EMI’Sーベルギー日記ー

リコーダー奏者EMIのブログ、2005.11.09開設。気ままに綴るブログです。
ただいまブリュッセルにてサバイバル中

リコーダーブロック作り

2011年02月25日 | 日記

先日、学校にリコーダー制作家斉藤氏を呼んで、リコーダーブロック作りの、マスタークラスが行われました。

朝の9時からはじまり18時までみっちりひたすらブロック作り。
ブロックとは、リコーダーの吹き口にはめられているブロック状の木片の事です。この部分と笛との隙間に息がはいり、音がなる仕組みになっていて、音の決め手の最重要ポイントがこのブロックというわけです。
長年、自分で作れるとどんなにいいだろうと思っており、メンテナンスも自分で少しは学びたいなとおもったので、先生に申し出たところ、快く承諾していただき、マスタークラスが初めて行われました。
これから恒例になるといいんだけど。。。。




私は初めから、本気でブロックを作るつもりだったので、丁寧にやりすぎて、人よりも数倍時間がかかり、
結局斉藤さんは、最後まで付き合ってくださり、夜の9時まで、実に、教室に12時間いました。。。
そして、守衛に思いっきり下校時刻過ぎてると怒られ、そのあとおいしいベルギー料理を食べて帰宅。
アムステルダム在住の斉藤さんは、11時30分ごろブリュッセルを出られたのでした。。。
おそらく、オランダには、2、3時に着いたのではないでしょうか・・。



なんと、一番恐れていた事件が勃発。一人の生徒のリコーダーが割れた。


そして、付添の先生は、横でもくもくと自分のブロック作りの作業をして、
離れて座るクラスメートは、少し半笑・・・・。
おいおい・・・・・。

そもそもこのマスタークラス開催に向けても、どれだけ大変だったか・・・・・。
みんな自分に夢中のなか、本人や斉藤さん、私があたふたする中、結局
ぱっくり割れてしまったリコーダーは、斉藤さんがメンテナンスをすることで一件落着。

作業は大幅に遅れ、みんな一通り、ブロックを作り音がなるまではいったものの、音を作る工程までの細工までは作ることができず、時間が足りなかった事がとても残念でした。


様子はこんな感じ。


大き目に作ったブロックを、




こうして、図ってやすりやカンナ、カッターナイフなどを使い削り、
笛に合うように入れていきます。
大きすぎるブロックをガンガンいれると、笛が割れてしまうというわけです。

こうした作業を繰り返し、




これは、私が作ったブロック。でも、私は超のんびり慎重に作りすぎて、
かなりの部分は斉藤さんが手伝ってくれました・・・・。
まだ綺麗に加工はしていませんが、音はなります。
割とふつうの笛の音に近づきました。
そのあと、斉藤さんが少しいじると、抵抗感はなかなか私好みの、
シャープな音の笛ができました。もちろん演奏会に使うまでには至りませんが、
こうして、制作家は試行錯誤を重ねて、美しい音がなるように秘伝のブロックを作っていくというわけなのですね。その一部分を垣間見れて、非常に有意義な一日でした。



ブロックを作った笛を斉藤さんに調整に預けたので、しばらくはこのブロックを最終的に完成することはできませんが、今、別のアルトにいれたら、なんだか入りそうなので、また図って入りそうならば、
別のアルト様に変えてみようかなとおもいます。



楽器から音がなるってあらためて、マジックだと思いました。

物理的にわかる事はあっても、まだまだ分からない事たくさんあるんですよ。
こんなに世界の化学は発達しているけれども、自然科学はまだまだ謎なのと同じように、
音楽分野も未知の世界がたくさん残されており、だから人の興味をまだまだ引き続けてしまうのでしょうね。


どうして、人ひとりひとり違うのかと同じ事。手作りの楽器の魔法は無限です。
ミクロの傾きで、音ががらりとかわってしまうんですよ。

みんな作業中、ぷーと吹いてみて、また削って、ぷーと吹いてみて、
「WAO・・・」といって、の繰り返し。
プロの人は30分くらいでブロックをはめるところまではいくらしいです。
私は丸一日かかりましたけど、道具を斉藤さんが一式用意してくださったので、これから作っていけたらとおもっています。



バッハとアンパンマン

2011年02月20日 | 日記
私、昔よく、アンパンマンに似てると言われたんですよね・・・・。


今年一年は、バッハを中心に、なんだかいろんな曲を演奏しています。
現代曲から、中世、一通りやったかな。そもそもフランスバロックを勉強しに
こちらに来たのですが、それをやったのは、来た一年目に重点的にやって、それからは
室内楽やプロジェクトでやるばかりで、自分での取り組みはそういえばやっていないのですが、
ずっとやりたくて探していた楽譜がひょんな事から手に入り、早くやりたくてうずうずしている今日この頃。。。


今、赤ちゃんとお母さんの為にコンサートをしてくれと頼まれているのですが、
赤ちゃんに何を聞かせたら良いものか、何をしようか、主催のお母さんに尋ねると、
やっぱりアンパンマン と言われました。

納得!!!

