ネットから個人情報消せぬまま戸籍が消える日の無念かな(椎名夕声。短歌人2012年10月号)
9月下旬に「短歌人10月号」に掲載された僕の短歌だ。歌稿締切は8月12日だった。その時点で、実はネットから個人情報を消せてなかった。
5年以上昔にネットに載せてしまった自己に責任はあるのだが、5年もたって検索結果の上位に表示されるとは思っていなかった。古い書き込みは下位に表示されるものと思い込んでいた。そもそも個人情報などネットに載せるべきではないと、考え方も変わった。耐え難くなり、サイト管理者へ記載を削除するようお願いしたが、数か月かかっても実行してくれなかった。実生活上も不幸があり、嫌になってしまった。そのとき生まれたのが冒頭の歌だ。
8月17日になって、やっとページから記載を削除してもらった。検索結果から削除するためにはyahooとGoogleに、それぞれ「キャッシュ削除の要望」を送信して先方の作業完了を待たねばならない。(先方としては、別に義務ではないがサービスとしてやってあげる、との考え)
yahooは即処理してくれた。Googleは21日時点で「処理中」とはなっていなかったが、検索結果の表示を上位から下位に変えただけだった。しかし、3か月以上たった今となれば、さすがにGoogleロボットの自動処理により削除されていることだろう。(だろうと思って、この日記をアップするのだ)
ことの結果だけを見れば、予定調和ともいえるが、8月12日時点においては全く勝算はなかった。ちょっと、破れかぶれだった。
今に始まったことではない。ここぞというときには、無謀なことをする人間なのだ。