15歳。絵を描くことに夢中だった。将来は絵描きになる、それだけを夢みていた。
屋根の甍の、濃い、薄いを表現することに幼い命を燃やしていたもんだ。
15歳。西郷輝彦を知った。「十七才のこの胸に」・・・・・その時から、人生が変転した。
絵筆を捨てて、詩歌の世界にどっぷりと浸かったのだった。
虹たちて湖北に冬は来たりけり
2月5日、西郷さんの誕生日。65歳。
西郷さんの歌の詩を書きたい!! それからは、作詞家への勉強が始まったのだ。
お金を得ると、全世界のあらゆるレコードを買っては、聞いた。
そして、関東をへめぐり歩いた。けれど、その時に私には「詩」は来なかったのだ。
雪激し生きる意欲の湧けとこそ
「二人のビートルズ」で、作詞家のデビューは、果たしたけれど、西郷さんとは、
遠い存在でしたね。 そして、西郷さんもヒット曲に恵まれない時期が長い。
なんとか俺の詩で、と思った。 思ったけれども、西郷さんは常に私の一歩先をいっていた。
伊吹嶺は凍てて巌となりにけり
今、西郷さんはご自分の環境、運命に逆らうことなく、楽しんでおられる。
数年前に、そんな心境に到達されたとか。そして、私も同じだ。
なるようにしか、ならない。すべては「LET IT BE」なのである。
湖あれて睦月の風の吹くことよ
白鳥のみずうみとなる日和かな