先日、学校にリコーダー制作家斉藤氏を呼んで、リコーダーブロック作りの、マスタークラスが行われました。
朝の9時からはじまり18時までみっちりひたすらブロック作り。
ブロックとは、リコーダーの吹き口にはめられているブロック状の木片の事です。この部分と笛との隙間に息がはいり、音がなる仕組みになっていて、音の決め手の最重要ポイントがこのブロックというわけです。
長年、自分で作れるとどんなにいいだろうと思っており、メンテナンスも自分で少しは学びたいなとおもったので、先生に申し出たところ、快く承諾していただき、マスタークラスが初めて行われました。
これから恒例になるといいんだけど。。。。
私は初めから、本気でブロックを作るつもりだったので、丁寧にやりすぎて、人よりも数倍時間がかかり、
結局斉藤さんは、最後まで付き合ってくださり、夜の9時まで、実に、教室に12時間いました。。。
そして、守衛に思いっきり下校時刻過ぎてると怒られ、そのあとおいしいベルギー料理を食べて帰宅。
アムステルダム在住の斉藤さんは、11時30分ごろブリュッセルを出られたのでした。。。
おそらく、オランダには、2、3時に着いたのではないでしょうか・・。
なんと、一番恐れていた事件が勃発。一人の生徒のリコーダーが割れた。
そして、付添の先生は、横でもくもくと自分のブロック作りの作業をして、
離れて座るクラスメートは、少し半笑・・・・。
おいおい・・・・・。
そもそもこのマスタークラス開催に向けても、どれだけ大変だったか・・・・・。
みんな自分に夢中のなか、本人や斉藤さん、私があたふたする中、結局
ぱっくり割れてしまったリコーダーは、斉藤さんがメンテナンスをすることで一件落着。
作業は大幅に遅れ、みんな一通り、ブロックを作り音がなるまではいったものの、音を作る工程までの細工までは作ることができず、時間が足りなかった事がとても残念でした。
様子はこんな感じ。
大き目に作ったブロックを、
こうして、図ってやすりやカンナ、カッターナイフなどを使い削り、
笛に合うように入れていきます。
大きすぎるブロックをガンガンいれると、笛が割れてしまうというわけです。
こうした作業を繰り返し、
これは、私が作ったブロック。でも、私は超のんびり慎重に作りすぎて、
かなりの部分は斉藤さんが手伝ってくれました・・・・。
まだ綺麗に加工はしていませんが、音はなります。
割とふつうの笛の音に近づきました。
そのあと、斉藤さんが少しいじると、抵抗感はなかなか私好みの、
シャープな音の笛ができました。もちろん演奏会に使うまでには至りませんが、
こうして、制作家は試行錯誤を重ねて、美しい音がなるように秘伝のブロックを作っていくというわけなのですね。その一部分を垣間見れて、非常に有意義な一日でした。
ブロックを作った笛を斉藤さんに調整に預けたので、しばらくはこのブロックを最終的に完成することはできませんが、今、別のアルトにいれたら、なんだか入りそうなので、また図って入りそうならば、
別のアルト様に変えてみようかなとおもいます。
楽器から音がなるってあらためて、マジックだと思いました。
物理的にわかる事はあっても、まだまだ分からない事たくさんあるんですよ。
こんなに世界の化学は発達しているけれども、自然科学はまだまだ謎なのと同じように、
音楽分野も未知の世界がたくさん残されており、だから人の興味をまだまだ引き続けてしまうのでしょうね。
どうして、人ひとりひとり違うのかと同じ事。手作りの楽器の魔法は無限です。
ミクロの傾きで、音ががらりとかわってしまうんですよ。
みんな作業中、ぷーと吹いてみて、また削って、ぷーと吹いてみて、
「WAO・・・」といって、の繰り返し。
プロの人は30分くらいでブロックをはめるところまではいくらしいです。
私は丸一日かかりましたけど、道具を斉藤さんが一式用意してくださったので、これから作っていけたらとおもっています。