ぷらすわんの子供たち ~ホワイトスイスシェパードと暮らす~

ホワイトスイスシェパードのヴァルターを中心に日常や競技会などを綴った雑記帳。

近頃は

2006年04月24日 | 今夜の一冊
読む本のペースがめっきり落ちた。
忙しいから当たり前だろうけど。


このところ怪奇小説が続いていたので
気持ち新たにと思い「遺骸」を読んでみた。
(どこが新たにじゃ!のっけから不気味やん)

ピーター・クレメント作のメディカル・サスペンス。
この方の作品は初めて読むのだけれど
長年ER部長を務め、現役医者で作家というのが
面白そうだなとそそられた。

実は以前に現役の医者が著者の「破裂」という本を
読んだのだけど、読んだあとしばらくは
医者が信用できなかった上に今でも救急で
研修医だけはごめんだというほど
リアルで強烈な印象を与えてくれた。
今回はそれにプラスしてミステリーなのがいい。

ミステリー作品で残虐な場面や描写があれば
それは確かに恐いけれど、所詮空想の世界と
どこか安心してしまう。
けれど臨床経験な医者が書く医療の実態の恐さは
それとは違う形で芯からぞっとする。

「遺骸」は27年前に失踪した医学生の死体が
発見されたところから始まるが、
この本の面白いところはただ犯人を捜すのではなく
被害者を含めまわりを囲む人物が医療現場の者たちで
その世界のおどろおどろしさを思う存分堪能できる
ところじゃないだろうか。