クラブボクシング@ゴールドジム湘南神奈川

普通、湘南辻堂といえばサーフィンなのにボクシングでひたすら汗を流すオッさん達のうだうだ話!

優しく強い息子へ

2019年04月18日 | 朴竜文庫
2ヶ月ぶりに息子が帰ってきた。

疲れているようで、
ホッとしたのかリビングで爆睡している。

まだ社会人2年目
色々大変だろうが、もがきながらも自分の道を探して欲しい。

男同士、今さら分かったようなことは言わない。

黙って見守る父です。

多分、私の父も同じ気持ちだったんだろうな。
そばにいてあげたいな。



朴竜文庫 57(東芝の悲劇)

2019年04月17日 | 朴竜文庫
あ、朴竜です。

ノンフィクションのジャンルは重いので、往復の通勤時間に読むには疲れてしまいます。

休日や早帰りが出来た日にリビングのソファーに寝そべりながらゆっくりと読んだのがこの「東芝の悲劇」です。

山一證券の自主廃業、オリンパスの粉飾決算、そして東芝。

共通しているのは、トップが権力、地位、名誉に固執、ノーを言う周りを排除、世界情勢を読まず、自己に都合の良い解釈ばかりし、決断、判断をせず無責任な先延ばし。これが企業文化として脈々と続き、不正に手を染めて、企業存続が危ぶまれていく。

これは日本中、どこでも起きていそう。

ビジネスマン必読の一冊です。




朴竜文庫 56(運が良いと言われる人の脳科学)

2019年04月16日 | 朴竜文庫
あ、朴竜です。
シンガポール人相手にビジネスでストレス溜まりまくりのこの頃です。

そんな時に読む文庫はこれ!



最近、妻のトリセツ
が売れに売れまくってますが、脳科学者、語感研究者、企業コンサルタント、様々な肩書きがありますが、黒川伊保子さんの新潮文庫シリーズです。

恋愛脳、家族脳、夫婦脳、成熟脳のタイトルの文庫がズラリ。

これは啓発本でもなければ、ノウハウ本でもなく、説教本でもありません。

脳科学や言葉、心理学の見地から、楽に生きようよ、もっと簡単に考えようよ、笑った方が得じゃん!と教えてくれるエッセイです。

全部読んでみましたが、あ、なるほど、そりゃそうだわ、と腑に落ちるんですね。

少なくても私には今までなかったアプローチで非常に楽しい。

一冊が薄いので読みやすいですよ。

軽く読めますのでおススメです。

朴竜文庫 55 (裸の華)

2019年04月13日 | 朴竜文庫
あ、朴竜です。

すごく大好きな作家のひとり桜木紫乃さん。

去年後半ににようやく文庫化された「霧」に感動し、まだその熱が冷めないうちに


「裸の華」も文庫化され嬉しい限りです。



挫折の中にあって道を見失いかけたり、諦めたフリをしたり、自分の上手く伝えられなかったり、不器用でもどこかで温もりが恋しかったり。

人が人を大切に思うことは実はこんなにヒリヒリと心が疼いて苦しいんだっていうこと。

その繰り返しの中で自身の望みはなんだったのか気づくということ。その果てにやっぱりこれしかなかったのだと帰るべき場所へもう一度変える勇気と覚悟。

このお話しには
多分、日の出町のストリップ小屋。

そして、名指しで大和のストリップ小屋が出てきていて、とてもとても身近に感じてしまうのです。

もちろん、桜木紫乃さんが釧路在住で、小説の舞台がススキノで、私が道産子なので思い入れが尋常じゃないんですけれどね。


朴竜文庫 54 (星をつける女)

2019年03月28日 | 朴竜文庫
あ、朴竜文庫主宰の朴竜です。

今年に入ってからとみに視力が落ちてしまい、文字を見るのがとても辛くなってきて、この3カ月間で読んだ文庫は僅か5冊。

その中で、あ、これは凄いなと思ったのは、ヤッさんシリーズや閉店屋吾郎、握る男、などで有名な原宏一さんの

星をつける女



どう凄いかというと、まず、その着想力と登場人物のキャラの立たせ方、食に関する圧倒的な知見をベースにしたストーリーの組み立て方。

この文庫は3話からなるのですが、各話がキチンと繋がりながら展開して痛快!そして、シリーズ化の予感がすることです。

原宏一ファンは必読の一冊です。

朴竜文庫 53(総理にされた男)

