EMI’Sーベルギー日記ー

リコーダー奏者EMIのブログ、2005.11.09開設。気ままに綴るブログです。
ただいまブリュッセルにてサバイバル中

雑記

2008年05月31日 | 日記
来週に笛の試験があります。
古楽器科には
伴奏の先生が2人いるのですが、先生達、すさまじい疲労を見せています。。。。
一人30分の持ち時間があり、最終試験の人は1時間。
プラス室内楽もあり、ほとんどの曲を2人が通奏低音しています。
音楽院、問題多し、、、、


外人、言い訳多い。

最近、みんなのレッスンを見させてもらっていますが、
学生も、伴奏の先生も、間違うと、
必ず言い訳のような事を言っている。
面白い。。。
言い訳も自分を表現する一つの手段。
そういう教育過程を通ってきたのでしょうか。。。。
この国では言い訳はマイナスでは無いのでしょうか。
私も一つくらい言い訳フレーズを覚えようかしら。。。


伴奏の先生があ、ぼくが上手に今弾けなかった、、、ごめんごめん。
とか、途中で止めるから何かと思えば、
今までこのミの音の鳴りが悪かったんだけど
急に今ミが成るから驚いたんだよ!ほらっ★とか。
知らんし、、、、、

いちいち言わなくても良いんだけど。

外人観察する事1年間、日本はやはりルールが多いんだなあと
感じます。


ところで、なんだか少し私には妙だったのですが、
今笛の学生、私も含めて全員BACHの作品を吹きます。

私は、ガンバソナタの編曲を選びました。
他の学生もリュートやバイオリン、オルガンのソナタの編曲。

みんな相当バッハが好きのようです。
何でこんなみんなバッハを選ぶの?
って聞いたら、みんなバッハが好きだよ。普通だよ。
って言っていたが、私にとっては結構妙だ。

日本の大学時代にはほとんどバッハの曲はやりませんでした。
あまりやる意味を見出せなかったのは、
リコーダーのために書いたソナタが無いからです。
まあ、この笛学生のブームに私も便乗して
ガンバの曲を吹くことにした。

後期が始まってからすぐに、リコーダー用に編曲された楽譜を手に入れ
合わせとレッスンを受け始めたのですが、
3楽章がどうにもうまくいかない。

リコーダー用に編曲されている為に、
オブリガードチェンバロの音域が相当高く、
リコーダーの音となんだかぶつかって何か違和感を感じる。
先生や伴奏の先生も同意見で、
笛の教授が編曲した別の楽譜を手に入れた。

それは、ガンバのメロディーとチェンバロの右手をそっくりそのまま入れ替えたものでした。多分試行錯誤した結果だったのだと思います。

ほう、こういうやり方もあるのか。。。
と試すと、リコーダーとチェンバロとの音域と響き方が
こちらの方が随分うまく曲としてはまる。

ただ、メロディーの入れ替えという事に練習が進むにつれ
疑問を持ち始めました。

2つの楽器はお互い主旋律を取るので、入れ替えても別に構わないという意見もあって良いと思いますが、
私の中で何か反しているような気がして、
結局この曲自体を笛で演奏する事に疑問を持ち始め、
それなら、この曲は辞めようと思いました。

試験3週間前の出来事。

教授にOKをもらったけど、2週間前に、
絵美の曲数は足りないから、1曲増やせ、でももうレッスンする時間は無いよ、、、といわれ、
もう伴奏の先生と新しい曲を合わす時間も無いやん!!!と
結局このバッハのガンバソナタを1楽章だけ追加する事にしました。


今日の合わせで伴奏の先生に、来年この曲全部3楽章までまた取り組むの?
って聞かれましたが、多分、この曲もう吹かないだろうな。

ガンバの演奏を聞いたんだけど、この曲はとてもシリアスな部分が多く、
ガンバで演奏するとその重厚な部分は自然に現れるし、
テンポも必然的に遅くなる。
笛のような高音楽器ではガンバのような深みは出ない。
テンポも少し速くする必要がある。
低い楽器で試してみると、この曲のもつスピード感が出ず、
響きは良くなるがモコモコしてしまう。
なので、笛で演奏する必要が無いように思った。と伴奏の先生と話すと、確かにね~~★と変に意気投合したりして、、、
バッハの楽器選択の意味を感じたのでした。。。。


来週試験で一緒に演奏する2人が変な会話してるなーとか思いながら、
最終練習を終えたのでした。。。。
1楽章だけ吹くって変な感じだけど、、、、まあ、いいや。

今回の試験では自分の中で色々チャレンジする事にしました。

イタリアソナタは、今まであまりディミニューションをつけるよりも
シンプルに演奏する方向を選んでいましたが、
少し自分に無い部分をチャレンジする事にした。

それから、現代曲。

猿回しというタイトルの付いた韓国人が作った中国の曲。
韓国と中国と若干日本の精神的な要素が入り組んだ曲。
詩的部分もあり、中国独特の旋律が綺麗かと思うと、
猿の感情が見え隠れするような。

自由に飛び回ったり、
ちょっと休憩したかと思うと急に叫んだり反抗して発狂したり、
少しお茶目で、気まぐれで、
でもこの猿は少し妖艶な部分も感じられるような気がしています。。。。。


うーん。我ながら変な説明である、、、、

リコーダーは、強弱をつけることが容易ではないのですが、
この曲は、1小節の中で様々に強弱が変化したり、
グリッサンドやトリルもふんだんに使われています。
それが、感情表現の手段として使われているのですが、
事細か過ぎて、実はまだ完成していません、、、

半年間、現代曲の先生とこの曲に取り組みましたが、
ほとんどの時間を、変え指探しに費やしたように思います。
リコーダーって、大変な楽器だなーとつくづく思いました。

果たして、、、その曲、自分の思い描くものを
人に少しでも伝える事ができるのか、まだわかりませんが、
アジア人としてアジアのメロディーを吹く事が
少し誇りにおもったり、、、
喜んでこの曲を演奏できるといいなあ。