湖の子守唄

琵琶湖・湖北での生活、四季おりおりの
風景の移り変わり、旅先でのふれ逢いなど、
つれづれなるままに、語りたい。

池波さんと近江

2012年10月22日 | 詩歌・歳時記

              マキノ高原

「片目猿」という、横山光輝の傑作劇画がある。当初は「ボーイズ・ライフ」という昭和40年代の

「プレイボーイ」「平凡パンチ」へは、まだ早い少年から青年向けの雑誌に、連載されたものだ。

油商人の身で美濃一国を乗っ取り、戦国大名にのし上がった斉藤道三と、陰で支えた「片目猿」と

呼ばれた凄腕の伊賀の忍者の物語りである。

          鰯雲あるがままいく老ひの道

          秋の湖まことの水のいろなりし

この1週間というもの、池波さんの忍者小説に耽溺している。

甲賀の女忍び「於蝶」を主人公にした 「蝶の戦記」「忍びの風」・・・・全五冊である。

謙信と信玄の川中島の決戦から始まり、信長の桶狭間の急襲、姉川の合戦、等々

戦国時代の大パノラマを、女忍びの眼を通して俯瞰した、一代ロマンの傑作である。

          歩みさる愛しき夢よ曼珠沙華

          ひこにゃんの登場まじか秋の風

甲賀の地は滋賀県の最南端に位置する。 取材のために何度もこの地を訪れた池波さん

である。特に「姉川の決戦」の描写において、わが知ったる土地と地名であることだ。

小谷山の浅井長政のその心中たるや、我にこそあるべし! ってなものだ。

               

歳をとって記憶力がおぼつかなくなったおかげで、この小説は三度目の再読であるが、

今もみずみずしく、面白い。 なんせ「鬼平犯科帳」などは、6、7度も読み返しているのだが、

読むべき本が見当たらなければ、今一度、手にしようと思うのだ。

 

  


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