湖の子守唄

琵琶湖・湖北での生活、四季おりおりの
風景の移り変わり、旅先でのふれ逢いなど、
つれづれなるままに、語りたい。

末期がん

2012年01月31日 | 詩歌・歳時記

母の命があと半年と宣告されてから、ひと月半経ちました。

元旦の夜明けに、看護婦が突然、あわただしく車椅子に乗せてくれたそうです。

                    

南側の窓辺に連れて行かれて、丁度グッド・タイミング!! 山の端に初日の出を

見せてくださいました。 白内障のゆえか、真珠色に輝いた、そして、生まれて初めて見る

初日の出でもありました。 母のその折の感動はいかばかりか。

一句つぶやいていました。

      わくら葉に ひとの情けの 初日の出

                   

遠縁の娘が書道の講師をしていまして、彼女に短冊への揮毫をお願いしました。

そのやさしいナースへ贈ると、母が申します。 届いた短冊に添えて、母の手作りのポーチを

感謝の気持ちをこめて、貰っていただきました。

            

          湖にふる

          雪はむなしく水となる

          孜々と重ねてひとの営み

桜の花の咲くころまで、生きていてくださるでしょうか。むくんだ足を擦るしかない私です。

          湖の果て

          雪嶺はありけぶるごとく

          ついには行けぬ国を知らしめ 

                                       魚津・ミラージュ・ランド        

          死ぬるため生きるいのちよ

          さわあれど

          湖のほとりに母の名を呼ぶ