また生き延びてしまった

土曜日。
睡眠不足の中ゴルフに出かけた。
プレイ中は特に疲れを感じなかった。
スコアを除けば。

その帰り道。
高速に乗った瞬間に睡魔に襲われた。
レッドブルもメガシャキも効かなかったようだ。

「このままじゃマズい。」

サービスエリアで休むことにした。
駐車場に車を停め、まずはエンジンを切った。
シートベルトをつけたまま目を閉じた。
寝息が聞こえる。
自分の寝息のようだ。

30分後に目が覚めた。
その刹那。
「ヤバい。」
ブレーキを思い切り踏んだ。

何も起きなかった。
自分では確認できないが、
ブレーキランプが赤く光っただろう。
車の前を人が歩き
のどかな時間が流れている。
それとは裏腹に心臓がバクバク鳴っている。

寝たという意識がなかった。
居眠り運転をしてしまったと思ったようだ。

車を降りた。
喫煙所でタバコを吸った。
冷静を装っているが、
まだ心臓は音速のビートを刻んでいる。

グミとカフェラテを買って車に戻り、
再び孤独なドライブを始めた。

最寄りのインターに着いた。
あと10分で自宅だ。
ところが大渋滞。
花火大会だ。

結局1時間30分かけてようやく帰宅。
すぐにトイレに駆け込んだ。
何とか間に合い胸を撫で下ろして思った。

「あれ、今日何してたっけ？」

同時に轟音が鳴り響く。
花火が始まったようだ。