湖北の湖岸道路を北上する。ようやくに蕗の薹が顔を見せはじめて、俳句の季語である「春隣り」の季節到来であるが、湖からの風が最も厳しく身に堪える頃でもある。
風花や列に並んで親子丼
道の駅が4つある。一番南に「近江母の郷」。命ありし日々に母の手縫いのポーチなどを納めていたお店でもある。
北へ「びわ町産直の郷」「湖北・水鳥の里」。さらに北上、片山の短いトンネルを抜けると風景が一変する。まさしく北陸なのだ。
大老の死を偲ぶかに春のゆき
そして、木之本を過ぎ「賤ヶ岳トンネル」を抜けて西浅井に至る。
「水の駅・鴨の里」である。各種の道の駅は北へ行くほど、野菜にしても湖魚の加工品にしてもお安く新鮮である。人情にしても泣きたくなるほど細やかで濃密なのだ。
いつも「鴨そば」500円なりを注文する。鴨の肉がふたきれ、そして、
びわ湖のえびのかき揚げが浮いている。まさしく
湖の味覚と言えようか?
今日はめずらしく、「いさざ」のつくだ煮があった。ハゼに似たびわ湖の特有魚であり、私の好物である。近年とみに不漁で心配していたのだ。
すべてとは言わないが、農家や魚師のおかみさんのその家に伝わった、秘伝の製法なのである。名物の「鮒寿司」にしても、家によってその味は微妙に違う。最悪は大量生産のお土産用のものですかね。
確実に近づく春の足音が、ためらい勝ちに遅くなるのも、湖北ならではのじれったさ♪なのである。
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