湖の子守唄

琵琶湖・湖北での生活、四季おりおりの
風景の移り変わり、旅先でのふれ逢いなど、
つれづれなるままに、語りたい。

療養病棟

2012年01月19日 | 詩歌・歳時記

           母の生まれ在所  

母が入院してやがて一ヶ月が経つ。 膵臓にガンが見つかったのが、昨年の10月。

二度にわたるCTの検査で、肝臓にも転移して、高齢のため、手のほどこしようがないと、

余命半年を宣告されてしまった。

            肩をもみ肩を叩きて

            病室に

            肉付きうすき母をかなしむ  

                    

                    清流の美しい邑である。

            雪嶺は

            空ととけあひ夢のごとく

            あの世この世のひかりまといぬ

       彦根城・二期咲き桜

療養病棟は一般病棟とは違い、ゆったり・のんびりしている。

すべての看護婦が天使の化身のように見える。

                      

            肩先の蒲団かすかに上下して

            母のいのちを

            知らしめるなり

むくんだ足をさすりながら、足りな過ぎた親孝行の積み上げの毎日である。

          水戸市より寄贈・冬のさくら

            長浜の町を浮かべて

            湖しずか

            雪つむ山のひそかなる声