、クリスマス・イブの夜のこと。
1匹の白い犬が星になりました……。
その犬の名は、シロ。

1年前、ある病院の実験犬として脊髄を削られ、手当もされずに、
死を待つばかりだったところを保護された犬でした。

テレビや新聞に、そのことが大きく取り上げられると、
日本中からシロへの励ましと、
病院への抗議が殺到したのです……。

これは、捨てられ、実験される犬たちと、
そうした不幸な犬たちを救い続ける人々の実話です。
 
 
この子達を救いたい
 
  
 
『この子達を救いたい』井千恵さんの本に寄せて~野上ふさ子さんの言葉。
 本に寄せて 転載
 
私たちはふつう漠然とした言葉としてしか「動物実験」について知りません。
それは医学や科学の研究のために役立っているのだろうという程度の知識であり、
新聞やテレビで報道される断片的なニュースが情報源となっています。

実験室という密室の中で何が行われているのか、ほとんどの人には知られていないのです。
だからこそ、一度、その一端が明るみに出されたとき、
動物達の苦しみと犠牲について知ったとき、私たちは大きな衝撃を受けるのです。

皆さんと同じように、私も初めて実験される動物たちの姿を見たときのいい知れぬショックは、
今でも決して忘れることはできません。
しかし、活動を始めた1996年当時は、動物実験の悲惨さを訴える写真の多くが海外のもので
「日本ではこんなことは行われていないのではないか」とよく人から言われました。
そこで、これは決して遠い余所の国の出来事ではなく、
日々私たち自身の足元を浸している現実なのだという事を知らねばならないと、痛感しました。
それ以降、私たちはできる限りの資料や文献を集め、現場に赴いて取材をし、
その証拠を映像にとり、事実の裏付けに基づいて
研究機関や行政等と交渉することを活動の基本としています。

現代社会はあまりに複雑になり、さまざまな事柄において
そのオリジナルの姿が見失われてきています。
動物実験のパネル展に若い世代の人々が大きなショックを受けるのは、
それが日頃オブラートに包まれて隠されている現実を、
いきなり有りのままに見せつけるからでしょう。

ハンバーグやソーセージが肉で作られていることを知らない若い世代は、
ぜひ畜産や場、加工場の現場を見学してほしいと思います。
知っていて食べることと、知らないで食べることには大きな違いがあります。
知った人は、少なくとも、「別の方法」はないかと考えることができるからです。
オリジナルこそ物事の原点であり、それに触れることのない人生は空虚なものです。

勇気を持って事実を知ること―それが意識の変革の第一歩だと思います。
とはいえ、「事実を知るのは怖い」という方々も多いのです。
怖くて会報のページもめくれないという方もおられます。確かにその気持ちもよくわかります。
心を重くする現実から目を背けていたいのは、誰しも同じです。
ですから、私たちはいつもいつも現実を直視してほしいと言っているわけではありません。
一度でいいのです。一度、本当に知った人は、それからの生き方や考え方が変わります。

動物実験の問題は、「かわいそう」と言うだけに止まらず、動物実験がもたらす医療の間化、
人間自身の実験動物化=モノ化の問題や、薬物依存中毒症の現代医学、
動物実験を免罪符にして拡散する化学物質汚染、
ひいては生命の危機の問題とも深く結びついていることを知っていただきたいと思っています。

苦しむ動物の姿は私たちの人間の姿なのです。そのような全体像が理解されるようになれば、
動物実験の廃止運動は多くの支持を得られるようになると信じます。

人の世の中には、受け入れがたい不運や不幸があり、数え切れない苦しみや涙があります。
多くの場合それから逃れる術はありません。けれども唯一の救いは、
私たち人間にはそれを言葉や表現で訴える術を持っているという点です。

実験室の動物たちには、自らの痛みや苦しみを訴える術がありません。
毎日、毎時間、おびただしい苦悩が巨大な闇の中で吸い込まれていくのです。

私たちは、人から人へ伝える言葉を持っています。その人間だけが持つ力を使いましょう。
自分で自分を守ることのできない、声のない動物たちのために、私たちができることは、
人に与えられたその希有の力を使うことです。

井さんはまさにその力をふるって、パネル展を開催し、またこの本を通じて、
多くの方々に闇の中の動物たちの叫びを届けてくださいました。

動物実験の削減と廃止に向けての活動の中でも、もっとも大切な部分は
ライフスタイルと医療に対する意識変革であると思われます。

「動物を犠牲にし、自然を破壊し、環境を限りなく汚染していく現代の社会はこれでいいのだろうか?」
「動物実験などに依存しない医療はないのだろうか?
病気になったときにどんな医療を選択できるのか?そして病気を避ける方法は?」

動物実験について考えることは、ひいてはこのような問題に目覚めることでもあります。
井さんは、これまで草の根でこのようなもっとも大切なお仕事に携わってこられました。
これからもますますこの道を豊かにしていって下さることを、心から願っています。
地球生物会議ALIVE代表 野上ふさ子
 
 
いのちに共感する生き方:人も自然も

紹介文 転載

動物・野生生物の福祉と保護、動物実験の問題に生涯をささげた
野上ふさ子氏の思想と人生、の軌跡。
死の直前まで筆を取った自伝。先入観をとっぱらうほどの面白さ。
おどろきと感動にあふれた、真に美しい生き方の見本がここにある。

私は、人間の行動の原点には、共感というものがあると考える。
共感こそ、人間を人間足らしめる最も大きな本質的な能力のひとつである。
・・・自分という小さな枠を超えて、自分を越えるより大きなものに
共感していく、これが人間の知性や理性の源泉でもある。
・・・少なくとも私は、どんな小さなことでも闘おうとしてきた。
もし、自分が行うことが、正しいものであると信ずることができれば、
この世の中に怖いものはなにひとつない。
動物ではない人間であるからこそ、動物のために動物のことを理解し、
動物に共感し、動物の苦しみを救いたいと考えることができる。
自然は私の一部であり、自然破壊は私の一部分の破壊である。
・・・自然に共感するからこそ、山の木が切られたりダムで埋め立て
られたり、干潟が潰されたりしていくことが耐えられないからこそ、
自然保護運動を行っている。
すべて、共感というものの上に成り立っている。
共感は、人間の社会活動の源泉であるということが言える。
(本文より)

☆この『実験犬シロ』のお話は、できれば世の中のすべての人に見ていただきたいです。

実験犬シロのねがい―動物実験の無益さを社会に問いかけた犬の物語。YouTube

http://www.youtube.com/watch?v=xugmj2zs0uc


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