という事で、深夜インターネットで聞いて、アンパンマンを楽譜にしていたのでした。
バイオリンと2人でやるのですが、バイオリンって、やっぱり音域が広くて、便利だな~~。

小さい笛とバイオリンでやるとなかなかかわいいものが出来そうで、
編曲とか面倒で嫌いな作業ですが、さっくっと終わってしまいました。

アニメソングって、なんてさわやかなんでしょう。楽譜にしても、繰り返しが多いので、
とっても楽~~~~★
久しぶりにアニメソングとか聞いて、何故だか気分が若返った~~~



来週、リコーダーコンソートのコンサートがあるのですが、その後に車で移動して、同じメンバーで
日本人小学校でも演奏しにいきます。私意外はベルギー人ですが、せっかくなので、日本の曲を演奏して、子供たちと歌で参加してもらおうかなとおもっているのですが、このアンパンマンも吹いてくれたら楽しいのになあ~~。
外人がアンパンマンを吹く姿が見てみたい~~。明日リハーサルがあるので、
誰かに試させよおっと!!


アンパンマンの歌って、素晴らしいなーと思います。歌詞も曲もよくできていて、
なんて希望の歌なんだ~~~!


今度詩とやるコラボ、詩の最後は、希望や喜びがでてくるので、それをイメージした
曲をバッハ周辺から探しているのですが、アンパンマンにしよっかな~~~~★
誰にも伝わらないわ~~~
ああ、伝わらないのが残念~~~。

男の子だと、ドラゴンボールの歌とか結構知ってるらしいですけどね~。
ちなみに、私の友達のフランス人歌手は、私の知らないジャパニーズポップスを日本語で歌ってくれました。上手すぎて、引きました・・・・。
たまに日本オタクに出会います。

アンパンマンとかドラえもんみたいなかわいい子供のキャラクター、あんまりこっちで見ないですねえ。。。。
なんか子供のキャラクターなのに、手足の長いスタイル抜群の猫とか、ドラって名前の嫌に声が大人な黒人の女のこのキャラクターとか、なんか変にリアルで、日本のキャラクターのほうが、ずいぶん可愛いくて、夢があるなあ。



リコーダーの試験

2011年02月17日 | 日記

日本に帰っていたので、リコーダーの試験を受けられなくて、今日遅れて受けました。
今日はBACHだけ演奏しましたが、お日柄もよく、ようやく長引いていた風邪も治り、
窓からは、真っ青の空に、美しい教会が見えていました。


今日は久しぶりに自分が満足しました。


それでも、怖くなる時があるのです。そんな時は、教会を見て、
神様に祈りながら演奏します。



満足というのは、自分は、夢中で演奏していたので、自分の演奏に満足したというよりは、
終わってから、先生や伴奏者がすごく晴れ晴れと
満足げな顔をしていたので、ああ、通じたんだな、ということが身に染みて感じられたからです。


ベルギーに来て、一番良かったなと思うことは、
自分が心から音楽を楽しんで演奏できるようになったことだと思う。

父親譲りの超頑固者の性格なので、なかなか自分が満足する事が出来ない性分ですが、
いろんな事をひっくるめて、心から幸せだなと思いながら演奏できるようになったとおもう。

音楽は、一人でするものではなく、共演者や、お客さんという聴く人あってのものなので、
自己満足でなく、楽しめるというのは、そう簡単な事ではないのですが、
それを教えてくれたのが、今の先生です。


音楽は人生を豊かにする。


言葉で教えるのではなく、先生自身が、音楽で、先生から感じるものがありました。
でも、それって、すごい事だとおもう。


試験の後、「僕はとてもハッピーです。君はもう学ぶことはない。」

と言ってくれました。
たくさんの言葉はなく、そのいくつかのフレーズには、いろんな事が含まれているのでしょうが、
とても完璧主義者の厳しい先生なので、こんな言葉が出てくるのは本当にない事だし、
その言葉に加え、その言葉をかけてくれた時の笑顔は一生の宝物になりそうです。