2019年01月29日 | 朴竜文庫
あ、文庫主宰の朴竜です。

昨年一年は12月まで100冊近い文庫を読んでいたのですが、それ以降、気が乗らないことや面白い小説が見当たらないこと、何よりQueen の曲を10曲ほど覚えなければならなくて、通勤往復は周りに怪しまれながら英語の歌詞をぶつぶつと詰め込みんでいましたので、もうすぐ2月というのにこれが2019年の初小説となりますが、これが大当たり!

作者は
さよならドビュッシー
で有名な大好きな中山七里さん。

この、総理にされた男
掛け値無しに面白いし、凄い!
本当に痛快なエンタメ小説です。

アニキは絶対読むべし。
一気読み必至!
おススメの一冊です。


朴竜文庫 52 (たった、それだけ)

2018年08月29日 | 朴竜文庫
午前中のミーティングがキャンセルとなり、オフィス近くのスタバで時間を潰しています。

宮下奈都さんで有名な作品は最近、山崎賢人や三浦友和、鈴木亮平らで映画化された「羊と鋼の森」ですね。

先に映画を観たのですが、とても美しく静謐で丁寧な作品に感動しました。その後に小説を読んだのですが、原作がそのまま映画化されたよう。

ピアノの調律師のお話なのですが、小説からピアノの音が聞こえ、風の声や樹々の騒めきが聞こえてくるのです。

それは宮下奈都さんの圧倒的な洞察力や技術、感性によるものかと思います。

その後、「誰かが足りない」、「田舎の紳士服店のモデルの妻」、「窓の向こうのガーシュイン」など何冊か読んでみましたが、羊と鋼の森くらいに素晴らしいと感じたのは、これ「たった、これだけ」です。



人間の心の襞、機微をどうしたらこんなに綺麗に丁寧に掬い取れるのだろう。そして精緻に描けるのだろう。

生きていれば色々なものから逃げたくなるような辛いことはたくさんあって、でも逃げずに踏ん張っているとかえって辛くなる状況ってたくさんありますよね。

でも、逃げることで新たな道を見つけることもあり、前に進むことができるかもしれません。

そんな物語に歩いてきた道を振り返り、これから行く道を思いながら、シンガポールで時間を潰しています。


朴竜文庫 51(骨を彩る)

2018年01月31日 | 朴竜文庫
彩瀬まるさんの作品を初めて読みました。

この「骨を彩る」は2013年に幻冬舎から出版され2017年2月に文庫化されたもので、当時、本の帯に小泉今日子が大絶賛していたので手に取ってみたのですが、他の小説を読んでいくうちに、この作品を買ったことすら忘れていました。

今週月曜の出勤前に何か読み残したものはないかと本棚を漁っていたらこの「骨を彩る」を思い出したのです。

さて、ここには5編が収められているのですが、どれも素晴らしい(言葉の紡ぎ方や文章が切ないくらい美しい)ものばかり。

気になってググってみると多くの読者の方達が2017年読んだ小説のベストスリーに入ると書評していました。

5編の作品の主人公のいずれも心に「ない」ものを抱えていてもがき苦しんでいます。

「喪失感」に一歩が踏み出せないのです。

例えば「指のたより」で主人公は10年前に29歳の妻を亡くしているのですが、夢に出てくる妻と何か語ろうとするのですが、夢で見るたびに手の指が一本ずつ減っているのです。

遺された主人公は罪悪感から新しい出会いに一歩踏み出せないでいたり・・・

どの作品もどの主人公もひりひりとした「欠けたもの」を抱えて生きていて、それを埋めようとして、新たな人とのかかわりの中から気づきを得ています。

僕らもそんなことたくさんありますよね。

今「マウス」の村田沙耶香さんに嵌っていますので、一通り読んでみたら、次はゆっくりと彩瀬まるさんの作品に触れて行きたいと思います。



朴竜文庫 50(マウス)

2018年01月29日 | 朴竜文庫
この村田沙耶香さんの「マウス」は2008年3月に講談社から出版されたのちに文庫化されたものです。

村田さんはその後、2009年、『ギンイロノウタ』で第31回野間文芸新人賞受賞。

2013年、『しろいろの街の、その骨の体温の』で第26回三島由紀夫賞受賞。2014年、『殺人出産』(これも超面白い!)で第14回センス・オブ・ジェンダー賞少子化対策特別賞受賞。

そして2016年、『コンビニ人間』で第155回芥川龍之介賞受賞しました。

まだ38歳の新鋭の作家で、この「マウス」を読んで頂ければその瑞々しい才能とセンスが感じられると思いますし、私は村田さんの作品が肌に合っています。

タイトル「マウス」(mouse)は「ねずみ」のことですが、合わせて「内気な女の子」「引っ込み思案な子」「かわいい子」という意味もあるそうで、主人公は小学校5年の「内気な女の子」で、「内気でおとなしい」という立ち位置でクラスに居場所を作っているのですが、もうひとりの主人公はもっと特異な女の子で、その子との係りでなかで自分と云うものを見つけだそうと苦しみもがきながら大人になっていくというお話。

アイディア、着眼点、言葉の選び方、ストーリーの展開、何より心の内面を滑らかながら深く描く力に感動した作品です。

朴竜文庫 49 (運命のひと)

2018年01月24日 | 朴竜文庫
年末年始に桜木紫乃さんの巧みなコンビネーションでコーナーを背負った後、ショートの強弱をつけた連打を打ち分けられてTKOになった朴竜。

桜木ロスにある中、さて何を読もうかと先日買った山本甲士さんの「運命のひと」。

これもなかなかに面白かったのでお薦めします。

ボクシングで言えば、相手をよく研究して臨んだのに、ひたすら軽いジャブを浴び気づいたら相手のペースにはまり判定負けになった感じ。

それでも試合後はまあそれでもしょうがないかとさわやかな気持ちになる作品というものでしょうか・・・。

山本甲士さんは私の大好きな作家のおひとりです。

この作品もそうですが、挫折或いは停滞、出会い、気づき、学び、成長、感謝、そして新しい出会い、今度は自分が誰かを支えるというポジティブな連鎖が丁寧にほのぼのと、そして丁寧に描かれていて、最後はハッピーエンディング。

物事は前向きに考えないとねと思わせる一貫した作風に共感しちゃいます。

清涼で爽快、そしてちょっぴり切ない読後感に浸ること間違いなし。

舞台設定がビートルズが来日する辺りなのでシンパシーを覚えます。

アニキにお薦め!


朴竜文庫 48(硝子の葦)

2017年12月15日 | 朴竜文庫

桜木紫乃の「硝子の葦」は私がこの数年の間に読んだ小説で最もすぐれた作品だと思っています。

圧倒的な筆力と構成力、極限まで削りとられた文章と選び抜かれた言葉。

作者が住む道東の街、釧路を舞台とした、ひりひりとした男女・親子間の愛憎を時に荒々しく時に静謐に描き切ったこの作品、読後しばらくその余韻で呆けてしまいました。

北海道を飛び出したくて今ここにいる私自身が、地元を舞台とした物語をずっと避けてきました。

「ホテルローヤル」で直木賞に輝く前から「桜木紫乃」は知っていましたが、昔の自分の心情を覗き込むようで、なにやら「怖さ」が先に立って、どうしても手に取ることのできなかった作家でした。

先週出張先で読む本がなくなりKIOSKでたまたま手にしたのが「ブルース」。

この釧路ロワール的物語が面白くて、この1週間の出張移動時間の暇つぶしに「風葬」「氷平線」「ラブレス」「無垢の領域」「凍原」「ターミナル」「ホテルロイヤル」等、10冊程読みました。どれも素晴らしい。

あ、これドラマ化されていますね。
原作に忠実である必要はありませんが、元が素晴らしいので、余りに異なる脚色ではなく、且つドラマとして腑に落ちるように作られていることを願います。



朴竜文庫 47(芸者でGO!)