そして、周りの人たちが同じ笑顔をしていました。


音楽って、素晴らしいな。
言葉なんて、いらないなと思う瞬間があるのです。

それって、マジックだと思う。



この前、偉大なフルーティストが、音楽は贈り物だよ。
人に贈るプレゼントだよ。って言っていた。その人が私にめがけて音をプレゼントした、
その音を目の前に、わたしは笑みが出ずにはいられませんでした。
呼吸が一瞬止まってしまう。

言葉にはできない、すごく上質な、贈り物。だから、マジックだとおもう。

中世音楽コンサート 2月10日

2011年02月12日 | 演奏会





フランスバロック講習会の中、中世音楽のコンサートがありました。
頭の中がちょっと大変でした。

左の楽器はハンマーダルシマーといいます。とても難しそうですが、弦をハンマーでたたく楽器で、
ハープの音とよくにています。
今回私は、懲りずに中世ハープとリコーダーで参加しました。
プログラムは、14世紀イタリアと、中世即興演奏もしました。即興演奏は、いきなり思いつきで
プログラムに乗っけられたので、なかなかスリリングで、次の日、ひどい肩こりとバロックダンスのレッスンと、ひさしぶりのハープで、一気に筋肉痛・・・・



ダンスバロック講習会

2011年02月12日 | 演奏会




18世紀フランス、豪華絢爛ヴェルサイユ宮殿では、毎晩のように音楽が鳴り響き、ダンスが踊られていました。たくさんの古楽奏者が愛するフランスバロック音楽、それは、音楽の中にたくさんの芸術が融合されているからでしょう。

さて、昨日終わった、マスタークラス。
毎日朝から、バロックダンスのレッスン、オーケストラの練習に、3回にわたる音楽学者による講義、
3日目くらいからすでにみんな疲れていました・・・。
盛りだくさんのマスタークラス。おなか一杯・・・。


写真は、ダンスの先生が階段の上でジェスチャーを示しているところ。
感情をおもに、手や腕の動き、足の角度などで表現し、
歌手に教えているところです。コンサートのリハーサル風景。


練習風景。



演奏チームとダンスチームに分かれて、生演奏でも実践してやってみました。
踊りにくい拍の取り方だと、実際踊れない。どういう演奏をすれば、ダンスに近づけられるか、
それをできるだけ感じられるようにと、先生たちが毎日実践して教えてくださりました。



そして最終日は、演奏のみのコンサート。のはずが、
ダンスの先生が即興でメヌエットやシャコンヌを
本番だけ踊りはじめて、少しびっくり!!!





盛りだくさんの内容でしたが、こうして古楽器科全員で演奏する機会はほとんどないので、
とても楽しい講習会でした。













フランスバロックマスタークラス

2011年02月07日 | 日記
今週一週間、毎日10時から18時までみっちり、フランスバロック音楽マスタークラスが毎日行われます。今日初日がスタート。なんて楽しいんでしょう。。。。。

オーケストラ、3人音楽学者たちによる特別講義、そしてバロックダンスの講義です。

バロックダンスはもうずいぶん日本にも浸透してきましたが、
なかなか深く知るには難しい別世界です。
今回来られているバロックダンサーは、意外にも、少しがっちりしたおばさんでしたが、
とても良い先生。

今日言っていた興味深いお話しの一つに、


フランスバロックの舞曲と、実際舞踊と、音楽とは、少し離れたところにあり、
結びつけることはできないという人がたくさんいるけれど、
私はそうではなく、完全に、結びつける事が出来ますと言っていました。


それから、メヌエットは、1、2、3、1、2、3という拍の取り方は、
決して出てきません。

1、2、1、2、3、4 となります。(ステップに基づく)

特に日本人は、(多くのヨーロッパ人もそうですが)メヌエットが苦手。
2、30年前のヨーロッパの録音には、そんな重たい1、2、3、1、2、3のメヌエットが
よく演奏されていましたが、日本では、いまだにそういう音楽を耳にする事があるよに正直思います。


メヌエットの、ステップ、非常に、早いです。
みなさんが思っているよりも、早いステップで踊る事が出来、
そしてバリエーションに富んで、1組のカップルで踊られることがおおかったメヌエット。
まずは、王様、次は、その息子、次は、、、と1、2時間続けて様々な種類の長いメヌエットが
王の王間では繰り広げられており、そのダンスは、バリエーションに富んだ個性や、時に
女性の気をひくような事をしたり、感情をダンスで表現したり、たくさんのステップの中で、
男女のカップルは手を取り、見つめ合いながら踊られていたのです。


今日はブレとメヌエットの二大基本バロックダンスをやりました。

何人か、スペイン人がいるので、みんなダンスの時間、テンションが高く、
みんな率先して踊る踊る。かなり楽しいマスタークラスです。


筋肉痛でそう。。。。