2017年08月04日 | 朴竜文庫
朴竜です。

最近、昔のように国内地方出張の機会が多くなってきまして、そうなると自然に移動時間に本を読む機会が増えてきて嬉しい限りです。オフィスにいると息が詰まってしまいます。

昨日は三重県松阪市への日帰り出張。
新幹線に乗り込む前に八重洲ブックセンターへ行かなくちゃ。

名古屋から約1.5時間。東京から小田原までって感じですかね。往復6時間だもの。

なので、370ページの文庫も一日で読めてしまいます。帰りには週刊新潮で今井絵里子議員の記事を読んじゃいましたがね。

私、山本幸久を初めて読みましたが、まあ、嫌いじゃないなと感じました。

この『芸者でGO!』は八王子の芸者置屋『夢民』に籍を置く芸者5人のオムニバスストーリー。

性格も年齢も負ってきた過去もそれぞれ違う芸者5人。それを支える女将、常連客、なかなか楽しい設定です。

時代設定はまさにこの一年。だからこそ、共感できることもたくさんあり、まあまあ楽しい。
そして、ちょっとだけほろっと泣ける量配分がいい。

読み終えて初めてこの扉のイラスト、芸者が誰なのかよく分かります。特徴を捉えてるなー。

超イチオシではないけれど、まあ、悪くないなと言った読後感ですが、それは人それぞれ。

ただ、山本幸久氏の他の作品を触ってみたいなと思いましたよ。

朴竜文庫 46 (ツボ押しの達人)

2017年08月03日 | 朴竜文庫
朴竜です。この数年ハマっている男性作家というと、たびたび紹介していますが、原宏一、山本甲士、佐藤青南、そして室積光の朴竜文庫四天王です。

いずれも至高のエンターテイメントを紡ぎ出し続ける力にただ脱帽です。

この『ツボ押しの達人』は講談社文庫から最近文庫化されたものですが、

まずは『達人山を下る』が第1作目にあり

その続編にあたる『達人の弟子 海を渡る』があり、


そしてその最新作がこの『ツボ押しの達人』となります。

シリーズ1作目が文庫化されたのは確か2013年くいに覚えています。ようやく3作目が出てきて嬉しい! 勿体無いのでちびちび読んでいました。

ストーリーは単純明快!

古武道の達人である老人が、『尊厳崩し』『石仏突き』などの究極の技で、ヤクザ、怪しげな新興宗教、悪徳政治家、国際テロリストグループを壊滅させ、反省を求めた後に、更正させていくストーリー。

1作目は達人自らが主人公となり活躍、2作目は達人弟子となる孫が大活躍、そして最新作は新しい弟子の女性記者が大奮闘します。

登場人物は達人を起点にそのファミリーが増えていくのですが、キャラ設定が秀逸です。

ボクシング、格闘技をやっているみなさんには1作目からの一気読をおすすめします。

強さは優しさです。
強い人は皆優しく謙虚。

そんなことも教えてくれシリーズです。

朴竜文庫 45 (白球ガールズ)

2017年07月24日 | 朴竜文庫
あ、朴竜です。
本日、午後から掛川市へ出張でした。その往復の新幹線内で読み切ったのはこの「白球ガールズ」です。

あらすじはこんな感じ

なんですけれど。とにかく面白かった。

本も是、邂逅です。
最近お世話になっているジムメイトに、アニキやジョビと野球練習に参加させて貰っています。

そんなことがなければ手にすることのない作品


その作品から改めて感じたこと。

野球だろうが、ボクシングだろうが、好きということが一番大事。好きだから誰のせいにもしない、好きだから最後までやるという姿勢を忘れないことが大切なんだなと。

こんなおっさん、ハッピーエンドの青春小説が大好きです。

赤沢竜也氏
小気味好いリズムの文章が素晴らしいです。

暇つぶしにでもお薦めの一冊です。

朴竜文庫 44 (消えてなくなっても)

2017年06月24日 | 朴竜文庫
久しぶりの朴竜文庫への投稿です。
今年5月25日に初版文庫化された椰月美智子さんのこの作品は、死生観を問う魂の救済の物語です。

読後の深い切ない余韻に浸ってしまいました。

人は悲しい運命をどう受け容れて生きるのかを
自然豊かな山間の鍼灸院を舞台に、透明な文体と見事な情景描写と機微を以って描いています。

椰月美智子さん
変わらずに素晴らしい。大好きです。